メタボラ

著者 :
  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (594ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022502797

感想・レビュー・書評

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  • あきんつの「さいがさいが」、イントネーションも分からないのに縋ってしまう
    ギンジ

    夏生さんにしては、なにかどこかがチグハグにも感じた。性別?年代?地方性?
    オシャレ感? 17、8のこどもの違和感か

  • 沖縄を舞台にした大作でした。人間の表面的ではない隠れた本質の面を見事に表現しており、凄い作品だと思いました。

  • 2008/6/20 読了
    594ページ

    沖縄ネタで本を探していたら、桐野夏生好きの妹からのお薦め。
    夏に宮古行きを予定しているので、宮古弁に引き込まれた。

    やんばるの山中で出会った2人。
    何かから逃げてきた記憶喪失の僕。
    現実から逃げてきたアキンツ。
    僕はアキンツに"ギンジ"という名をもらい、2人の自分探しの旅が始まる。

    8章まではギンジとアキンツの視点で交互に展開。
    残り2章はギンジの記憶の回復と収束。

    悲惨な家庭環境で育ち、死を望んだギンジ。
    甘やかされた環境で育ち、楽天的なアキンツ。
    対照的な2人が辿る顛末は、どちらも救いようのない"負"を辿る。
    沖縄の楽園のようなイメージと対照的なギンジとアキンツの現実。
    強い日差しが作る影のように、深く濃い闇が描かれていた。
    夢も希望も未来も全くない話。

    残念なのは、最終章。
    瀕死のアキンツの視点があれば、良かったように思う。

    アキンツは"甘え"を、雄太(ギンジ)は"プライド"を、捨てられなかったから社会から逃げてしまう。
    転落は些細なきっかけで始まってしまい、はい上がろうともがく程、容赦なく堕ちていく。
    反面教師としても内容は濃い。
    負けを認め、逃げずに受け入れる。それが、社会で生き残る方法かもしれない。

  • 読了日2011/05
    沖縄を舞台とした、2人の青年のはなし。
    この本を読んで、これからの日本、そして若者はどうなっていくんだろうってすごく不安になった。
    私が二十歳前後まではフリーターってちょっとおしゃれっぽいイメージで、自由な若者って感じだったけど
    いまや、本当に死活問題
    今日一日、ご飯を食べれるかってことだけを考えて生きなきゃいけないって壮絶・・
    日雇い、派遣、集団自殺、家庭崩壊、外国人労働者、ホストクラブのつけ、イマしか興味の無い若者・・
    日本の問題がてんこもりの1冊です。

  • 沖縄の美しい光景と、どろどろした人間ドラマ、やりきれない人生観が入り混じっていておもしろかった。

  • 読み終えると、
    冒頭の逃げるシーンが象徴的に想いだされー

    死を前にして、でも
    リセットになっちゃって。

    そうすると
    本人がどうしたいのかが
    自然と見えてくる。
    って事かな。

    沖縄は内地に利用され
    沖縄も内地を利用しなきゃやってけなくて。
    なんか、沖縄つぶれそう。
    未来があるなら沖縄、
    使い捨てにされそう。

    アキンツはもちろんだけど
    ギンジも銀次もちょっと緩い…なぁ。
    でも、そんな感じが良かったりもしたけど。

  • 「ジェイク」と「ギンジ」。二人の仮の名前で進んでいくストーリーに惹きつけられる。

  • 今回は主人公がただひたすら気の毒で、「真面目な大学生のバイト」から住み込み派遣の生活に染まりきってゆく姿はとても恐ろしく、痛々しかった。こんなに読後に落ち込んだ小説は初めてかも。

  • こんな世界もあるんだなあって感じかな。
    きちんと働きたくても保証人やらその他もろもろの事情でまともな職につけないのは本人にも責任はあるが別のところにも問題はありそう。
    そしてそんな人達を搾取する人もいる。
    世知辛いね〜。。。

  • 大好きな作品!重苦しいテーマ盛りだくさん。
    ジェイクと銀ちゃんに幸あれ

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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