- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005004881
感想・レビュー・書評
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古代ローマが始まってから終わるまでの歴史や戦争、政治について教えてくれる本。古代ローマの歴史や文化にもうちょっと明るくなってから読み直したら、もっと楽しく読めそう。分かってたけど、もともと知っていた物にしか反応できないのね。なのでもともといくらか知っていたことについて書かれているところはとても楽しく読めた。そうでなかったところは適当に流し読んでた。分かったら、きっと興味深いんだろうな。
ローマで文字が使われるようになったのって、紀元前6世紀頃からなんだ?メソポタミアよりだいぶ後なんだわね。
ギリシャ文字がエトルリア文字になって、エトルリア文字がローマ文字になったんだって。ローマ文字は今のアルファベットの原型。
ローマ人も人を神扱いして、その人のための神殿を造ったりしてたんだ。アウグストゥスとか。一番初めの皇帝。これは、菅原道真を神様扱いするのとはちょっとニュアンスが違うかも?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ローマ帝国の歴史を成り立ちから、東西分裂(実質崩壊)までコンパクトに1冊で。基本のき、ということでジュニア新書から選ぶも、いきなり色々と目から鱗で超面白かった。カエサルってローマ帝国の人だったんだ!オクタウィアヌスってアウグストゥスだったんだ、8月!とか。子供のころって地理が嫌いだったせいで世界史もイメージが全くわかずに、さっぱりだったんだが、今まがりなりにも海外に行ったことがある経験を踏まえて読むと無茶苦茶面白かった。実のところヨーロッパってほぼ未踏なんだけど、これで体験後に読むとさらに面白いだろうと思うと歳を取るのも悪くないな、とか最早本の感想じゃねーなこれ。
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高校時代に世界史で習ったローマ帝国の歴史を復習した。
ローマ人の祖先がトロイから流れてきた人物だというのは全く知らなかった。ロムルスとレムスの時代から、元老員の時代、カエサル、アウグストゥスと経て、ローマ帝国は強大になってゆく。読んでからしばらく経つのでだいぶ忘れてしまった。また読もうかな。 -
ジュニア新書にしては難しいと思うが、ローマ帝国の歴史の流れをざっと掴むにはうってつけだと思う。
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ローマの盛衰についての概説書。
入門書のような見せかけだが、実はローマ史の2~3冊目程度で読むのが推奨。通史を期待すると肩透かしをくらうと思う。
共和制ローマ時代からローマ帝国滅亡までを概説しているが、帝政期、しかもそのうち初代皇帝アウグストゥスの治績に特に重点を置いた構成となっている。
それはローマの最良の時代の基礎を築いたのも、その後のローマの限界の端緒が垣間見えたのも、アウグストゥスの時代だったからということが読めばよく理解できる。
本書の良い点は「なぜ」が大変分かりやすい点。
古代ローマは、その1000年近い歴史の中で、王政⇒共和政⇒(内乱)⇒帝政⇒瓦解とその性格を徐々に変化させていくが、その理由が非常に飲み込みやすい。
あたかも古代ローマの歴史を一人の人間の生涯として捉えられる。
古代ローマの成長、衰退の過程とその理由について、本書を読めばある程度は自分なりに話せるようになるのではなかろうか。
そして、国家の盛衰の一つの典型として、ほかの歴史上の国家の盛衰を考える際にも、役に立つと思う。
ジュニア新書というレーベルではあるが、何一つ前提知識がない状態では恐らく読みこなせない程度の本であることは付記しておきたい。 -
参考文献として。
ジュニア新書のわりには専門的な内容。アウグストゥスの政策はとても丁寧に書かれている。
それに比べ、五賢帝以降の内容が少し物足りない気がする。
戦いがないと歴史もないと言われるけど、戦いが多いとそれはそれでまとめにくくなるんだろうな、と。
キリスト教との関係性も、もう少し詳しく載せて欲しかった。
大まかな概要を知るには良い本なのかも。 -
食い足りないけど、俯瞰図をなんとなく把握するためにはまあまあ。
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NDC分類: K232.
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大学などで専門的に勉強してるわけではないけど、ローマ史の概説はそれなりに読み知っているぞ、という人向け…かな。
政治の流れが中心だが、政治事件を追うのではなくて、政治システム構築史という感じ。どういう変化や必要があって、それにどういうシステムで対処したか。その積み重ねをたどっていく。
だからハンニバルやカエサルなど、いわゆる「英雄」の戦略・決断にページが割かれることはなく、アウグストゥスの施策や属州統治のしくみが丁寧に語られる。
このあたりは賛否両論だろうが、小説・漫画・エッセーでさんざん取り上げられてきた英雄譚を、「入門書」の岩波ジュニア新書でまでくりかえす必要はない。入門書=娯楽本ではないのだから、とぼくは思う。
英雄譚は愉快だけれど、エンターテイメントの必要上、前後の時代や周囲の人間との「断絶」が強調される。その点、本書はそういう意味での事件史をスッパリ切り捨ててくれたおかげで、ローマ人の長い足どりがつながってみえる。
もっとも著者の専門は政治史でも制度史でもない。考古学と美術史。すでに新書で何冊も出している著作タイトルを見ても分かる。
実際この本でも、ローマの建国神話とエトルリア考古学を突き合わせる箇所とか、ギリシャ美術に対するローマ人の姿勢とかについての解説がおもしろかった。 -
●構成
はじめに:なぜいま“ローマ帝国”なのか
Ⅰ ローマ帝国ができるまで:建国物語と覇権確立までの道のり
Ⅱ ローマ帝国の成立:アウグストゥスの時代
Ⅲ 帝国の発展と充実:皇帝たちの饗宴
Ⅳ 人類史上もっとも平和な時代:五賢帝の統治
Ⅴ 帝国の混迷と解体:なぜローマ帝国は滅びたのか
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誰でも一度は「ローマ帝国」という言葉くらいは聴いたことがあるのではないだろうか。古代にヨーロッパにあった国、という知識しかない、という方も少なくないであろう。
本書は、ローマ帝国の前史から書き起こし、初代皇帝アウグストゥスによるローマ帝国の基盤づくりを詳述し、その後に代々の皇帝の事跡を概括しながらローマ帝国崩壊(476年の西ローマ帝国滅亡)までを記している。
特に、建国者である初代皇帝アウグストゥスには丸々一章が割かれ、ローマ帝国の施政方針や外交政策の基礎がどのように築かれたのかをまとめている。
ジュニア新書というシリーズ名のとおり、中高生をターゲットとしているが、大人の初学者にとっても「ローマ帝国ってどんな国だったんだろう」という疑問に答えられる内容である。一方で、アウグストゥス以外の皇帝に関してはダイジェスト的な解説にとどまっていること、政治・外交・軍事など社会科学分野についてはある程度触れられているが、文化・宗教・民俗・芸術・技術などの人文科学や自然科学の分野については殆ど記されていないこと、滅亡後のヨーロッパ世界の動向について殆ど触れていないことが、残念な点である。まず地ならしとして本書を読み、それから興味にあわせて一段階深い本を読むことをおすすめする。