ザ・ペニンシュラ・クエスチョン: 朝鮮半島第二次核危機

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (748ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022502414

作品紹介・あらすじ

小泉訪朝と六者協議の内幕。北朝鮮をめぐる、日・米・韓・中・ロの外交駆け引き、権謀術数…。北東アジアの危機の全貌が明らかに。緻密な取材によって、現代史の焦点を再現するノンフィクションの記念碑的大作。

感想・レビュー・書評

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  • 02年9月日朝平壌宣言の下交渉から06年7月の北朝鮮の弾道ミサイル発射までの、日米中韓朝ロの虚々実々の外交交渉、各国内の問題を濃密に描写したもの。ここまで取材・描写した著者に感動。本書からリアリズムに徹した外交の必要性がよくわかるし、北朝鮮の核・ミサイル問題を、中韓を味方にしつつ解決していくことの重要性もよくわかる(拉致問題も重要だが)。しかも、北の海外資産の凍結がその死命を決し、ミサイル示威の遠因となった点は興味深い。だが、北の非合法獲得資金のマネロンに関わった中韓の対応はいかがなものか。2006年刊。著者は朝日新聞コラムニスト(元記者)。

  •      -2007.02.13記

    朝日新聞のコラムニスト船橋洋一が、各国政策担当者への膨大なインタビュー記録を駆使して、小泉訪朝と六者協議の内幕、北朝鮮をめぐる日・米・韓・中・ロの外交駆け引きの全容を明らかにした労作、本文だけで742頁に及ぶ大部の書を、過ぎたるほどに腹も膨れて些か辟易しつつもなんとか読みおおせたのは、本書が、朝鮮半島の第二次核危機について、関係各国の国内情勢にまで踏み込んで多方面からよく論じえているからだろう。

    本書は、2002年9月の小泉純一郎首相訪朝に至る日朝外交と翌10月のジェームズ・ケリー米国務次官補訪朝を皮切りに悪化した核開発をめぐる朝鮮半島情勢について論じたものだが、第二次核危機をめぐる各国の政策決定過程について、実に詳細にわたって記述されている。

    この春には英語版が米国のブルッキングズ研究所から出版される予定だともいう本書は、凡百のインサイドものを超えて、朝鮮半島問題の研究や第二次核危機を論じるには、欠かすことのできない重要文献の一つとなるだろう。

  • 交渉とはどういうものなのかというをことを思いめぐらせてしまった。

  • 重厚な本。

  • 図開架 319.21:F979
    館長おすすめコーナー

  • ボブウッドワードの日本版という感じ。とにかく情報量の多さに圧倒される。日本の地政学リスクとしての朝鮮半島の問題を認識できる。

  • セミナーに参加したのをきっかけにてにとりました。まだ全部読めてない。細かい。細かすぎる。

  • 朝鮮半島問題は対岸の火事ではなく、日本にとっても地政学的リスク。貧乏な小国が核を持つことで大国とわたりあえるという既成事実を作ってしまった失敗が痛い。

  • 北朝鮮をめぐる現代史としてきわめて高い資料的価値を持ちながら、同時に、スパイ小説のようなスリルを楽しめるという希有な本。
    内容面では、米国が政権内で対北朝鮮政策をめぐって深刻に分裂してしまい、何ら有効な手を打ち出せない姿を批判的に描いた部分、また、興隆する中国が、六者協議を契機に外交面でも大国としての力を発揮し始める様を活写した部分が特に秀逸だった。
    ただし、中国については、船橋洋一が自分にとってアクセス可能な人間(外交官たち)だけから取材して評価しているために、軍事的能力の急激な拡大などを批判的に見る姿勢が欠けており、片手落ちではないかと思える。

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著者プロフィール

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。1944年北京生まれ。法学博士。東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社入社。同社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長等を経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。2011年9月に独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」(RJIF)設立。福島第一原発事故を独自に検証する「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」を設立。『カウントダウン・メルトダウン』(文藝春秋)では大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

「2021年 『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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