歴史のなかの新選組 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
4.75
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003692

作品紹介・あらすじ

新選組にまつわる記述はどこまでが史実でどこからが虚構なのか?激動の幕末維新期に異彩を放ち、今なお多くの人を惹きつけてやまない新選組の実像に、維新史研究の第一人者が信頼に足る諸史料を駆使して迫る。幕末期のダイナミックな構造の中に不可欠の要素として新選組を改めて位置づけた画期的な"新選組史論"。研究の進展を踏まえた増補版。「浪士組・新徴組隊士出身地別一覧表」を付載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著名な近現代史家による新選組論。幕末の政治構造を、薩長対幕府ではなく、①幕府優位体制維持派、②幕府排除と朝廷・外様大名の結合を狙う薩長、③孝明天皇と幕府との結合に幕府の活路を見出し、大坂・京都に拠点を置いた集団(一橋慶喜、会津、桑名の一会桑グループ)に区分し、③を支える有志結合集団として純化し、かつ長期間存続することに成功したのが新選組だと論じる。そして、長期間存続しえたのは近藤勇の明確な政治的見解によるところが大き一方で、純化の過程で脱退、分裂、暗殺が繰り返されることとなる。

    構図がこのように明快なので、専門的であると同時に分かりやすい。一方で、史料批判が厳密になされているため、現時点で分からないところは分からないとはっきり明言しているのも、良かった。さわやかな読後感を得られる1冊。

  • 新撰組の概要を知りたいとき、とても便利です(すみー)
    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 210.5/Mi71/a/

  • 東2法経図・開架 B1/8-1/369/K

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1944年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
専攻、日本近代史。
元国立歴史民俗博物館館長(名誉教授)・東京大学名誉教授。

主な著作
『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会、1973年)
『幕末維新風雲通信』 (東京大学出版会、1978年)
『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)
『国際政治下の近代日本』(山川出版社、1987年)
『幕末維新期の文化と情報』(名著刊行会、1994年)
『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店、1999年)
『歴史のなかの新撰組』(岩波書店、2004年)
『通史の方法』(名著刊行会、2010年)
『幕末維新変革史』(岩波書店、2012年) 
『歴史のなかの『夜明け前』 平田国学の幕末維新』(吉川弘文館・2015年)

「2018年 『幕末維新像の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮地正人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×