現代語訳 徒然草 (岩波現代文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022310

感想・レビュー・書評

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  • 開始:2023/1/23
    終了:2023/1/26

    感想
    鋭い眼を持った冷めた観察者。俗世の思いを捨て切ることはできない。それでも自然は、運命は巡り続ける。どれだけ嫌気が差しても生活は続いていく。

  • 世の中は無常だ、だからこそ面白いんだ。
    仏教観、人生観、自然や人への情緒など、あらゆるものに目を向けられた兼好法師の随筆集。
    嵐山光三郎さんが現代訳、更に内容をより分かりやするするために『影の声』をつけた。


    学校で習ったのは『無常観をうたった随筆だ』と教わっていましたが、実際読んでみると全然違うのがわかります。
    元々は親王が良い政治をするようにと、『帝王学』として書かれていたものだそうです。

    書いている途中に親王が亡くなり、内容は世の中の多くの人を対象にしたものへと変わっていきます。
    なので、最初の方は政治学や教訓が多いです。

    この現代語訳は徒然草の中からいくつかの段をピックアップしたものですが、どこから読んでも兼好法師の思いが伝わってきます。
    私は『今の一瞬を生きる』『自分の心の置き方ひとつで、何にでも情緒がわく』と言うところが、胸に響きました。

    ちなみに『影の声』は訳註のことで、嵐山さんが兼好法師に語らせています。

  • 原文を読みたいと思いつつもなかなか億劫で手を出せなかったので、思い切って現代語訳を読むことに。兼好法師に親しみがわいた。こんなおっさんだったのか!笑 世の中をちょっと斜めに見ているおっさん。その視点は鋭い。くすっと笑えるところもあれば、図星でぐぅと詰まるところもあり。かなり易しく訳しているので、時折眠たくなったが、それでも楽しみながら読めたし、古典原文への抵抗感も減った。色々な人の現代語訳を読みたいし、いずれは原文もきちんと読みたい。その前に古典は復習しなきゃ単語や文法がわからん^_^;この現代語訳を鵜呑みにしてはいけないと思うが、大意をつかんだり、とりあえず内容を知りたいという人には読みやすくて良いと思う。

  • わかりやすくて楽しく読ませていただきました。
    そんなことが書かれていたんだなぁ・・・・といまさらながら思いました。
    外国の翻訳ものは現代語で読むのですから、日本の古典はほとんど現代人にはわからないのですから、このような現代語訳はもっともっと積極的に出してほしいものです。
    研究するのではなくて、単純に何が書かれているのか知りたいだけなのですから・・・・。

著者プロフィール

嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう):1942年東京生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『追悼の達人』『「退歩的文化人」のススメ』『不良定年』『人妻魂』『年をとったら驚いた!』『枯れてたまるか!』など多数。

「2024年 『老人は荒野をめざす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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