論語の新しい読み方 (岩波現代文庫)

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著者 : 宮崎市定
制作 : 砺波 護 
  • 岩波書店 (2000年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000226

論語の新しい読み方 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  宮崎先生は歴史家だから、論語なんか読まないのかと思ったら、論語の新しい読み方を講義されていた。それらを収録している。

     では宮崎先生の新しい読み方とはどんなものなのか。それは論語を歴史的に読むことにあるという。これまでの論語の読み方は経学的な立場の読み方だそうだ。経学的立場とは伝統的な注釈を読んでからそれに従って本文を読むことだ。それに対し歴史的な読み方はそういう一切の前提を無視する。そのように見て本書を読んでいくととても面白く読めてくる。

     論語に頻出する「君子」をどう捉えるか。宮崎先生の論はこうだ。
    「君子という言葉は小人に対して用いられ、初めは地位のある人を意味したが、後には有徳の人を指すようになってきた。孔子ももちろんその用法に従っている。」
    と言いながらも
    「『君子』という言葉の中に願望の意味が強く存在することから、論語の中で君子という場合は、『諸君』 という呼びかけの意に解するとよく意味の通ずる場合がある」
      君子去仁。悪乎成名。
     「君子(諸君)は仁を去りて、いずくんか名を成さん。」
    はその一例。

     このように宮崎先生は従来の凝り固まった注釈による論語の読み方に一石を投じた。そしてどうしても納得しかねる場合は、論語そのもののテキストに誤謬が存在するのではないかと疑い、では正しいテキストはどうなのかまで推定する。(従来はテキストをいじることはご法度とされた。)そこまでして新しい読み方を追求する宮崎先生の姿勢に感服すると共に、その新しい読み方は非常に納得させられるものがあった。

  •  久しぶりの論語関係の本です。著者の宮崎市定氏は著名な東洋史学者。宮崎氏の著作は、以前「雍正帝―中国の独裁君主」を読んだことがあります。
     本書は、その宮崎氏による論語の新解釈が中心ですが、そのほかに、他の研究者による様々な「論語の読み方(解釈)」も紹介されています。そのあたりは、かなり専門的で正直なところ私の知識や理解力では十分にはついていけませんでした。
     ただ、ところどころで開陳されている宮崎氏流の「読書」の楽しみ方については、結構興味深く読むことができました。

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東西の古典に通暁した碩学による明快率直な論語の新解釈。論語のテキストとしての成立過程と二千年にわたる訓詁学の歴史を見据えながら、市井の教育者孔子の発言の真意に迫る。伝統的な注釈に縛られずに生きた言葉のリズムや文体を吟味し、大胆な推理によって、目の醒めるような新しい読みを提示する。

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