関数を考える (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032159

作品紹介・あらすじ

関数とは何か。そのことばの由来はどこから?関数はなぜ必要なのか。二人の中学生の疑問にちょっと風変わりな数学者が答えていくという対話のかたちで、関数の意味や使い方をていねいに説明。

感想・レビュー・書評

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  • いまから40年前に刊行された本が現代文庫になってよみがえった。うれしい限りだ。安野さんの解説もまたうれしい。関数の基本的な話から、多項式関数、関数の連結、逆関数と一気に進んでいく。補間法のところでは、かなりやっかいな計算が登場するが何とかついていけた。もっとも、もともと中学生向けに書かれているのだから、わかって当然なのだけれど。それと、平方根の値の求め方(開平の筆算)がのっているのがうれしい。子どものころ、父親のノートを見せてもらって覚えたのだけれど、すっかり忘れていた。ちょっとこれはマスターしておきたい。ラグランジュの補間公式とか関係の章に登場するグラフなどの話がどう展開していくのか知りたいけれど、また何らかの方法で調べていこう。高校数学でやった覚えはないのだけれど。デカルトが座標を思いついたときのエピソードは楽しい。授業のネタに使わせてもらおう。

  • 難しい。電車の中では読みきれない。理系の人はこれがたやすいとは…。かないません。

  • 本書は,ふたりの中学生(いとこ同士)に対して数学者の叔父さんが「関数」について分りやすく説明していくという会話形式で書かれた本だ。読んでいる途中で思い浮かぶ疑問に対して答えが与えられるため,会話形式の本というのは非常に読みやすい。

    本書では,関数というのは入力(何でも良い)に対して出力を与えてくれる「黒い箱 (black box) 」なんだ,というところから話が始まって,逆関数,二次方程式,そして微分・積分の考え方までが扱われている。随所にかんたんな練習問題が載せられているのも理解を深めるために良いと思う(巻末には解答もあるため,自分で正誤をチェックできる)。数学が好きなひとだけでなく,数学が苦手なすべてのひとに読んでもらいたい本である。

    ところで本書は文庫化の前に1972年に出版されたとのことで,会話に出てくる例がやや古臭いと感じることもある。しかし,それが却って読者に自分で今風の例を考えさせるのに良いかもしれない。また,関数というのが出てきてから数学がさっぱりわからなくなっちゃって,と言いながら叔父さんに相談にくる中学生たちが「有限集合」「無限集合」ということばをすっと持ち出すあたりはややびっくりした。

  • 高校数学を終えたものには、物足りないかも。
    でも、新しい発見もあった。虚数単位が90度回転・・というのは、へぇーって思いました。
    さらに「関係」が座標で表されることも新鮮でした。

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著者プロフィール

遠山 啓(とおやま・ひらく):1909-79年。熊本県生まれ。東京大学数学科に入学するも退学、のち東北大学数学科を卒業。海軍教授をへて東京工業大学教授。数学教育への関心から民間教育団体「数学教育協議会」を結成、長く委員長をつとめた。数学教育の理論と方法を開発・提唱し、その水道方式、量の理論などは、教育現場に大きな影響を与えた。著書に『無限と連続』『数学入門(上・下)』(以上、岩波新書)、『代数的構造』『現代数学入門』『代数入門』『微分と積分』(以上、ちくま学芸文庫M&S)『競争原理を超えて』(太郎次郎社)などがある。教科書や雑誌の創刊にも多く関わった。

「2023年 『初等整数論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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