- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022503350
作品紹介・あらすじ
あの人の犬になりたい。そして、人間では辿り着くことのできない心の深みに飛び込んで行きたい-『親指Pの修業時代』から14年。今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。
感想・レビュー・書評
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主人公の犬になりたい、気持ちに最初は、共感出来ず、そんな事ある???って、感じで、なかなか馴染めなかったです。
でも、読んでいるうちに、自然に引き込まれ、フサの気持ちになり、犬になった、幸せと、気持ちを思うように伝えられない、悲しみを、感じ、スムーズに入ってきだしました。
ただ、彬と梓の関係性があまりにも、悲惨で、途中で気分が、悪くなりました。
最後は、献身+犬身で、よく纏まっていて、多幸感に包まれました。
今度は、フサと、梓が、本当に幸せになってくれたら、いいなあ^ ^
そんな事を願いながら、本を閉じました。
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自分の魂の半分は犬だと思っている女性が、心惹かれる女性の犬になりたいと願う話です。至極シンプルながら非常に変態な話なので万人に勧められる本ではないです。
犬になりたい。考えた事は無いですがなるなら猫がいいかなあ。犬好きだけどもしなったら結構不自由な気がします。
この主人公は好きな人といる為という訳ではなく、そもそも自分が人間でいる事に向いていないと感じています。犬、という存在に親愛以上の憧れを抱きます。
変身願望というのは色々あるので、どこかに彼女のように本当に犬になって飼って欲しいと思っている人もいるんでしょうねきっと。
ほのぼのではなく黒い話だし気持ち悪いんですが、犬は可愛いので読み切っちゃったなあ。読後感は悪くないです。 -
犬好きをこえて自分が犬なのではないかという疑問をもちいき続けてきた女性が不思議な人物の力で犬になる話。犬になったからといって犬の世界の話ではなく犬になった人間の目線から一人の人物を深く知ることとなる話。
序盤の人間の姿の印象が全くない。これは作者の意図した部分なのだろうか。人間の頃の外観についての描写が極端に少なかった気がする。
犬にならなければ知らなくてよかったことばかりで、もう人間ではないからどうする事もできない歯痒さが読んでいても伝わる。
どうしようもないだろう?とある人物は他人事のように言うが本当にそうなのだろうか。
生々しい性描写を受け付けない人もいるだろう。特に女性はきついと思う。ただ途中まで読んで読むのをやめてしまわないでほしい。
知ったきかっかけはラジオアバンティ。
二日間の休みで一気に読んだ。 -
犬になりたいと願った八束房恵は天狼のマスター、朱尾と犬になる変わりに死んだら魂をゆずるという契約をかわし本当に犬になってしまう。
これだけだとファンタジーなのですが梓の家庭のドロドロ近親姦……
気分が自然と沈んできます…
最後は魂をあげるなんて取引は悪魔との契約じゃないか絶対ろくなことにならん…と思って読んでいたらちょっと光が差した終わり方でよかったです -
セミ状態(寡作)の松浦先生・・・
松浦先生にしては、けっこうソフトなので、
初心者にも読みやすいかと。 -
犬になりたいという強い欲求を抱える人間・八束が、バー店主である朱尾という得体のしれない男を仲立ちに(魂とひきかえに)、あるとき、理想の飼い主・梓の飼い犬フサになることに、文字通り成功する。
しかし内側から見た梓の私生活はとても健全なものとは言えず……
主人公フサの欲望がそもそも倒錯しているために、多様な欲望の距離感が測れなくなる。たとえば梓の苦しむ近親相姦も、犬の眼から見れば相対化される。どんな欲望も元をたどれば形容しがたい一つの原初的な欲望にたどりつく、その一つの形にすぎないとさえ思われてくるから怖い。
とはいえ、梓はそれに、苦しんでいる。であるからには、その苦しみを取り除いてあげたいと、フサは梓の守護神として寄り添い続ける。 -
犬が特に好きでもなく、ましてや犬になりたいなんてこれっぽっちも思ったことない私ですが、何故か引き込まれ忘れられない一冊になった。
主人公が犬になり、犬の生態に馴染んでいく様はまるで経験したかのように生々しい。生々しくも美しい。美しいのは一心にこうなりたい、こうでありたいと願う心なのか。
この本を読んで以来、犬を見ると不思議な気持ちになる。
あなたはもしや?
ネタばれ?
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