- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022500762
感想・レビュー・書評
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漫画サザエさんは1946年(昭和21)に夕刊フクニチで連載開始、1949年からは朝日新聞に移り、1974年(昭和49)に終了。そこに描かれた「日常風景」から忘れかけてた昭和の風俗を掘り起こそう、という朝日新聞の連載企画を本にしたもの。この企画の開始が2004年だそうなので、本の中の「今」ももう15年以上前で、記事を書いている記者たちや、インタビューを受けて語る「当時を知る○○担当者」や諸分野の専門家たちは、スマホも東日本大震災も新型コロナウイルスも知らない。そんなギャップはありつつも、目玉である昭和の生活の振り返りは、「へー」がたくさんあっておもしろい。親世代の子どもの頃/若い頃にあたるような"ちょっと昔のこと"って案外盲点だ。そのうちはっと気づけば、自分の子どもの頃/若い頃の日常が、こういった企画の題材になるのだろう。
内容は、いろいろあって忘れた。
親に当たり前に敬語を使っていたのはいつまでかとか、ちゃぶ台の時代は意外と短いとか、正座って昔は何種類もあったのだが一番きついやつだけが残っているとか、お中元/お歳暮文化の華やかなりし頃とか、、、空で思い出せる話題はそれくらい。。
忘れたけど、読んでいる間は「ねえねえ、本で読んだんだけど○○ってさあ…」とつい人に話したくなること請け合い!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「サザエさんをさがして」朝日新聞be編集部。2005年朝日新聞社。
※連載当時から「この視点はウマい」と思ってたまに読んでいました。改めてまとめてよむと、オモシロイ。
※サザエさんにひっかけて「1960年代~1970年代から、風俗や社会がどう変わっているか」ということを改めてふむふむするだけの話なのですが、これがけっこう震えるくらいの興味深さ。多くのコトが、(少なくとも僕にとっては)先入観を覆されるトリビアがあるんですね。
※と、言いながら読んではすぐに忘れてしまうんですが、「都市部に暮らす日本人、この60年の歩み」ミタイナコトヲ、ムツカシイ理屈は抜きに風俗史で切り取ってみせる。企画勝ち、と思いながら、そこは文章ですから。硬派な記事と違って書き手が敢えて時折素顔を見せながら語るスタイルが、うがって見ると「文化部的な新聞記者」の魂というか、意気地というか。これはこれで、恐らく添削駄目だしする主筆やデスクさんも含めて、プロの仕事。 -
東芝が経営不振で、サザエさんのスポンサーを降りる可能性があるという。
1969年以来、長らく東芝1社提供だったサザエさん。
少なくとも私以上の世代にとって「サザエさんといえば東芝」というのは、しりとりで、「りんご」の次が「ごりら」になるぐらいお決まりのことだった。
それが1998年に複数社提供になった際も結構なニュースだったが、もし降りることになれば、世間的には東芝という会社自体が、「終わった会社、古き良き時代の遺物」になったと思われかねない。
単なる広告宣伝費削減以上の負のインパクトがあるわけだが、さてどうなることやら。
古き良き時代、サザエさんで思い出したのが「サザエさんをさがして」という本。
朝日新聞の連載を書籍化したもので、漫画・サザエさんに登場する昭和風俗を紹介している。
例えば。
「男性化粧品」というページでは、「マンダム」のCMに、チャールズ・ブロンソンが起用された経緯が書かれていたり。
「ゴキブリ」というページでは、何故ゴキブリがここまで嫌われるようになったかが書かれていたり。
将来、この本の続編が出て「東芝」なんてページができないことを祈るばかりである。
なお協力者として名が挙がっている清水勲氏の著書「サザエさんの正体」にも「作中に登場する、現代では見られなくなったモノ」が紹介されている。
いずれも古本屋で探せば時折見掛けるので、「サザエさん」とか「ALWAYS 三丁目の夕日」が好きな方は是非。