チキタ★GUGU 1 新版 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022130044

感想・レビュー・書評

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  •  全巻読破。ネタバレありです。
     さて、にちゃんまとめでも悪名高き『チキタ★GUGU』。
     トラウマ漫画・後味の悪い漫画でとてもとても有名な作品です。

     ……なのだが。
     まず一巻、ほわほわしたキャラクタが人間殺すだの美味いだの言ってるよオボア。
     ラー・ラム・デラルという存在は、ばけもので、主人公であるチキタを喰おうとしたところ、とてもとても苦くって不味くって手が出せず、ばけものたちのあいだで「どんなに不味い人間でも百年経てばとても美味しくなる」という噂を信じてチキタを育てることにしました。
     チキタの汗や涙はばけものたちにとっては猛毒で、ラー・ラム・デラルはいろいろな存在に変身できるばけものでした。あるときには男性、あるときには女性、あるときには子供、鳥やら魚やら。そしてそのからだは不死身であります。
     そんなチキタとラーのへんてこりんな日常。
     チキタの両親はとても有名なまじない師だか祓い師だもんで、チキタも羨望のまなざしを向けられるわけですが、当の両親はラーの胃袋の中で、なにも知らぬまま村の人々に助けを請われます。
     チキタはラーと相談しては解決する、ということを繰り返すのです。

     最終巻で涙腺が崩壊した。
     いやもう、なんか、ね。
     クリップやニッケルに関して、そこまで酷いようには見えなかったのは、きっとTONOさんのほんわかした絵柄のせいなのだと思う。
     オルグの、おなかがすいてないからまた明日、を繰り返し、繰り返し、でもとても幸せそうな冒頭は、嗚呼、いっしょにいたいのね、と。

     そしてまた、シャルボンヌ、水玉模様のくまは、無知だったがために自分を受け入れてくれた村の人々を死に至らしめてしまった。哀しい。

     ニッケルも、女性であることは彼女のせいでもなんでもないのに凌辱されてしまうとか、わけのわからない一族に生まれてしまったがためなのだろうけれども、まあむなくそ悪いわよね。

     キサス。彼はただただニッケルを愛おしんでいただけだのに、素直になれず、でも最期にはニッケルを救うために生きた。
     ただ、ニッケルは、死にに行くとき、キサスや、母親や、キサスの弟チグルと向かうことになった。
     そこが、とてもうれしくて、ほっとして、ほんとうに、つらい現実じゃ酷い目にあったけれど、みな、幸せになれるのだと、だから四巻は哀しくもありうれしくて、涙がとまらない。だから外では読めない。

  • 全8巻読了。

  • #6 全8巻読了。展開についていけなかったりで、結局最後まで入り込めなかった。

  • 第1〜8話+旧版1巻(2000年3月)あとがき収録。人喰い妖怪ラー・ラム・デラルと、「まずくて食べられない稀少な人間は、百年飼育すると夢のような極上の肉になる」としてラーに飼育されることになった人間チキタ・グーグーのお話。
    予想以上に残酷な描写が多いです、死体がよく出てきます。TONOさんの可愛らしい絵が救い。5話のシャルボンヌの過去、7話の赤ん坊を攫う鳥、そしてチキタのラーに対する想いが切ないです。

  • 1〜8巻読了。
    心が痛い…

    人喰い妖怪とそれに家族を皆殺しにされた主人公の共生生活。
    シンプルでむしろ可愛らしい絵柄に冷酷無惨ないわゆる欝展開。
    それでいて雰囲気は常に暖かい。
    食物連鎖と死生観と。混乱というか非常に心揺さぶられる物語でした。

    世界は優しくて常に残酷でそれでも幸せはその瞬間瞬間に隠れている。
    ホントにオススメ。

  • 絵柄が可愛らしいので軽い気持ちで読み始めたんですけど。
    最終巻では涙が止まらなかった。
    人食い妖怪・ラー・ラム・デラルと
    ラー・ラム・デラルに家族を奪われた少年・チキタの
    共に過ごす100年の物語。

  • 再読中。

    今回はテーマをちゃんと理解して読み終わりたい。

  • 生きるために食べる…

    何回泣いたか分からない
    頭が痛くなるくらい、考えさせられた

  • 全8巻、完結。

  • 心の琴線に触れる漫画。
    こんな漫画はTONOさんにしか描けない。
    心の準備をしていたのに、最後どんでん返しというか、救われた。

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著者プロフィール

イラストレーター。優しくファンタジックな作風で国内外を問わず多くの支持を集めている。数多く描いてきたモチーフは、少女、動物、森など。童話のような世界観を得意としている。

「2020年 『Half moon tono作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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