- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022501790
感想・レビュー・書評
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真の主人公は若い「ロミオとジュリエット」な二人ではなく、一応は脇役の位置の田沼意次だと言ってもいいかと。
乱闘や航行といった「動」の場面が鮮やか。
様々な立場の人間の思惑が絡むのだけど、それを一人で束ねる作者の、時代背景の見識に圧倒される。
どこまでが史実でどこまでが創作なのか、更にファンタジックな部分まであり、どういう立ち位置で読めばいいのか戸惑ったが、面白かった。
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:913.6||T
資料ID:50600357 -
コメ経済から貨幣経済への転換期を舞台に、田沼意次が爽やかに活躍する。幕府と公家との微妙な関係、豪商たる北風と鴻池の暗躍を江戸から離れ、大坂と京都を舞台に描いていく。淡い恋もまじえ、多少ミステリアスに朝鮮人をも巻き込んで展開する。が、どうにも緊迫感といおうか臨場感が欠落していて、物足りない。
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やはり、辻原さんの知性がそこかしこにあふれて、おもしろい。実在の人物の登場、大阪と江戸の経済史的な俯瞰、政治的な江戸と京都の微妙な思い(女性天皇とかね)、都市と地方。流通するのは、物ばかりでなく、金ばかりでなく、人の心も当然流れて通じていくもの。のちの「プリンセストヨトミ」をふと思い出させる大阪のすごさ(笑)は何百年、続くんだろう。読んで、よかったです。
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やはり、辻原さんの知性がそこかしこにあふれて、おもしろい。実在の人物の登場、大阪と江戸の経済史的な俯瞰、政治的な江戸と京都の微妙な思い(女性天皇とかね)、都市と地方。流通するのは、物ばかりでなく、金ばかりでなく、人の心も当然流れて通じていくもの。のちの「プリンセストヨトミ」をふと思い出させる大阪のすごさ(笑)は何百年、続くんだろう。読んで、よかったです。
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江戸中期の上方を舞台に、<米>が取引きの中心だった時代から、<金(為替)>を取引きの中心に据え、上方の商人に集約した繁栄を江戸幕府に移そうと腐心する幕府方と、朝廷方、商人方の対立や謀略を描く。
日本史では汚職まみれと習った田沼意次が好人物として描かれているのがおもしろい。
最初は見えなかった各勢力の相関図が次第に見えてきて、その途方もない大胆な歴史解釈につい感心してしまった。 -
話の題材は面白いと思う。武士と町人の経済の主導権争い、女性天皇、淀君の隠し子、田沼意次、平賀源内、蕪村等。只、話の流れがゆったりしていて間延びしてるような。もっと短めの話にすれば面白い話になったような気もする。
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田沼意次
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典雅という他ない。石川淳、澁澤龍彦亡き後、正統な後継者と言えるのは彼のみ、たぶん。