勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)

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著者 : 市川伸一
  • 岩波書店 (2000年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005003501

勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • ■要約 :『考えることの科学』『勉強法の科学』『勉強法が変わる本』市川伸一著 より、KJ的にひも解いてみた。
     
     『世の中にある問題というのは、初期状態、目標状態、操作がはっきりとは決められないものが数多く』、『どのような手が使えるか…を考え出すことがたいへんなのである』。
     『何らかの認識にいたるというときには、つねに推論がからんで』おり、『考えてアイデアがいきなり湧いてくる…、けっしてそうではない』。これらとどう向き合うかというのはとても重要なテーマだ。
     
     問題を解くには、推論したり、創造したりする必要があるが、この際、『事実を関連づけていくことが決定的に重要な役割を果たす』ようである。
     うまい手は『知っている問題にもちこむ』ことといわれるが、そのためには、『知識を使って「この問題はどんな問題か」を把握』せねばならない。
     知識といっても表面的な知識ではない。『関連をもってつながっている』知識、『構造化された知識』や『スキーマ』でなければならない。
    『公式だけ覚えていても問題が解けるようにはならない』といわれるのも同じことだ。『方略というのは、それ自身を言葉で覚えていてもだめで、使えるようにならないと意味がない』からだ。
     
     また、問題は『解きながらそれがしだいに決まっていくということが少なくない』。解くうえでは、『定義や具体例を通じて意味を理解しておく』ことに加え、『手を使いながら、頭を使う』ことが大切であるとされている。
    『書くということを通じてこそ、人は自分の考えを進めたり、新しい考えを出したりできる』、『何も書かずにうなっているだけの人は、まずいない』、『「考えたことを書く」のではなく「考えるために書く」』ことが大事であると説かれている。『(文章ならば)移動したり、削除したり…、段落の順序を入れかえたり…』、『紙の上に図や式を書きながら考え…』など、『ジタバタしてみなければ解けない』。
     このような行為によって、『もやもやとしていたことがらが形をなしてくる/思いもかけなかったような新しいアイデアに思い至る』こともあるし、『表現するという行為を通して心の中にあるものが変化』していったり、『制作過程を通じて自分自身が変化していくことを感じる』ようだ。
     
     『「思考のツール(道具)」として使える推論に関する学問(論理学、確率論、推測統計学)』の活用も重要だ。人には『確率判断を求められたときに、それを代表性に置き換えて判断してしまうというヒューリスティックス』など、ある『考えに流されやすい心理的な傾向』があるからだ。『ランダム、標本抽出、大数の法則、相関などの確率・統計的な概念を用いたデータを扱い、現象を理解するといった方法論をとることにより洗練された解釈をする』ようになる。
     
    『学習は、量と質』、『量よりも、何が身についたかを気にかける』必要があるのだ。
    『いい仕事をしている人/熟達者/成績がいい人/良い成績の学生』は、『豊かな知識』『豊富な「問題状況のパターン」』をもっている、『トップダウン的な処理をする』、『統計学の訓練を受けている』などの傾向があり、『問題の考え方のセンスがいい』ようである。
      『人はついどのような考えに流されやすいか』ということと、人はどのように認識、解釈(ボトムアップ⇒スキーマ呼び出し⇒トップダウン)し、『考えを進めるかという指針』を知っておいたうえで、『経験から一般的な教訓を引き出し』たり、『自分で学習観や学習方法を作っていく』などしながら、『自分の知識をより完全なものに』していかなければならない・・・これこそが学びだ。
     
     心持ちとしては、『「いつかわかってやるぞ!」という気持ちを秘め』、『何か問題意識を感じて「なんとかしたい」と思うこと』など、『基本的には「理解したい」という方向付けをもつ』必要があるが、『「これをやればいい結果になる」という確信をもてる内容にすると同時に、「これなら自分でもできそうだ」という実行可能性の高いものにしないと、やる気は湧いてこない』。『外発的動機づけの視点からすると、何をめざしてやっているのか、目的・目標が見えにくいときにはやる気が出ない』、『内発的動機づけの視点からすると、知的納得感、達成感、進歩の実感などが満たされなければ、およそやる気になれない』が、『どの動機でもいいので、とにかくやってみることです。やってみたら、できるようになった、おもしろくなった、という経験をつかむこと』も重要であるとある。
     一方、『意味が理解できなくても手続きへの慣れを先行させたほうがいい』ことや、『伝統的な枠組みの中にどっぷりとつかる時期があってもいい』、『わからないことにじっと耐えるというのも、重要な学習』ともあり、とても人間的だ。考えるとはいかなることかについてより理解を深め、人の思考のくせを認めつつ、とにかく四苦八苦し、『自分なりに方略をつくっていく力』をつける・・・ということなのであろう。

  • まずまず

  • 著者は東京大学の認知心理学(人間の学習・記憶・思考・言語などについて研究する分野)の先生ですが、教育相談などもされており、学習参考書などにもけっこうくわしいようです。勉強の仕方についてはまた別の場所でまとめてみたいと思っていますが、だいたいいままでに自分が考えており、実践してきたこととおおむね違いはなかったようです。ちょっと安心しました。自分が実践していたことが認知心理学からも認めていただけたようで。その中で一つだけ紹介。自分がまだ覚えていないことに時間をかける。漢字テスト前など、すでに覚えてしまっていることも含めて、何度も書いたりしていませんか。1回ですんなり書けた漢字は2回目は飛ばしてしまっていいのです。それで少しは時間的な余裕ができます。そのことでまた、苦手なところに時間をさくことができます。どの教科も時間をかけて、たくさんの問題演習をする必要がありますが、少しでも効率のいい時間の使い方を考えましょう。また、問題の意味が分からず解けないときは、意味の分かっていない言葉はないかをまず考えましょう。次に問題の文章を、いくつかに分解して読みくだし、今までに知っている知識で何とか解決できないかを考えてみましょう。「分かる」は「分ける」作業から始まります。中学・高校生向けに書かれた本です。ぜひ一度読んでみてください。

  • 勉強しなさい!
    耳にタコができるほど言われて育った口かな。
    でも、勉強の方法って習ったっけ?
    英単語の暗記してたけど、暗記の仕方って習ったっけ?
    数学の解き方習ってたけど、問題の捉え方って習ったっけ?
    そんなふと思った疑問を認知心理学の分野からアプローチしてみようではないかと考えてこの本に出会いました。
    学習感を見直し。
    記憶するとはどういうことか。
    理解することとは。
    英単語の暗記に数学の解き方、小論文至るまで。
    テストに出る、受験する、だから覚えたり問題をひたすら解いてみる。
    ではなくて、物事に対して理解することがどう重要なのか。
    心理学からどう考えれるのか。
    ここ最近よく巡り会う本ですね。
    僕が思う勉強法が心理学の考え方だったとはなかなか面白かったですね。
    もう少し心理学というのを掘り下げてみてもいいですね。

  • 心理学的知見から勉強法について述べた本。実践的な本ではあるが,研究に関する言及もあり,認知心理学の入門的な本としても楽しめる。

  • 結構よかった。高校三年生とか、受験をひかえて、どういう勉強をするか模索している人に結構いいと思う。例とkがそうなので。自分は因数分解とか忘れてしまっているので、けっこう辛かった。

    小論は、考えを書くのではなく、考えるために書く。
    数学の問題は、パターンを覚えることと、そのパターンをどうつなぎ合わせたり、利用するかを訓練することが大切。
    英語は、トップダウンであり、知識として内容を知っていることが大切。知ってると予測できるから。でも、全部知ってるのもムリなので、ボトムの勉強も必要。。。うーん。英語に関しては市川さん、自分の体験談とか持ち出して、あんまりすっきりしてない(笑)

    でも、わからない部分を飛ばし、大まかにいいたいことを理解しようとすることは、なるほどと思った。分かる部分をいっぱい処理していけばいいのだし、わからない部分というのは必ず出てきて、大まかなことぉ理解できればコミュニケーションはだいたい十分なのだ。

  • 「新しい問題に出会ったときに、これまでに出会った似たような問題すべてを具体的に思い出す必要はない。その問題のタイプを識別して、適用するルールが思い出せれば十分である」


    医者も、患者の病気を特定するために、似たようなことをしているのかな。

  • 勉強法・受験テク本。人の勉強をする時に陥りやすい心理や、勉強に効果的な心理を中心に解説をしてくれる。全体を通して文中コラムなどの心理学的ワードが具体的なのが更に誰かに説明するのに役立ちそう。

  •  市川先生のお話は生で聞いても大変分かりやすいのですが、この本もとても分かりやすく書かれています。自分が何気なくやってきた勉強法が、意外に正攻法だと分かってちょっと安心したものもありましたが、英語の勉強法は、ダメだということもはっきりしてショック(^^;。

     今となっては手遅れですが、私も高校生の頃に読んでいれば…。

  • <石上浩美先生コメント>
    自分の勉強方法に迷った時に読む1冊。

    <閲覧スタッフより>
    努力しているのにちっともわからないし学力が上がらない。・・・これは勉強方法を見直す必要があるのでは?暗記、理解、文章作成など、自分らしい勉強法を心理学的な観点から模索してみよう。
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    所在番号:新書||371.4||イチ
    資料番号:20088657
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勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)はこんな本です

勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)の作品紹介

「いくら勉強してもわかるようにならない」「ちょっとした問題でも間違えてしまう」としたら、勉強法に問題がないかな?心理学の成果をもとに、数学、英語、国語などの問題にそって、なぜつまずいてしまうのか、もっとよいやり方はないか、具体的にアドバイスします。自分にあった効果的な勉強法をみつけよう。

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