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- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000561
感想・レビュー・書評
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結局、どっちだったか。
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モリソン訳聖書が日本語訳や洪秀全の太平天国へ与えた影響を翻訳という観点から読み解き大変面白かった。原文忠実か文体重視か、翻訳された言葉は翻訳された先の言語の文脈や言葉で読まれてゆくといった指摘。本論では翻訳におけるequalityの問題に真摯に誠実に取り組むモリソンの訳業を精緻に読み解きつつも、前段と後段でアヘン戦争によってイギリスが獲得しようとした大義equalityが植民地侵略の大義名分ともなったこと、その文脈ではアヘンは毒薬ではなくpropertyだったことに言及する構成も品が良い。
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翻訳論。原語と訳語の等価性、ということが、実は世界観や行動理念を反映するシビアな思考活動を伴わなければ決められないのだ、ということを認識させられました。原文の読者が受け取るであろう情報を訳文の読者も受け取れるような訳文を作る、ということは前から意識していましたが、私が経験した翻訳はみんなまだ生っちょろかったな、と実感。グローバル化が進んだ現代では、昔に比べると翻訳は格段に易しくなっただろうな、と初めて思い至りました。
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