- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022502322
作品紹介・あらすじ
二〇一一年に予定されているテレビ地上波の完全デジタル化。数年後、テレビがネットにのみ込まれるや、その余波は新聞にも及び、ついには、日本のメディアはすべてネット上の仮想空間「eプラットフォーム」に吸収されていく。その時、新聞社もテレビ局も、メディア(媒体)という性格を失い、コンテンツ・プロバイダー(番組供給、記事配信)に後退せざるを得なくなる。ジャーナリズムは生き残れるのか。広告はどう変貌するのか。新しいメディアの盟主は現れるのか。著者・藤原治がリアルに描写する日本メディアの近未来。いま全マスコミ人が抱いているインターネットに対する「漠たる不安」が現実のものになる日は本当にやってくるのか。
感想・レビュー・書評
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2021/06/25
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新しいメディア、さあどうする…30年前みんなが頭を悩ませた〜中本正勝他編著『情報で町づくり』
図書館で地域活性に関する本を探していたらまさにぴったりのタイトルの本が見つかり、借りてきて読んでみたら80年代後半に出版された本でした。30年近く前かよ・・・。
当時の社会のIT化(そのころはマルチメディア化といった)への取り組みの実例が本書には列挙されているが、会議に会議を重ねた末、出てきた結論は商品の流通VANだとか、駐車場案内システム、CATVなどが精一杯というところだったようだ。いや、あの頃はそれでも大革命だったんだろうけど。牧歌的な時代でしたねえ。
本文中、コンピューターをどう使うかについて識者が語るコメントには、いわゆるオカミからの標語みたいな大層なフレーズは頻出するのだが、具体的に何をどうしたいというところはほとんど出てこない。新しいものにうとい一般庶民はそれを聞かされてもますますそっち方面には興味をなくすんじゃないかみたいな・・・。
マルチメディアという言葉が出てきたということは逆にいえばそれまでの社会は単一のメディアによって動かされていたわけで、情報は新聞・テレビのような大企業、権力側から一方通行に流されるものとされていた。そんな状況ではコンピューター利用についての発想の貧弱さはまあ仕方ないところでしょう。いきなりコンピューター回線でエロ画像を流そうなどと考える人もごくわずかでしょうし。
マルチメディアの新たな利用法が開発されるには。その後のインターネット隆盛などによる世の中の変化を待たなければならなかったわけです。僕が見てきた感じでは、その変化、つまり「面白い使い道」は、お役所主導というよりも、ネット上の名もなき2ちゃんねらーやユーチューブ、ツィッター、SNSのメンバーたちが作っていった印象が強い。
この本はC&C文庫の一冊、発行はNEC日本電気文化センターになっている。当時はパソコンメーカーが出版業に乗り出すほどコンピューターの分野は急成長分野だったことがうかがえる。
ちなみにC&Cとは「コンピューター&コミュニケーション」を意味する頭文字。たしかNECの社内報タイトルにも使われていたはずだ。当時僕はこの社内報づくりに関わっていたことがあったが、制作にはDTPなんかいっさい使わず、下請けの印刷会社が活字を切ったり貼ったりの原始的な方法でつくっていました。ま、パソコンで世の中が変わると大合唱してたわりに実際はそんなものでした。
http://rcnbt698.blogspot.jp/2013/02/blog-post.html -
bk1の紹介文《アナログ地上波の停止が一大契機となり、201X年、誰も予想しなかった出来事が起こる…。新聞とテレビがネット上の仮想空間「eプラットフォーム」にのみ込まれる日を、綿密なデータを駆使して大胆予測。》
新聞がネットを飲み込むという可能性は?まあ、いまの力関係では無理そうですか。 -
2008年の現在でも、新聞はどんどんネットに替って行っています。
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アナログ地上波の停止がもたらす変化について予想した本。なんだか想定内の変化という感じですね。ここ数年の変化から感じるに、もっと意外な変化が起こってくるのではないでしょうか?いや、起こって欲しい。図書館予約数は2(07/05/10現在)です。
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新聞やテレビなどのメディア業界の動向をつかむためにはお勧めの一冊。
新聞やテレビの業界構造、課題、IT革命の波が押し寄せる中、身動きのとりにくい事情を分かりやすく解説しています。 -
んー、目新しいことは何も書いてないなあ。ここで提唱している「eプラットフォーム」ってネーミングも数年前にどこかで聞いたことがあるような…。