大学で大人気の先生が語る〈失敗〉〈挑戦〉〈成長〉の自立学 (岩波ジュニア新書)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007479

作品紹介・あらすじ

「自身がない」「傷つきたくない」「人にどう思われているか気になる」「進路が決められない」「コンプレックスがある」「学歴は必要なの?」「楽にお金を稼ぐ方法は?」…。ユニークな授業で大人気の著者が渾身の力で書き上げた、学校では教えてくれないけど、大人になる前に読んでおきたい自立のための本。

感想・レビュー・書評

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  • 文字と言葉を使うことができる動物でよかったなあとしみじみ思うことがある。
    なにかを見たり感じたりして、あれこれ思い巡らすとき。
    何かを書き留めて、思いを人に伝えようとするとき。
    そして、自分がつねづね思っていながらもしっくりとくる言葉を見つけられずにいたことを、ぴたりと表現されているのを読んだとき。
    言葉や文字を持たないとしたら、頭の中で膨らんで自分の中からあふれてしまいそうな思いや考え、感情をどうやって納得させられる形で落とし込めるんだろう。

    岩波ジュニア新書では家庭科教員である南野忠晴氏の「正しいパンツのたたみ方」もとてもよかった。
    本書も大学の先生が中高生の質問に答える形で書かれていて、自分がかつて辿ってきた学生時代も重ねつつ、平易な言葉でありながらも伝えたい熱い意志が感じられる。

    読んでいると、ずい分前に中高生だった自分もはっとさせられ、逆に歳を経た今だからこそ味わい深い言葉も多く、付箋だらけに・・・。

    正々堂々と生きる(P36)
    成長を喜びに感じる。成長には挑戦が不可欠。失敗しても、その失敗が成長につながる(P42)
    リスクテイクする覚悟、挑戦する勇気、失敗しても立ち上がる力、あきらめない心が人生には必要(P58)
    人の夢を全力で応援する(P66)
    出会いを本気で大切にする。目の前にいる人を全力で大切にする(P72)
    続けること(P76)
    社会があなたを支えていることを忘れてはいけない(P83)
    成長し続けるとは、学び続けること(P84)
    友達が一生懸命やっていること、真面目にやっていることは精一杯応援する(P118)
    言葉が人格を作る。言葉が人生を作る(P120)
    長所は人を助けるためにある。短所は人に助けてもらうためにある(P141)
    お金を稼ぎたいのであれば、あなたにしかできない力を身につけ、あなたにしかできない仕事をして、どれくらいの人をどれくらい幸せにできるか(P150)
    何を買うか、何を食べるか。社会の在り方を決める選挙の一票と同じ(P156)
    素敵な大人に出会う(P199)
    目の前にいる人をしあわせにする(P205)
    選択を意識できる人生に後悔はない(P211)

    こうやって記してみると、ありきたりな言葉に思えるかもしれないが本書の中では納得のいくエピソードと共に語られ、すんなり心に響いてくる。
    人の心を支え、共感を得る言葉というものは存外シンプルなもの。

    私が最も心に深く刻んだのはこれ。
    『目の前にいる人を全力で大切にする』

    3月になり、今年度もなんとか収まりそうに先が見えてきた。
    となれば、次年度に向けて気持ちも新たに前向きになってくるというもの。自分の至らなかったところを改善したいと反省もする。
    このくらいでいいかと妥協せずに、全力を尽くそう。
    必ずそうしようと、そっと心に誓う。

  • 63の質問に答える形式の中で、分かりやすい文章で書かれています。
    しかし、グイグイと惹きつけられて、あっというまに読了です。
    学生読者を意識した文面ですが、子育て世代の私の心にも多くの言葉が残りました。
    そのうちいくつかを紹介させてください。

    “他の人と比べての成功より、自分と比べての成長”
    いつだって誰だって成長のための努力は可能です。

    “「世の中には、役に立たないと分かっていても、自分が嫌いなこともやらなければならないことがある」ということを知ることは学び”
    よく娘に「学校生活や部活では理不尽なことを受け入れることも必要」と伝えていますが、ストンと腑に落ちる瞬間でした。

    “お金は稼ぐよりも使う方が難しい”
    お金の使い方が自分の人生を変える・・・稼ぐことを目的にすることの寂しさを感じました。

    “「納得」し「もう一度選択する覚悟」”、“昨日という一日をやり直すことができるなら、昨日と全く同じ一日を過ごす”
    強くて太い言葉ですね。背筋が伸びます。自分の弱い部分に負けない、一瞬一瞬の大切さ。

    まだまだ多くの刺激、気付きを与えてくれる書籍です。

  • ジュニア新書で読みやすい。
    自分の挫折を例に取りながら語るので、受け入れやすい。

  • 大人にも学生にも共通する心構えだと思います!学生の内に読みたかった!とも思いましたが、今の自分にとっても読むことができて良かったです。読みやすく、スーッとメッセージが伝わってきます。

  • 968

    佐藤剛史
    1973年大分市生まれ。九州大学大学院農学研究院助教。農学博士。大学での、学生の人生のhappyを本気で考えた教育は、学生から高い支持を得て、研究室には学科や学部を超え、他大学からも多くの学生が集まる。「食」「生」をテーマにした講演活動は、年間100回を超える

    成功って、他の人と比べる考え方なのです。 「他の人より」テストでいい点をとる、「他の人より」いい大学に合格する、「他の人より」有名になる、「他の人より」お金持 ちになる、「他の人より」高い社会的地位を得る、という具合ででも、人と比べていたら、一生、幸せな人生なんて送れません。だって、世の中には、あなたより、かっこよくて、かわいくて、有名で、お金持ってて、社会的地位が高い人なんて、いくらでもいるのです。 大切なのは、人と比べることではなく、自分と比べること。 これを成長と言います。一年前の自分と比べて、どれだけ伸びているか。一ヶ月前の自分と比べて、何ができるようになったか。昨日の自分と比べて、どれくらい頑張れたか。

    一方、成長に喜びを感じる、そんな価値観を身につければ。成長には挑戦が不可欠です。失敗してもいい。その失敗が成長につ ながるのですから。 そうして少しでも成長した自分が、以前、失敗したことに、再び挑戦する。もしかしたら、また失敗してしまうかもしれません。それでも、また成長できるのです。 それを繰り返していけば、できなかったことも絶対にできるよ うになります。挑戦と成長を止めなければ、いつか必ず、それに打ち勝つことができるのです。 挑戦と成長に満ちあふれた人は、結果として、成功もついてくるのです。

    私たちは、つい、自信に根拠を求めようとします。 クラスで一番成績がいいとか、学校で一番足が速いとか、いい 高校に合格したとか、そうやって人と比べられた結果を評価されてきました。褒められてきました。だから、自信を持つのに「人と比べて」という根拠が必要なのです。 これまでの生活、教育、人生の中で、そういう価値観をすり込まれてきたから当然です。これもパラダイムです。 だけど、人と比べていたりしたら、永遠に自信なんか持てません。根拠を求めようとするから自信が持てないのです。 自信って自分を信じることです。 自分を信じるのに根拠なんかいりません。 世界中の誰もが信じてくれなくったって、自分くらい自分を信 じなくちゃ。 みなさんも、お友達に、先生に、みんなに、自分のことを信じて欲しいと思っているでしょう? 自分が自分のことを信じていないのに、なぜ、みんなが自分のことを信じてくれるでしょうか。 相手に信じてもらおうと思えば、まず、自分が自分を信じるここれが自信です。 自信を持って。と。

    だけど、フラれることを恐れて、告白しないのであれば、永遠に彼女ができることはありません。リスクテイクをしなければ、 手に入らないものがあるのです。 そしてそれは、恋愛に限ったことではありません。仕事でもそうです。傷つくことを恐れて、告白できないような草食系男子が、将来、社会人となりクリエイティブな仕事がバリバリできるように なるとは思えません。飛び込み営業ができるなんて思えません。 プレゼンだって、営業だって、リスクを恐れて何もしなければ、 成果は永遠に手に入りません。 リスクテイクする覚悟、挑戦する勇気、そして、失敗したとし ても、そこからもう一度立ち上がる力が、あきらめない心が、ビ ジネスにも恋愛にも、人生には必要なのです。

    その仕事が職業として成立している以上、人の役に立たない仕事などないということです。すべての仕事は、必ず誰かの役に立っている。だから、仕事になっているのです。 社会的ステータスの差はあるでしょう。手にできる給料の差はあるでしょう。しかし、人の役に立つか、立たないかという点で、職業に貴賤はありません。

    職業に学歴は関係ありますが、社会で活躍できることと、学歴は関係ありません。 学歴って、所詮自分で思い描いた人生を実現していくための手段にしか過ぎないのだと、私は思っています。

    私たちが生きている社会は、先輩が残してくれた、蓄積の上に成立しています。それを学んで、もっともっと成長できるのです。 もし、あなたがゼロから、たった一人で、何かを作り上げようとしたら、一生か かっても、電気だって発見できないでしょうし、お米だって上手く育てられないで しょう。人から学ぶ、勉強する、教えてもらうというのは、そういうことです。 だから、先にも述べたとおり、自らの人生を自ら切り拓いていく力があれば、学歴はいりませんが、勉強は必要です。学ぶことは必要です。 先に述べたように、人生の喜びは成長にあります。 成長するということは学ぶということです。成長し続けるとは、学び続けるという ことです。 勉強する、学ぶといっても、数学の問題を解いたり、化学式を覚えたり、歴史の年 号を覚えることだけではありません。 自らの人生を自ら切り拓いていく力を身につけていくことです。では、どんな力が、白らの人生を自ら切り拓いていく力かというと、これが難しい。 コミュニケーション能力、マネジメント能力、自己管理能力、自分を信じる力、努力する力、工夫する力、続ける力、人を喜ばせる力、人に感謝する力、発想する力、 挑戦する力⋯⋯いろいろあるのだと思います。 自分に足りない、自らの人生を自ら切り拓いていく力とは何かって考え始めることから、人生の学びはスタートします。しかもそれには終わりがありません。学びは続きます。死ぬまで成長が続きます。 そして、今のウチから努力する力、工夫する力、続ける力を身につけておけば、結 果として成績も伸びます。今、もし、成績が悪いのだとしたら、努力する力、工夫する力、続ける力が身についていないからです。頭が悪いからではありません。 努力する力、工夫する力、続ける力を身につけ、成績が伸びていけば、どんな高 校、どんな大学に行くことだって可能です。進学しない、という道を選ぶことだって 可能です。選択の幅が広がります。その幅の中で、自分がどんな選択をするかの、自由も権利も手に入れることが出来ます。 行きたい高校、行きたい大学があるのに、成績が足りずに行けなかった、という人生は哀しい。選択肢がないのです。選択の自由も権利もないのです。 努力しない、工夫しない、続けることが出来ない人間が「勉強だけがすべてじゃななんて言っても負け犬の遠吠えと思われます。 人生に学歴は必要ありませんが、学びは必要です。努力する力、工夫する力、続け る力を身につけることは必要です。その先に、無限の未来と可能性が広がっています。

    社会で活躍するのに学歴は必要ありませんが、学びは必要です。特に、本は絶対に読んだほうがいい。 社会で活躍している人は必ず本を読んでいます。社会で活躍している人で「本なんか読まなくていい」なんて言っている人は、一人もいません。 前述のように、パラダイムを打ち破ってくれるのは出会いです。決まった環境、決まった人との生活の中では、長年、形成されたパラダイムは打ち破れないのです。 だから人との出会いはとても重要なのですが、人との出会いには限界があります。 もし、今、あなたが、私と会って話をしてみたいと思っても、それは不可能でしょう。遠く離れているところに住んでいるかもしれないし、スケジュールが合わないか もしれません。限られた時間の中で、多くの人と会おうとしても限界があります。 だから本を読むのです。本を読みながら、それを書いた人と出会い、心の中で対話するのです。本であれば、誰とでも簡単に出会うことができます。一流企業の経営者、芸能人、すでに亡くなった人とでも出会うことができます。 本を持ち歩けば、いつでもどこでも出会うことができます。 その本から、これまで知らなかった世界、社会、知識、情報、考え方、感動、いろんなものを身につけることができます。


    だから、何歳になったから本はもう読まなくていい、何冊読んだから本はもう読まなくていい、なんてことはありません。 もう一つ大切なこと。 娯楽としての読書は確かにあります。だけど、ただ単に、読めばいいというわけではありません。 本を読んで成長する。つまり、本を読んで、そこから学んだことを、自分の人生に 活かしていくような姿勢が必要です。 本との出会いは、きっとあなたを成長させてくれます。だから本は読んだほうがいい。読書が苦手という人も多いでしょう。本を読むこと自体が嫌いだったり、集中できないとか、文章が頭の中に入ってこない、という人もいるでしょう。 まず、自分が面白いと思える本を読みましょう。面白くない本を、無理に読んで、 読書が嫌いになるなんて人生の大損です。私だって、面白いと思える本と、面白くないと思う本があります。面白くない本は、いくら頑張っても読めません。 あなたが大好きなマンガの小説版でもいいですし、簡単な本でもいいです。絵本で も、図鑑でもいいです。「本を読むって面白い!」って思って、読書を生活に取り込 んで、習慣にしていくことが大事です。 極端な話、マンガでもいいのです。マンガでも深く読み込んでいけば、いろいろと学べることがあります。



    私の著作『夢と希望の人生学』(現代書林)という作品は、ドラゴンボールから、人生哲学を学ぶという内容です。例えば、悟空たちが亀仙人に弟子入りしたとき、初めに行った修行は、牛乳配達、農業、お勉強タイム、昼寝、工事のお手伝い、水泳、ハチの攻撃からよける、などです。修行が終わった後、亀仙人はこんなことを言っています。「亀仙流武術の基本は、おまえたちふたりが、この七ヶ月間毎日やってきた修行の中 にすべてふくまれておる。自分では気づいておらんようじゃが、日も拳も脚も、体す べて、そして頭の中まで鍛えられておるはずじゃ」(『ドラゴンボール』完全版三巻四 〇ページ) 日々の暮らしの中に、白らを鍛え、戦闘力を高めるための修行の要素が詰まっています。そんなメッセージをドラゴンボールから、学ぶことも出来るのです。

    しかし、テレビやビデオやゲームをしているときは、この前頭前野の働きが低下しているのだという研究成果があります。 確かに、テレビやゲームをしているときは、質問することもありませんし、挑戦することもありません。白発的に何かをすることもありませんし、分析したり、創造したりすることもありません。運動もしません。コミュニケーションの練習にもなりません。私たちが、人として身につけていくべき力を、テレビやゲームは奪っていくのです。では、どういうことをすれば、前頭前野が活性化するか。 実は、その一つが読書なのです。 ステキな大人になりたければ、ステキな人生を歩みたければ、テレビを見るより、 ゲームをするより、読書なのです。

    私達の世代は、子どもの頃、カエルに爆竹をつけて爆発させたりしていましたが、 大人になった今はしません。そんなこと大人になってやっていたら、アホと思われま す。おそらく、子どもは、純粋な興味や好奇心や残虐性を、理性によってコントロー ルできないのでしょう。 行動や感情をコントロールするのは、脳の前頭前野という部分です。子どもは、まだ、この前頭前野が十分に発達していないのです。 つまり、「イジメたい気持ち」なんてそんなものなのです。大人になるまでの、前頭前野が十分に発遠するまでの、行動や感情を理性的にコントロールできるようになるまでの、わずか、一時期のものなのです。

    「一割の内面が九割の外見を作る」と言う人もいます。確かに、自信をもって、明る く、笑顔で、胸を張っている人は、容姿のパーツに関係なくステキです。 「ちょっと残念な所がある人の方が安心感があったりキュートだったりする」と言う 人もいます。昔から「美人は三日で飽きるけど、ブスは三日で慣れる」と言われてい」 ます。

    私個人としては、むしろ、積極的にみんなと違う道を選んだほうがいいと思ってい ます。みんなと同じ道を歩いていたら、みんなと同じ風景しか見えないのです。同じ 考えしか持てないし、同じ経験しかできないのです。 みんなが同じテレビを見ていて、みんなで「面白かったね」と話しているとします。「面白かったね」という感想は、あなた以外の他の人でも言うことができるのです。代わりがきくということです。 もし、みんながテレビを見ているときに、あなたは一冊の本を読んでいたとしま す。テレビの話が終わった後で、あなたが、その本の感想をみんなに紹介するとしま す。その本の感想は、あなた一人しか紹介することができないのです。代わりがきか ないのです。かけがえのない存在となれるのです。


    シャネルという有名なブランドを作った、フランスの女性ファッションデザイ ナー、ココ・シャネルはこんな言葉を残しています。 「かけがえのない人間になるためには、常に他の人とは違っていなければならない」 野球選手のイチローだってこう言ってます。 「人と違うことをやるというのが、ぼくの基本ですから」 そう言うと、「それは才能がある人の言葉で⋯⋯」と言う人がいますが、そうでは ありません。彼らは、人と違うことを恐れず、自分の信じた道を進み、その歩みを止 めなかったから、それが才能となり、その才能が実績を生んだのです。 人と違うことを恐れてはいけません。 人と違っていることがあなたの魅力です。将来の才能です。

    もし、あなたが、短所がなく、完璧な人間なら、友達や仲間なんていらないんです。だって、一人で何でも完璧にできちゃうのですから。 短所は人に助けてもらうためにあるのです。 逆に、長所は、人を助けるためにあるのです。 長所は人を助けるため、短所は人に助けてもらうためにある。 長所も短所も、すべてひっくるめてあなたの個性です。あなたのことが好きな人 は、長所も短所も、すべてひっくるめてあなたのことが好きなのです。 私自身は短所は思いつかない、と書きましたが、それは短所がないという意味では ありません。短所は当然あります。でも、人に助けてもらうための短所ですから、 くそうと思っていません。だから短所に目を向ける必要がないのです。そして長所を伸ばして、人をいっぱい助けたいと思っています。

    現在、大学生の仕送り額の平均は八万円くらいです。私が大学生のときは、仕送り額が一〇万円でした。積算根拠は、家賃四万円、食費三万円、電気、水道、ガス、電話代が二万円、お小遣い一万円。

    本を読むって、娯楽としての消費的な面もありますが、投資なのです。 その本との出会いによって、自分の未来が切り開かれる可能性があります。いつか それが大きなリターンをもたらす可能性があります。 投資を「もったいない」と思ってしまうのは、自分の未来を信じていないからです。

    食を管理する。自己管理する。それができる人は、きっと、いつか大きな組織の管理もできると思うのです。

  • 刊行日 2015/06/19
    「結婚するってどういうことなのか考えたことがありますか? 自分の思い描く人生を実現するためには,進学や就職と同じように,恋愛や結婚についても自ら学び,考えていくことが必要です.では,いま何を学び,考えればよいのでしょうか.大学で人気の著者がさまざまな角度からアドバイスします.」

    佐藤剛史(さとう ごうし)
    1973年大分市生まれ.九州大学大学院農学研究院助教.農学博士.大学での“学生の人生のhappy”を本気で考えた教育は,学生から高い支持を得て,研究室には学科や学部を越え,他大学からも多くの学生が集まる.講演活動は年間100回を超える.主な著書に『大学で大人気の先生が語る〈失敗〉〈挑戦〉〈成長〉の自立学』(岩波ジュニア新書),『すごい弁当力!』(五月書房),『夢と希望の人生学』(現代書林)など.共著に『中高生のための「かたづけ」の本』(岩波ジュニア新書)などがある.

    第1章 「結婚」にまつわる現状と問題
    結婚するってどういうこと?
    あたりまえじゃなくなった結婚
    大学の授業で結婚を学ぶ?
    結婚しない人たちが増えている!
    結婚する年齢が遅くなっている!

    第2章 結婚する理由,結婚したい理由
    大切な家族ができる
    結婚は食事のようなもの
    相手を喜ばせる喜び

    第3章 結婚しない理由,結婚したくない理由
    当たり前ではなくなった結婚
    結婚したくてもできない経済的事情
    子どもを自立させない親
    高学歴化で婚期が遅くなる
    女性の社会進出と経済的自立

    第4章 パートナーを選ぶ際に考えておくべきこと
    恋人の条件,結婚相手の条件
    これだけは絶対にイヤという具体的な行動
    経済力の現実
    大切なのはお金の使い方
    「もらおう族」と「くれない族」
    容姿も大切,でも……
    外見で笑うことはあっても,泣くことはない
    デートDVの現実
    女性がDV加害者にもなる

    第5章 子どもが欲しいのであれば知っておくべきこと
    結婚適齢期? 出産適齢期?
    加齢とともに低下する妊孕力
    高齢出産ってどういうこと?
    不妊症ってどういうこと?

    第6章 思い描く人生を実現していく力
    仕事も恋愛・結婚もすべては自分次第
    人生を豊かにする人生の段取り力
    人生の損失を減らすリスクマネジメントの力
    結果を生むための行動力
    仕事も恋愛・結婚もすべては人間関係形成能力

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  •  大学の農業経済学の先生で、多数の講演活動もし、飲食店の経営もする著者が、39歳で小学生、中学生、高校生に語る「生き方」、「生きる力」に関する本。「なぜ、僕は生れたのですか?」から始まって「なぜズルをしたらいけないのですか?」とか「学歴って必要なのですか?」とか「なぜイジメはいけないのですか?」、「食の安全、安心ってどう思いますか?」など、63の質問に答える形式で書かれている。
     著者は研究者でもあるけれども、教員の家系らしく、その性分が滲み出ているのか、小学校の先生のお話を聞いている感じだった。なので、もう汚れてしまったおれはどうしても純粋に読むことができず…。自分がひねくれていることを思い知らされる1冊。ひねくれたツッコミをここで色々やっても空しいので、でもどうしても引っかかってしまうのは、「婚学」という、著者が展開する「人気授業」の話と、しつこく繰り返される「私は子どもがいて幸せ」という話だろうか。この人の頭にはLGBTQの人への配慮とかそういうものはないんだろうか、とか子どもが欲しくても出来ない人の気持ちが分かるのだろうかとか、たとえそういうつもりはなくてもこれを読んで傷つく人もいるだろうに、と思ってしまう。たとえも分かりやすいし、読みやすい語り口だし、いいことがたくさん書いてあるけれども、著者自身が「この本を読んだすべての人が、すべての内容について、共感してくれたり、賛同してくれるなんて、思っていません。もし、そうなったとしたら、それは洗脳です。」(p.221)とあるように、読んだ人が自分の生き方の参考になると思える部分、勇気づけられる部分だけをつまみ食いするような読み方でもいいのかなと思った(それが小学生に出来るのかどうかはよく分からんけれど)。
     おれの場合は、最初の方に書いてあった「失敗」に関するたとえ話はいいなあと思った。「人生は大きなパズルのようなものだと思うのです。(略)空いている『そこ』にピタッと当てはまる、自分が望むピースをもらえればいいのですが、どう使っていいのか分からない、どこにはめていいのか分からない、ピースをもらうときもあります。前者がいわば『合格』という形のピースであり、後者は『不合格』という形のピースです。だけど、今必要ないからといって、そのピースが無駄か、不必要かというと決してそんなことはありません。いつか、きっとピタッと当てはまる箇所が出てきます。(略)そのときになって思います。『あ~、あの経験はこのためだったのか』って。(略)人生に不必要なピースはありません。そのピースがなければ、人生の絵は完成しないのです。(略)挑戦しなければピースはもらえないのです。挑戦しなければ、人生をかけて創ったパズルは一〇〇ピースくらいの小さな、小さな絵になってしまいます。(略)いつか自分の人生を振り返るときに、大きな大きな、色鮮やかな、ダイナミックなドラマチックな、自分にしか描けない絵が、きっと描けているはずです。」(pp.24-6)なんて、分かりやすい。ということだから、どうしても著者自身のことは好きになれないけど、いいことも書いてあると思える部分もあるのではないかと思う。(21/03)

  • 努力する力、工夫する力、続ける力、
    自己管理能力、自分を信じる力、人を喜ばせる力、人に感謝する力、発想する力、挑戦する力

  • 酷い

  • ジュニア新書は大人が読んで丁度良いくらいの本もあるので、手に取ることが多い。
    この本については、進路を決める頃の高校生が読むと良いのかと思う。

  • 自分のことから知り、どうすれば自立できるのか、わかりやすくまとめてあって、勉強になる本です。また、学校では教えてくれないようなことも書いてあってためになります。

    九州ルーテル学院大学:さくらいも

  • 九大農学部助教の佐藤氏。

    きれいな正論。ほぼ同意できる。

    中学生や高校生,大学生はこれを読んでどう思うのだろう。なるほどがんばろう!orうるせぇorそんなわけない・・・・

    そもそもこういう本を手に取らない気もする。

    投資と消費という記事
    素でいられない大学生の記事

  • 岩波ジュニア新書だから、読みやすいし、若者へのアドバイスも説教くさくない。
    高校生に読んでほしい本。 

  • 大人が読むともっともなことが書かれている。子どもたちに勧めたいが、親が勧めて読ませるというより、自分で出会ったほうがいい本だろう。

  • 「お弁当の日」でおなじみの九州大の佐藤先生が書いた人生相談。質問者は高校生。私の娘も高校生だけにグッと感銘を受けるフレーズが盛りだくさん。星3つ。

  • 挑戦しなければ成功しない。
    大切なのは人と比べることではなく自分と比べること。
    文章力は人間に与えられた最大の財産。
    本業に関係ないことも人生に取り込んでいくから本業が変化していく可能性が生まれてくる。

  • 佐藤剛史さん、新刊出したのかと思ってすぐに図書館で借りた。
    でも、佐藤さんの前著である『夢と希望の人生学』で見られた勢いがないので、そこまで響いてこなかったのが残念でした。
    タイトルにある挑戦、失敗、成長、という三語にほとんどすべてが詰まってる気がした。
    とにかく失敗を恐れずに挑戦することが大事、と語る、アツい本でした。

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著者プロフィール

1973年大分県大分市生まれ、福岡県糸島市在住。現在、九州大学大学院農学研究院助教であり作家。農学博士。「食」や「生」をテーマとした年間の講演回数は100 回を超える。主な著書に、『ここ―食卓から始まる生教育―』(西日本新聞社)、『いのちをいただく』(西日本新聞社)、『すごい弁当力!』(五月書房)、『自炊男子』(現代書林)など。新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数。

「2014年 『みんなにありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤剛史の作品

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