増補 日本人の自画像 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003579

作品紹介・あらすじ

私たちは私たち自身を、どのように描いてきたのか。なにを契機に、いかに「日本人」という自己認識を私たちは持つに至ったのか。本書は、「日本人」というまとまりのイメージの形成過程を批判的に検討し、共同性をめぐる新たな思考の方向性を示した画期をなす論考である。「まとまり」から「つながり」へ、「内在」から「関係」への"転轍"は、どのように起こり、なにを私たちにもたらすのか。開かれた共同性に向けて、その可能性を問う。『敗戦後論』の「原論」、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 内からの視線と外からの視線の交錯するところから浮かんでくる像。あるがままに歴史、世界を見る方法。

  • 【由来】
    ・図書館の岩波アラート

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・ぜひ再読したいが、加藤典洋はまず「敗戦後論」読めって!しかし、この本、「千夜千冊」で取り上げてられてて、すでにハードカバー版が登録隅だったとは。

    【目次】

  • 170415 中央図書館
    この評論家の文は苦手。しょうもないことについて、何をくだくだと言っておるのだ、と感じてしまう。
    荻生徂徠、本居宣長、柳田国男、江上波夫、小林秀雄、吉本隆明などの思想を解剖することで、民族や国家が、自らをそれと認識するにあたり、ラカンの「鏡像」の如く、なんらかの外部を観測し、自らに置き換えて認識しなおすことが必要だ、というもの。よって、他国の痛みを知るためには先の大戦の自国の被害者を見つめなくては・・・と。。。

  • 【書誌情報】
    著者:加藤典洋 (1948-2019) 
    通し番号:学術357
    ジャンル: 岩波現代文庫 > 社会・民俗
    刊行日:2017/01/17
    ISBN:9784006003579
    Cコード:0136
    体裁:A6・並製・カバー・416頁
    定価:本体1,480円+税

     私たちは自分たち自身を,どのように描いてきたのか.「日本人」という「まとまり」のイメージの形成過程を批判的に検討し,共同性をめぐる新たな思考の方向性を示した,画期をなす論考.「まとまり」から「つながり」へ,「内在」から「関係」への〝転轍〟は,どのように可能となるのか.『敗戦後論』の「原論」,待望の文庫化.
    [https://www.iwanami.co.jp/book/b279052.html]


    【目次】
    はじめに――自画像について [iii-viii]
    目次 [ix-xii]

    第一部 自画像制作とは何か
    第一章 自画像の思想 001
      1 命がけの飛躍――ラカン 001
      2 否定と抵抗――酒井直樹 010
      3 自画像制作の物語――ポー 023
      4 二重性と基層――「日本人」 035
    第二章 地図という自画像 041
      1 初原としての行基図 041
      2 サークルに囲まれた行基図 055
      3 世界図の到来 060
      4 「坤輿万国全図」の制覇 069

    第二部 近代以前
    第一章 徂徠の革命 075
      1 外国語の発見 075
      2 古文辞の学へ 089
      3 徂徠学の創出 100
      4 異質な思考 108
    第二章 宣長の抵抗 117
      1 問題のありか 117
      2 論の周囲 126
      3 徂徠から宣長へ 135
      4 三つの観点 139
      5 文献学とエポケー 158
      6 「先入主の滅却」と「日の神」――『呵刈葭』論争をめぐって 168
      7 「宣長問題」とは何か 186

    第三部 近代以後
    第一章 関係の発見 207
      1 一八四〇年の世界像の変換 207
      2 内在と関係――「丁丑公論」「瘠我慢の説」 227
    第二章 柳田国男と民俗学 245
      1 民俗学の成立 245
      2 常民とは何か 254
      3 二重の姿勢 266
      4 一国民俗学と世界民俗学 272

    第四部 戦争体験と世界認識
    第一章 鏡の破砕 277
      1 江上波夫の騎馬民族説 277
      2 エートノス・アントロポス・フマニタス 283
    第二章 小林秀雄と「国民」 294
      1 自足する「内在」 294
      2 「日本」から「国民」へ 306
      3 日常的な判断の座 315
    第三章 吉本隆明と「関係」 324
      1 「内在」から「関係」への“転轍” 324
      2 自画像制作と世界認識 336
      3 『古事記』の中の「アフリカ的段階」 352

    終わりに――四つの象限 365

    注 [371-390]
    あとがき(二〇〇〇年三月 加藤典洋) [391-394]
    岩波現代文庫版あとがき(二〇一六年一一月 加藤典洋) [395-398]

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著者プロフィール

文芸評論家・早稲田大学名誉教授

「2021年 『9条の戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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