- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006022815
感想・レビュー・書評
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え?って思うようなラスト。
これだけハラハラさせといてこれで終わりなのかよー。
おもしろかったですけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭からの100ページぐらいのつまらない。それが意図されたものであるのが、ジョン・ル・カレらしい。低速で延々だらだらと走り、途中からギヤチェンジし加速していく。
冷戦物以外を読んだのは初めてだったが、フォーサイス的な面白さがあった。
読んでいる最中にカレが亡くなってしまった。合掌。 -
ジョン・ル・カレ「われらが背きし者」読了。☆四つ。全ての作品を読んでいる数少ない作家。今回も、渋いエンターテイメント作品に仕上がっています。85才の巨匠‥どんどん新しい切り口で攻めるなぁ‥すごいなぁ‥
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スパイ小説の大家、ジョン・ル・カレの作品。ユアン・マクレガー主演で映画化され、それが面白かったので読んでみました。
ペリーは大学教授をやめようと考えている。ゲイルは企業の訴訟を受け持つ弁護士。二人でリゾートで休暇中にペリーがディマというロシア人にテニスに誘われる。ディマに気に入られたペリーはパーティーにも誘われ、やがてディマから自分はロシアン・マフィアの金庫番で、最近自分の近親者が粛清を受けて消され、自分の立場も危ういためイギリスに逃してほしいと相談を持ちかける。交換条件はロシアン・マフィアの金の流れと、それにイギリスのどの人物が関与しているかという内部情報。
全くの一般人のペリーとゲイルはこうしてイギリス諜報部とロシアン・マフィアの駆け引きの中に引き込まれていく・・・。
映画がイギリスに逃げる逃亡劇に重点が置かれていたサスペンス映画であったのに比べ、こちらはやはりスパイ小説なので、ペリーとゲイル、そしてイギリス側の諜報部員の心理の動きに重心が置かれていて、逃亡劇とその結末については意外というほどあっさりした描写になっている。
しかし、映画と小説は表現手法が異なるので、仕方ないし、だからどちらかが面白くないというわけではなく、映画では描けない登場人物それぞれの心の動きに重心がある小説は、スパイ(主人公はあくまでも素人スパイとして)の揺れ動きがあって楽しめる。