ユング心理学と仏教 (岩波現代文庫 〈心理療法〉コレクション V)

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著者 : 河合隼雄
制作 : 河合 俊雄 
  • 岩波書店 (2010年1月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002244

ユング心理学と仏教 (岩波現代文庫 〈心理療法〉コレクション V)の感想・レビュー・書評

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  • 著者は日本におけるユング心理学の第一人者である河合隼雄先生。

    以下メモ
    ・西洋文化と東洋文化の違いと類似性
    ・分析において「答えを出さないこと」の重要性
    ・現代における物質的豊かさと精神的貧しさ
    ・日本の文化的営みそのものが宗教であり、それが崩壊しつつある現代社会は、本当の意味での無宗教状態に陥る→倫理観、道徳観の欠如

  • 河合隼雄は心理療法を通じて禅の修行をしていたのかもしれない。患者の心の病に真摯に取り組むことと仏教的真理の追及との間には偶然とは思えない深い一致があったのだ。とても興味深かった。印象的な言葉がたくさんあった。アメリカでの講演を基にした本編では、自己形成の形式における西洋と東洋の違いということが折に触れて述べられており、自分自身の自己の成り立ちに潜む文化的背景を相対的に位置づけるのに役立つだろうと思う。文化的背景を明確にすることは安定した自己形成にも繋がる。併録の「現代人と宗教」は現代日本人にとってより重要だと感じた。「日本人は宗教が日常生活と著しく混ざっていて、本人も意識していないのに、宗教的な言動をしているのだ。」「日本人の宗教性は偉大な存在、神に対して生じるのではなく、偉大なる調和に対して生じるのではないだろうか。」などの言葉にはハッとする思いがした。私たちは自分たちの宗教性にもっと自覚的になるべきなのだろう。現代を生きる上での重要な指摘を多く含んでいると思います。

  • 日本と西洋文化の自我の成り立ちの違いが良くわかる。
    日本人に多い自殺は、日本人の自我が弱いので、「自我殺し」を「自殺」と言う形で決行してしてしまう。「死にたい」と言う言い方で、「生きたい」を表現する。そして、日本人は「つながり」感覚をもっている限り、「耐える力」をもっている。「つながり」感を失う時、まったくの弱さを示してしまう。
    ”日本的「つながり」が何となく他の人達との間にあると感じられている間は、生きて行くことができます。ところが、日本人にとって「自我殺し」は必然的に他との「つながり」を急激に変えることになるので、それは「つながり」が喪失されたこととして感じられ、自殺として決行されることになります。”
    いろいろ腑に落ちる文章。河合先生は、やはりわかりやすい言葉で述べてくれるなあと思います。久しぶりに読み返すと、なるほどと思うことが増えていることが多いのは、河合先生の本ですね。

  • ユング心理学の第一人者である著者が、それを理解するために自らの深層心理に仏教が存在することを解説した書。洋の東西問わず、究極の真理は同根であり、神道で言うところの本地垂迹思想に繋がるようで興味深い。本書に限らず氏の著作は、氏の人間性を表すように文体が柔らかくて読みやすい。

  • テキサス州にある大学で開かれたフェイ・レクチャーの内容。河合隼雄氏が日本で唯一のユング派分析家として活動し始めた頃から、講演当時に至るまでの分析家としての遍歴を振り返る形で話は進められていく。話は正直難しい。河合氏は、初めは高校の数学教師だったと初めて知った。また、子供の頃から死を恐れ、それが仏教と結びついて避けていたという。しかし、日本で分析の治療経験を重ねるにつれ、その人の個性化のプロセスを協働する、すなわちユング派のカウンセリングの実践において仏教の考え方が自然と取り入れられていった(仏教の考え方に裏付けて解釈すると合点がいく)ということが論じられていると思う。また,華厳経の話がでており,これとは別に司馬遼太郎の「16の話」という本の中でも取りあげられていることに時を同じくして知り(共時性?),今は先人の偉大な知恵が広がっている世界なのだろうということだけしか感じ得ないが,これからその世界を見てみたいものだとしっかりと思う.また、禅における覚悟の段階を示した十牛図というものも初めてしった。

  • 心理学とか 難しい事を書いてあるのかと思った。簡単ではないけど読みやすい。少し休憩しながら 読んでいる。

  • 自殺とは自我殺しの章がへーとおもった。日本人と欧米人のバックグラウンドの比較や大震災のあとに日本で酷い混乱や略奪が無かったことについての分析(阪神だけど、今回の東日本も同様なのでは)など興味深い。

  • 心理学の知識が少なくて、まだわたしには難解な本だった。得ることはいくつかあったけど。またいつか読み返したときに、違った気づきを得られますように。

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