文化大革命十年史 下 (岩波現代文庫 学術 74)

著者 :
  • 岩波書店
3.50
  • (1)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000745

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  林彪死亡後から鄧小平が復権するまでの過程が最終巻で語られる。林彪の事故によって、四人組の影響力が増すようになり、とりわけ江青の言動は過激した。その後、毛沢東、周恩来と指導者が亡くなったことで、トップの座が空いた。そのタイミングを見計らって、四人組は自分たちが毛沢東の意志を継ぐ後継者だと主張したが、毛沢東は亡くなる直前、華国鋒が自身の後継者だと告げた。その後、華国鋒が中国共産党の指導者として君臨したとき、四人組を対処せねばと思い、江青一派をいっせいに逮捕した。彼らを逮捕したことで、毛沢東から始まる文化大革命に完全な終止符を打った。それと同時に、華国鋒は鄧小平を復権するように要請した。これにより、鄧小平は再び政治の表舞台に立った。その後、華国鋒の運営の不備から失脚するようになり、代わりに鄧小平と側近たちで政治運営を行い、文化大革命で疲弊した中国を立て直した。このように、10年間にわたって起きた文化大革命は、中国共産党の権力争いのために、中国全土を混乱へと導き、多くの人々が犠牲になった。大衆を巻き込んで社会を動かした例は日本を含めて数多くあるが、これほど血みどろな争いはまれなことであろう。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(立花隆選)120
    現代史

全1件中 1 - 1件を表示

巌家棋の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×