讃歌

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著者 : 篠田節子
  • 朝日新聞社 (2006年1月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022500892

讃歌の感想・レビュー・書評

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  • かつて天才少女と呼ばれたヴァイオリニストが、30余年を経てテレビのドキュメンタリー番組に登場する。その演奏は聴く者の心を掴み、感動の演奏が評判を呼び、彼女は一躍スターになる。
    果たして、その感動の正体は?クローズアップされる栄光と挫折の半生、テレビ番組制作現場で作られていく感動の正体とは。
    テレビに限らず、およそ感動と名の付く物語に懐疑的な私にとっては「やはりね!」の印象。これはあくまでも物語だけど、限りなくこれに近いことが番組制作の現場をはじめとして行われているのではないか。
    ドキュメンタリーといいながら、感動を呼ぶようなシナリオに沿った絵作り。ドキュメンタリーという名の「ドラマ」作り。安易な感動を欲する視聴者がそれに拍車をかける。
    技術的に素晴らしい演奏が必ずしも売れる訳ではないということ。プロの音楽家の悲哀。
    クラシックの音楽家でさえもイケメンや美女がもてはやされ、まるでグラビアのようなジャケットのCDが売れるのは残念過ぎる。
    テレビと、音楽の世界の問題を決して堅苦しくなく描いた上質の社会派小説だった。

  • 161007図

  • #読了。
    TV製作会社の小野は、クラシック専門レコード会社社長熊谷に誘われコンサートへ。そこで聴いた、ビオラ奏者柳原園子の演奏に深く感動し、番組制作を決意。番組は好評、園子も一躍人気者となるが。。。
    商業的には恵まれていないクラシックというジャンルにかかわらず、技術的に未熟であっても人の心に響く演奏と技術的に完璧でかつ素晴らしい演奏がどちらが素晴らしいと感じるかは人それぞれなのだろう。

  • 演奏者のプライドと苦悩、売り出すための画策や思い、ドキュメント番組を作る大変さ、音楽とは?など考えさせられる要素がたくさん。とても読みやすい。

  • 逗子図書館で読む。筆力抜群です。小説嫌いの僕でも、すらすら読めます。状況説明も無理なく、分かりやすいです。ただし、積極的に読みたい小説家ではありません。どうも、好きになれない。

  • 薄暮読後にすぐ読んだ。題材は音楽だけどマスコミの人間を主人公にし芸術家を見出していく過程は薄暮のプロットにそっくりで姉妹作と言ってもいいほど。やはり人にとっていい音楽とは何かについて考えた。芸術に対する価値観とはなんなのかと。熊谷のイメージが薄暮の多田に丸かぶりだった。薄暮はミステリー仕立てになってたが、これはどう評したらいいのだろう?

  • 一気に読めた。冒頭や音楽の話は良かったんだけど、最初だけであとは失速…

  • ビオラの演奏への感激で始まる。

    千と千尋の神隠し の主題歌 いつも何度でも
    映画 タイタニック で演奏の賛美歌 主よみもとに近づかん
    シューベルト アルペジオーネソナタ
    チャイコフスキー
    ベートーベン コンチェルト
    クライスラー 愛の喜び、愛の悲しみ
    ハイドン

    音楽業界と放送業界の裏が分かる。
    悪意ばかりでなく、事実からずれていく様子が手に取るように分かる。

  • 3位
    単行本ではなく、新聞連載で読みました。が……。
    連載中は毎日苛々していました。
    「えっ?なんでこんな展開になるんだよ!」
    「ああもう、柳原園子はどうなっちゃうの?」
    毎日続きが気になって気になって仕方ありませんでした。
    しかも後味は悪い。それでも面白いんだから憎らしい!

  • ヴィオラという楽器はあまり詳しくない、というかほとんど知らない。バイオリンより大きめの低音を奏でる楽器らしい。かつての天才少女バイオリニストが不遇の時代を経てヴィオラ奏者として奇跡の復活をする話。だと単なるよくあるヒューマンドラマであるが、ここにマスコミが絡み複雑になっていくという展開。テレビや雑誌の力は実力を伴わないものをもスターダムに引き上げてしまうのは、日々見ていてよくあることである。メディアは恐ろしいなーとこれを読みながら少々思った。と同時に、ほんとに新聞やテレビや雑誌をそのまま信じる人々は、今後減っていくんだろうなと感じる。正しい形に日本人もなりつつある、というのはよくある意見だし、いいことなんだろうけど、一般に無宗教といわれる日本人にとっては、一つのものを(それがマスコミという媒体であっても)信じて生活の規範にするのは幸せなことだったのかもしれないと感じる今日この頃である。

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