近代日本人の宗教意識 (岩波現代文庫 学術 171)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001711

作品紹介・あらすじ

日本人にとって宗教とは何か。その無神論的心情と背中合わせになっているものは何か。本書は著者年来の問題意識による成果を集成し、風土に規定された自然感覚の深奥に横たわっている原初的な宗教意識とその特質を浮き彫りにする。漱石、子規、賢治、寅彦等の広義の宗教的態度を例証しながら、日本人の心の深層に新たな光を当てる労作。

感想・レビュー・書評

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  • 大学新入生に薦める101冊の本 新版 (岩波書店/2009) で気になった本。

  • テーマ的によく考えたら自分の関心にド直球で、なぜ今まで読んでいなかったのかが極めて謎だった本。近代以降の流れを、宗教哲学から通俗宗教、機能的宗教から実態的宗教、宗教学における思想から宗教の隣接分野にあると思われるカウンセラー等々、触れるべきところにはひと通り触れているという印象。近代を捉えるうえで、そのための一つの道標にもなりうる本だと思う。

  • 近代に生きる日本人がどのように物事を考えるかを通して、過去から現在に至るまでの様々な日本人の生き方・考え方を通して、彼らの心の奥に共通に通底する宗教意識をあぶりだしていきます。
    日本人の中に具体的にどのような宗教があるかという次元の問題を扱っているわけではなく、日本人の心に潜む宗教的心理のようなものを多面的に捉えて考察しています。読み応えのある本だと思います。

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著者プロフィール

山折 哲雄(やまおり・てつお)
昭和6年サンフランシスコ生まれ。父は浄土真宗の海外布教使。震災の被災地岩手県花巻市で少年時代を送る。東北大学印度哲学科卒業。同大助教授を経て国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。むずかしいテーマを分かりやすく、かつ独得な視点から論じて読者を飽かさないユニークな宗教学者。専門の宗教学、思想史のほか、西行などの文学的テーマから美空ひばりまで、その関心とフィールドの広さは定評がある。『人間蓮如』『悪と往生』『ブッダは、なぜ子を捨てたか』『親鸞の浄土』など、著書は100冊を越える。

「2022年 『日本人の心と祈り 山折哲雄講演選集 CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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