- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031312
作品紹介・あらすじ
小泉政権の登場と二〇〇五年秋の総選挙を経て自民党は変貌した。その支配と優位は一九五五年の保守合同以来半世紀になる。環境激変の中でのこの継続は何を意味するのか。著者は保守内部の路線の違いを発掘し、吉田、鳩山、岸、佐藤、田中など権力者の人間像の素描に力を尽くして戦後保守政治を分析する。本格的な学問研究の書であり、旧い自民党の実態を知るための入門書。
感想・レビュー・書評
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著者は朝日新聞の記者で、知らない名前だったけど、とても読みやすくまとまっていて、おもしろかった。
自民党史ではなくて、保守党史となっているのは、保守合同前の戦後の混迷期も含んでいるからで、「小説吉田学校」である程度知っていたけれど、興味深い話も多かった。
正直、やっぱり政治家が小粒になった感は否めないけど、新聞記者についても同じことが言えそうだよねぇ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
文庫&新書百冊(立花隆選)144
戦後日本 -
戦後の日本の自民党は基本的に複雑怪奇であり、よく分からないことが多いが、この本を読めば大筋分かるのではないかと考える。
戦後のは、吉田学校を基本とする保守本流(池田勇人・佐藤栄作・田中角栄・竹下登・小沢一郎)と、それに対抗する鳩山一郎~岸信介が軸とされる。
基本的に保守本流は「経済主義・合理主義」であるとされ、保守傍流は「政治主義・復古主義」である。昭和の妖怪とされた岸信介が、
基本的には過去の話とは云え、今でも小沢一郎・安倍晋三・麻生太郎などの派閥を受け継ぐ政治家は少なからずいるし、彼らの系譜を考えれば、大筋当たっているようにも思う。
小選挙区制で概ね派閥は解消して、政策集団になりつつある。民主党は一応政権交代を果たし、自民党の「体制内純化」を超えつつある、ともいわれるが・・・。
「戦後史の中の日本社会党」と対にして読むと、戦後日本政治を大いに理解することができるのではないだろうか。