ピーター流外国語習得術 (岩波ジュニア新書 343)

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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005003433

感想・レビュー・書評

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  • ハンガリーでは名前が姓・名の順で、彼も本当はフランクル・ピーターらしい。でも彼が言うには、名前より中身が大事。この本、BOOKOFFで105円で買ったのだけどサイン入りだった。

  • 多言語を操ることで歴史上有名なのは、シュリーマン(1822年1月6日 - 1890年12月26日は、ドイツの考古学者、実業家でギリシア神話に登場する伝説の都市トロイアを発掘した。自伝では18ヶ国語を話せたという)ですが、本書の作者も12か国語のマルチリンガルでありながら、数学者でジャグラーという多才ぶり。
    本書では彼の他言語習得方法を披露。
    そのエッセンスは、まず短期間に集中して勉強、その国の人と会話できるチャンスを活かす(魅力的な異性であればなおよし)、その言語で独り言を言う、ドラマや探偵小説のやさしい文章を読み単語は文章ごと暗記、教科書は複数同時に使い、英英辞書などその国の言語で書かれている辞書を使う、語学教室は自分に合ったクラスを選ぶ・・・など自身の経験からそのノウハウを指南。学校の授業では文法、会話、発音の順で重視する。

    ピーター・フランクル(Péter Frankl, 1953年3月26日 - )は、ハンガリー出身の数学者・大道芸人・タレント。本名はフランクル・ペーテル 。日本名は富蘭 平太(ふらん へいた)。国籍はハンガリーとフランス。ユダヤ系ハンガリー人である。ハンガリー科学アカデミー国外会員。ホリプロ所属。
    算数オリンピック委員会専務理事、国際数学オリンピック・日本チームコーチ、東京大学非常勤講師、フランス国立科学研究センター教授。日本ジャグリング協会名誉理事。元早稲田大学理工学部客員教授。NHK教育番組によく出演している。
    両親はナチスの強制収容所体験者で、医師であった父・ヨージェフ(1908年10月24日 - 1994年1月5日)はホロコースト体験後に無神論者となり、母・ジュジャンナ(1927年 - 2004年10月24日)も同化ユダヤ人(ハンガリー人)の意識が強いが、ピーター自身はユダヤ人意識が非常に強い。そのため、第2次世界大戦でハンガリーに侵攻してきたソ連軍を多くのハンガリー国民が「占領者」と捉えるなか、フランクル自身はユダヤ人にとってソ連は「解放者」であったとしている。また、無神論の思想は両親から引き継いでおり、宗教的に物事を捉える人に対しては批判的である。父親がユダヤ人として迫害を受け、全財産を没収されるなどの経験をしたため、彼の父親はピーターに「人間の財産は頭と心の中にあるものだけ」と常に語り聞かせた。こうした父親の影響からか、ピーター自身も「(今の)日本人は若いときにアルバイトや部活に時間を割きすぎ。もっと勉強して自分に価値をつけるべき。その方が将来もっといい条件で働けて、得られるものも多くなる」といった意見を、彼の著書(ピーター流外国語習得術)にて記載している。
    使う言語:
    母語のハンガリー語のほか、ドイツ語、ロシア語、スウェーデン語、フランス語、スペイン語、ポーランド語、英語、日本語、中国語、韓国語、タイ語の計12言語を大学で講義ができるレベルまで使いこなすことができ、加えてインドネシア語とチェコ語でも日常会話が可能である(『ピーター流外国語習得術』より)。数学関係のみならず、日本文化や教育、旅行、外国語習得術に関する著書を多く執筆している。ただ、必ずしもネイティブな発音で話せるわけではなく、それが原因で苦労したこともあるという。本人曰く、「英語は小説や戯曲を読むなどして時間を投入したので自信はあるが、ネイティブな発音でないため、母語として話す人からはあまり相手にされない」とのことである。日本語についても特有の訛りはあるが、「勉強して一番得した」とのことである(『ピーター流わくわく旅行術』より)。反対に、スウェーデン語については使用機会が少ないことに加え、得られたものが少なかったことから「一番勉強しなくてもよかった言語」と述べている。(ウィキペディア)

  • 20190415 読了

    読んで損はないけれど、
    あまり得る物はなかった^^;
    それがちょっと残念。

  • 4-00-500343-5  195p 1999・12・20 ?

  • 【抜き書き】
    □59ー60頁。
    ただ、国家というものは、日本だけでなく、アメリカでもどこでも例外ではないけれど、自分に不利な情報をあまり流したくないのです。一方、ひとりの人間としては、自分が興味のあることにかんしてはできるだけたくさんの情報、そしてできるだけ真実を知ったほうがいいのです。そして、そのためには外国語ができることがすこく有利なのです。


    □82頁
     実際、日本人の日本語能力をくらべると、外国人のぼくから見ても人によって雲泥の差があります。非常にきれいに言葉をよく選んで使う人もいれば、いつも「あれ」「これ」「それ」「だってさー」というように話している人もいます。


    □ 85頁
     というわけで、ほんとうに外国語がうまくなりたいと思ったら、じつはまず「日本語がうまい」ことが先決です。日本語を話すときに語彙が豊富で、言葉を選び、細かいところに気をくばっている人ほど、外国語を勉強するときにもいろいろ細かいことに気がつくのです。
     これははっきりいうと、才能とはいえません。一種の習慣なのです。〔……〕漢字を覚えただけにとどまるのではなく、どうしてこの字を使うのか、字によって意味が違うのかを調べてみる。そういう探求心というか好奇心が旺盛な人のほうが、外国語を勉強できる才能もあると思います。

  • 著者の反国家的な思想には馴染めないが、外国語学習に役立つTipsを発見でき、満足している。彼の思想の発生には、心の拠り所となる共同体の存在しない不安定なアイデンティティが根本にあったのではないか。それ故、外部世界に拠り所を求め続け、結果、彼は12ヶ国語に精通することができたのではないか。本書における一番のTipsはその部分で、根本的な上達法といえる。しかし自分でそうなれるか、なりたいかを考えると、難しい話である。

    -

    P.52 - 短期間いま勉強している言語に集中すること。すべてのチャンスを用いてその国の人と話をすること。その言語で独りごとを言うこと。その言語で書かれている本、とりわけ最初のうちは戯曲や探偵小説など、やさしく書かれている文章を読むこと。

  • 天才と言われる人が書いた本なので、真似できない部分が多いのではないかと思ったが杞憂だった。説明されている理由はとてもわかりやすく納得しながら読み進められる。
    目から鱗だったのは、「人間は自分が知ってる語彙(概念)しか使えない。だから日本語の語彙として概念が入ってないものは、外国語でもなかなか理解できないから覚えられない。つまり外国語が上手くなりたいなら日本語がうまいことが先決である」という部分。「日本語が不自由な人は外国語も…」と耳にすることがあるが、なぜそう言われるのか納得いってなかった。これですっきりした。
    英語は、単語で覚えない。学習初期から本を読む点など、後に読んだロンブー・カト―「わたしの外国語学習法」と共通する。

  • とても大好きな本になった。ふせんだらけ。
    ピーターさん、とってもいい人なんだろうなあ。
    素敵な考え方がたくさん。もっと前に読んでいれば、と思ってしまいつつ、今読めてよかった、と感謝。

  • ジャグラーで数学者のピーターさんが書かれた、外国語学習に関する本です。ご自身は、なんと12ヶ国語を話せるという、マルチリンガル。システマチックな how to を期待しているのであれば、期待はずれかもしれません。しかし、外国語学習への向き合い方は、大いに参考になります。また、誰でも実践できるような学習方法も少し紹介されています。さらに、後半部分では、真の国際人とは~といったことにも言及されていて、語学ができるだけではダメということもおさえています。1999年の発行ですが、時代が変わった今でも、十分に勉強になります。

  •  僕は外国語習得が大変苦手です。中学から始めた英語も全然わからず、定期試験は、勉強方法がわからないので(何がわからないかわからないという劣等生の典型)、いつも教科書を全て暗記して乗りきりました。そんな僕にとって、英語のみならず何か国語も習得している人は、素直に尊敬してしまいます。

     この本は、子供向けだが大人が読んでも大変ためになると思う。この本を読んで、「我が意を得たり」と思ったのは、「(他)言語を学ぶ事は、多様な価値観を身につけること」との記載があったこと。特に最近の日本は、マスコミが画一化していて、情報が偏向化傾向にある。また、インターネットでの情報は玉石混合なので取捨選択に困る。言語で言えば「英語ナショナリズム」の様相を呈してきて、小学校での英語教育の導入(恐ろしい教育だと思います)や、社内公用語の英語化など、「英語を学ばなければ人にあらず」といった風潮にあるのが、これまた恐ろしい。

     このような社会の「外国語と言えば英語」という風潮に嫌悪感を催し、僕は英語以外の言語を学ぼうと思った。でも、先述のように、僕は外国語習得能力に劣っているため、他言語を学ぶことに躊躇していたところにこの本を読んで、非常に勇気づけられた。

      著者のピーター氏は有名なので紹介するまでもないが、氏の語学遍歴を見ると、「異性」との出会いが大きいと感じた。氏が上達した独・仏・英などの各語は、その言語を母国語とする魅力的な女性と付き合ったりした時だ。この本を読まれるときは、この点に注目されたい。結局いくら高尚な動機を持って勉強したとしても、異性(恋愛)が絡んだ時ほど、語学が上達することは他にないということが良くわかった。僕が外国語習得能力に劣るのは、異性との付き合いが無い事が原因だということにしたい(笑)。

     本の最後に氏が書いた言葉が非常に印象的で、他言語学習者にとっての金言になると思う。
     
     「芸などは、一流でないと意味がない。二流なものを見せられても人は嫌悪感を催す。しかし語学は二流でも許される。だとしたら二流でも良いからどんどん外国語を学ぼう」

     確かにほんの一言・二言でも、初級の文法でも知っていればそれだけで有用だし、そういう「カタコトの外国語」を喋る人を敬遠したりしないだろう。もし日本に来た外国人がカタコトでも日本語を喋ってきたら、何とかコミュニケーションを取ろうと思う。

     この本を読んで、結果的に食い散らかしでも良いから、いろいろな言語を学ぼうと思うようになりました。この本の評価を★4としたのは、惜しむらくは内容が子供向けということです。是非、この本の改訂版ということで、大人向けに氏が改訂してくれることを望みます。

     また、他言語学習に興味がある方は村上春樹『やがて哀しき外国語』や黒田龍之助の各著作が参考になると思いますし、レビューを書きたいと思います。

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著者プロフィール

1953年ハンガリー生まれの数学者。国際数学オリンピック金メダリスト。世界各国で暮らした後1988年より日本に定住。算数オリンピック委員会理事、ハンガリー学士院メンバー、日本ジャグリング協会名誉顧問。

「2019年 『ピーターキューブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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