笑いのセンス――日本語レトリックの発想と表現 (岩波現代文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002541

作品紹介・あらすじ

川柳、落語、漫才、小説を題材にして、言語表現が生み出す笑いのメカニズムを、レトリック論の立場から明快に分析し、ユーモラスに解説する。「何を笑うかでセンスがわかる。問われているのはまるごとの人間なのだ」(「あとがき」)と考える著者が、コミカルな笑いからしみじみとしたユーモアまで多彩な文例を選び、笑いを誘う勘どころと「笑いのセンス」を縦横無尽に語る。

感想・レビュー・書評

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  • 文学に潜む笑いはいかにして生まれるのかを読みとく本。

    数多くの名著から引用された、くすっとわらえるような一節をとりあげている。

    たまに洞察が深すぎて「これ、笑える」というのもあるが、これは本当に「たまに」である。

  • 引用が8割な気がして少し重かった。
    でも楽しみながらいろんな笑いについて学べた。
    ここからまたいろんな作家に広げていきたい。

  • この本、どういう目的をもって読めばいいのかわからない。

    読んでればそれなりに面白いし情報は得れるんだけど……
    これを読んでどうすればいいのやら……

    中村明さんの説明は好きです。
    用例に、好きな作家先生がいっぱいでてくるのでそれもキュンとします。
    それしかないので、挫折しました。

  • 悪くはないんだけど、笑いを扱っているのに著者はインテリだから、例がえーらい格調高くて、なんだか本質をつけていない感じがしたなあ。
    もっと本当に「笑い」を追求した作品について、正面から取り組んでほしかった。

    あと、あまりに最近の笑いを軽視しすぎなところも気になる。
    ダウンタウンの漫才についてわずかに触れているのだけど、すべて「らしい」という伝聞の記述で、「おいおい、数分の映像なんだからそれくらい見ろよ」と思わずのけぞってしまう。

    で、思うのは、「笑いの歴史」の本格的な本ってないものかねえ、ということ。
    書き言葉と話し言葉ではまた違うだろうし、そのへんの分類をしつつ、さらに有史以来、人は何を「面白い」と感じていたのかを考察した本。
    時代時代の面白さの変遷、できればその理由や背景なんてのは、僕がもっとも興味を持つ分野の一つなんだよね。

    優秀な編集者の方々、ここはどうかひとつ。

  • 笑いとは何かの分類から始まり歴史やらレトリックやらを引用して紹介しています。川柳あたりまでは楽しめたのですが、その他未読の本の引用は実際本編を読まないと可笑しさが伝わらないなあと思いました。お陰で新たに読んでみたい作家も増えたのですが。

  • 笑いとは何か・・・という本ではない。哲学的なアプローチではなく、百科辞書的、博学的に「笑い」が網羅されている。
    それはそれでなるほどとは思うが、さて・・・・、では人間にとって笑いとは何なのか・・ということはさっぱりわからない。
    わからなくても「あるのだからそれでいい」と言われているような気もする。それにしても、著者の読書量と笑いに連なる引用に脱帽。

  • 笑いを誘う技術の分類と例といったところらしい。一度読んでみたい。

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著者プロフィール

1935年、山形県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、早稲田大学教授(日本語研究教育センター所長)、現在は名誉教授。日本語文体論学会代表理事、現在は名誉顧問。主著に『日本語レトリックの体系』『日本語文体論』『日本語 語感の辞典』『日本語 名表現辞典』『日本語 笑いの技法辞典』『新明解 類語辞典』『類語ニュアンス辞典』『美しい日本語』『日本語の勘』『日本語名言紀行』など。

「2023年 『文章作法事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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