血引きの岩

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  • 朝日新聞販売部
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022131737

感想・レビュー・書評

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  • 諸星大二郎御大とセットで語られることの多い星野之宣先生の、これが初読みとなる伝奇SF。しかし著者自身「残念」と前置きしているように、本作にホラーとしての真価を求めてはいけないようだ。琵琶湖=淡路島=勾玉の相似形に端を発する、主人公の女性教師と黄泉の女王イザナミの因縁の対決4編に加え、1話完結の短編「マレビトの仮面」「土の女」の計6話収録。これらの中から1編挙げるなら「マレビトの仮面」。構成の妙も相俟って味わい深い出来。

  • ガーン!というラスト一コマがあったりして、
    先生の漫画の中ではかなりディープな展開。

  • イザナギ、イザナミに興味があった時期に読んだが、SFとしてもホラーとしても中途半端な結末だった。
    その他の短編は他の本に一緒に収録されていたのを読んだみたいで、初読ではなかった。
    宗像教授シリーズが良作なので、比較してしまうとどうしても内容が劣って感じてしまう。

  • マンガ

  • 作者超一流のこじつけ力は鳥肌ものの凄さで、未完で食い足りないのが惜しまれる。どんな話でも短編1話内できっちりエンタメにまとめてしまう性は良いことだと思うけど、作者の言う通り恐怖向きではないのかも。

  • タイトルは「千人もの力で引かねばならないほどの重さの岩」
    の意である「千引きの岩」すなわち、
    黄泉に下った伊弉冉尊を迎えに行ったものの、
    変わり果てた姿に恐れをなした伊弉諾尊が、
    黄泉への入口である黄泉平坂を塞いだと言われる巨岩の名――
    を、もじったもの。
    日本の古代神話に材を得た短編ホラー漫画集。
    但し、表題作を含む4編の連作は、一応オチが付いたように見えるが、
    作者自身にとっては未完なのだそうだ。
    1990年代半ば以降に起きた大規模な自然災害と、
    その後に散発した、世間を震撼させた犯罪とが無関係ではなく、
    ある力によって予め定められた地域で連動した――というストーリー。
    ヒロインに手を貸す、法力を備えた美形の僧侶が、
    繰り返し怪しい表情を浮かべていたので、もしや悪役なのか?
    と思ったが、違ったらしい。
    いや、後々への伏線なのかもしれないけれど。
    いつか完結するんだろうか。
    余談だが、表紙裏が諸星大二郎「栞と紙魚子シリーズ」、
    裏表紙裏が『巫女さん入門《初級編》』『巫女さん作法入門』
    の広告っていうのが笑いを誘った(笑)

  • 宗像教授の第二シリーズが終わり、間を埋める様に軽装版で出版された。中身も星野之宣節が炸裂してるが同時期に「星を継ぐ者」が出版され継子扱いなのが気の毒。

  • 最初に作者が書いているとおり、ちょっと理に走りすぎているような……。
    面白いんだけど、謎解きがメインになってしまって、ホラー色が薄まってしまったような気がする。
    『ヤマタイカ』みたいな話になりそうなんだけど、途中で終わっている感じ。
    『ヤマトの火』→『ヤマタイカ』みたいに仕切り直してくれるとうれしいな。

    『マレビトの仮面』を読んで「トコイ、トコイ……」と脳内で呟いたのは内緒だ ヽ(゚∀゚)ノ

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著者プロフィール

1975年、「はるかなる朝」で手塚賞入選。週刊少年ジャンプで「ブルーシティー」連載デビュー。代表作は「妖女伝説」「2001夜物語」「ヤマタイカ」。スケールの大きなハードSFから古代史まで、幅広いジャンルで活躍している。1992年、星雲賞コミック部門、2008年文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞等、受賞歴多数。

「2019年 『MILKY WAY』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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