明治維新を考える (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002749

作品紹介・あらすじ

明治維新はなぜ起きたのか。本書は維新をめぐる三つの謎-武士の社会的自殺、大きな原因の不在、復古による開化という矛盾-を探究し、歴史の激変を理解する枠組を提示する。また、近代化論のマリウス・B・ジャンセン、マルクス主義歴史学の遠山茂樹、国民的歴史小説家の司馬遼太郎の明治維新論の特徴を検討し、「近代化」の意味を東アジア史のなかで多角的に考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 日本は領土・人の連続性が欧州よりも長い。

  • 【内容紹介】
     明治維新はなぜ起きたのか。本書は維新をめぐる三つの謎―武士の社会的自殺、大きな原因の不在、復古による開化という矛盾―を探究し、歴史の激変を理解する枠組を提示する。また、近代化論のマリウス・B・ジャンセン、マルクス主義歴史学の遠山茂樹、国民的歴史小説家の司馬遼太郎の明治維新論の特徴を検討し、「近代化」の意味を東アジア史のなかで多角的に考察する。
    https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/6002740/top.html



    【目次】
    目次 [iii-vii]

    序章 明治維新の謎――社会的激変の普遍的理解を求めて 001
    1 「維新」という言葉 001
    2 第一の謎――武士の社会的自殺 004
    3 第二の謎――「原因」特定の困難 010
    4 第三の謎――「復古」による「開化」 015
    5 普遍を求めて 020

    第I部 愛国・革命・公議
    第一章 ナショナリズムの生成――「内外」峻別,「忘れ得ぬ他者」の力学 030
    1 ナショナリズムと漢字圏 030
    2 課題と方法 032
    3 国家と政治組織の活動 038
    4 ナショナリズムの形成素――無意識下の差異と統合 048
    5 ナショナリズムのイデオロギー――「忘れ得ぬ他者」 062
    6 ナショナリズムの運動と庶民 068
    7 暫定的な一般化 070

    第二章 革命理解の方法――「複雑系」による反省,維新史の鳥瞰 084
    1 維新をどう説明するか 084
    2 因果関係の理解――複雑系研究を参考として 092
    3 維新鳥瞰の試案 105
    4 残った問題点 122

    第三章 「王政・公議」体制の創出――横井小楠と大久保利通 132
    1 維新の特徴 132
    2 王権の役割 135
    3 政治家としての横井小楠 138
    4 「君主」と「公議」 146
    5 大久保利通における権力と時間 152
    6 「王政」と「公議」の相互関係 163

    第II部 維新史家たち
    第四章 マリウス・B・ジャンセン――日本の発見と比較研究 168
    1 戦争から漢字圏研究へ 170
    2 「志士」から維新へ 174
    3 近代化論と比較研究 180

    第五章 遠山茂樹――『明治維新』にみる戦後日本史学 191
    1 著者と時代背景 194
    2 内容の要約 198
    3 モデルの特徴 210
    4 五十年後から見て 215

    第六章 司馬遼太郎――「国民史」の追求,「昭和」への嫌悪 225
    1 『「昭和」という国家』と『「明治」という国家』 227
    2 昭和への拒絶 228
    3 維新と江戸への憧憬 232
    4 語られたものと語られざるもの 241
    5 未来のために 247

    終章 「近代化」再考――「東アジア的近世」論への応答 253
    1 複数の「近世化」 253
    2 「近代」とは何か 257
    3 「近代化」の開始と持続――日本の場合 264
    4 「近代化」を超えて 271

    あとがき [281-]
    岩波現代文庫版あとがき [285-]
    初出一覧 [289-290]
    明治維新関連年表 [12-17]
    事項索引 [5-11]
    人名索引 [1-4]



    ※本書の単行本版は2006年8月,有志舎より刊行された.文庫化にあたり,単行本版の明治維新と直接関係のない3章を省略し,3部11章構成を2部8章構成に改めた.併せて部・章・節のタイトルも変更し,本書全体にわたって改訂を行った.(本書 291頁)

  • 複雑系という視点から明治維新を見ようとされている。
    目からうろこ的でもありますし、当たり前のようでもあります。
    劇的な変化というのは、いつもドラマチックとは限らず、むしろ無数の平凡な偶然が重なり合って歴史は紡がれているのでしょう。

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著者プロフィール

跡見学園女子大学文学部教授/東京大学名誉教授

「2020年 『日本史のなかの「普遍」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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