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- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000738
感想・レビュー・書評
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中巻では、劉少奇死去のあと、毛沢東の次に権力を持った林彪の動向に焦点を当てる。毛沢東は大衆を扇動させ、個人崇拝を高めたことで、劉少奇を失脚へと追いやったが、それを促したのが林彪であった。
林彪は毛沢東への忠誠心を高めるために、劉少奇や鄧小平を中心とした走資派、実権派を敵と見なした。また江青含む四人組と手を組んで権力闘争を展開するなど、権力を得るために容赦なかったことがわかる。特に世論を中心としたメディアを自分の意のままに工作させたところは恐ろしい。権力闘争の裏を知らない大衆を洗脳させるために、たとえ嘘偽りの情報であっても、好都合な情報を幾度となく垂れ流す。このように、文化大革命禍で起きた権力闘争は、中国国内のどこにいたとしても、避けることができない大ごとであった。まるで戦前の日本のように、中国共産党(毛沢東)の意志に逆らう者は、周囲から制裁を受ける、そんな息苦しい時代が何年も続いた。
しかし、その後、林彪は毛沢東の暗殺とクーデターを計画した。それにより、権力の座に居座ろうと思っていたが、クーデターは未遂に終わり、それで焦った林彪一派は飛行機で国外逃亡を実行した。ところが、その飛行機はモンゴルで墜落して、遂に林彪は死亡した。この事故は依然として謎めいているが、いずれにせよ、中国の権力闘争のすさまじさがよくわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
文庫&新書百冊(立花隆選)120
現代史
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