愛しの座敷わらし

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022504241

感想・レビュー・書評

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  • 再読本。映画も公開されて見に行ったのを思い出しました(^-^)
    高橋ファミリーと座敷わらしを巡る物語。個々にそれぞれいい味出してておもしろおかしく読めました。晃一の間抜けなシーンなど笑った笑 
    最後もすごく良い終わり方でほっこりしました(^○^)

  • 突然の転勤で引っ越すことになった一家が、岩手の古民家に住んでいる座敷わらしとの出会う物語。
    座敷わらしの愛らしさに胸がキュンとなる。
    これまで民話や物語で座敷わらしが描かれたものを読んだが、これほど可愛らしい子に出会ったことはない。
    これは赤ちゃんが持っている周りの人々を魅了する力そのものだ。
    座敷わらしにはいろいろな伝承があるが、ここでは「神様へお返しされた子ども」として描かれているので、納得。
    智也がおもちゃで遊ぶようすを目を真ん丸にして見つめる姿、史子(お母さん)の背中にしがみつく姿に胸がジンとなる。
    お母さんのおんぶも、お菓子もおもちゃも知らないまま死んでしまった子どもなのだ。そのことを思うと切ない。
    座敷わらしと出会うことで家族それぞれが何かを得て、穏やかになり優しさが満ちてくる。
    これって、家に赤ちゃんがいた時と同じだなぁ。

  • お父さんもっとしっかりしてよ!一家の主人として腹括ってよ!と思わず尻を叩きたくなった。
    まあでも何だかんだ言っても家族仲が良いのね。
    座敷わらしに会ってみたいなぁ。

  • 座敷わらしの住む古民家に引越してきた家族。
    物語の最後まで、座敷わらしはコソッとしか出てこないので読んでいる私まで「座敷わらし出てこないかな」とドキドキして読んでいた。
    いつも出てくるわけじゃない、家族の物語の中心になるわけではない登場の仕方が、いっそう「座敷わらし」としての存在感があったように思う。

    物語は家族の再生のお話。
    自分の殻に閉じこもる家族が、座敷わらしの存在を通して互いの想いを知り、一つにまとまっていく。
    座敷わらしを友のように、弟のように接していた智也の優しさがなければ、座敷わらしは出てこれなかったんじゃないかな。
    母のぬくもりも知らず、食べ方や遊び方も知らぬ座敷わらし。「お母さん」を感じて母・史子の背中に度々乗っていたのかと思うと切なくなる。

  • 最後の文章が良かったー!!!
    楽しくなるまで100ページくらいかかったけど、座敷わらしが出てきてからは、良かった!

    田舎の美しい風景がありありと表現され、私もこんな家、こんな場所に住みたいと思った〜

    そして家族っていいなと思った!

  • 片田舎にある、ボロボロの一軒家に父親の都合で引っ越してきた一家。父の晃一は威厳がなく、妻、母、娘、息子それぞれにセンシティブな問題があり、当然家族間も微妙な間があったりする中で、

    その古い家屋に「座敷わらし」が住むと言う逸話を近隣から聞く。個々の人物が半信半疑で見た証言を家族全員で確認したタイミングから、少しずつ家族の狂った歯車が直っていく。


    すれ違いが座敷わらしをきっかけにして、皆が良い方に向かい、最後は一抹の寂しさと共に心温まる話だった。

  • 座敷わらしは、潰した子どもの化身。生きるのに大変で、神様に子どもをお返しする。神様にお返しした子どもが、お乳とおんぶの要らない年になってから、この世へ戻される。今度は悲しい思いをしないように、棲みつく家を裕福にする力を蓄えて。
    天使のような座敷わらしに出会い、出会った家族は、自分に足りない何かを得て、変わっていく。福の神は、もたらされるのではなく、自分たちで得ていくものなのかも知れない。

  • 家族の絆の再生物語。『ユタと不思議な仲間たち』と同じような設定で、都会から転校してきた少年が主人公ですが、座敷わらしは言葉を話さない。童が生まれた時代と現代のギャップも相まって幼子が新しい物に驚き、感嘆し、好奇心と戸惑いなど、実に切ないほどに愛らしく表現されています。「ふわわぁ」と風に似たわらしの小さな吐息には心奪われてしまいました。

  • 父親の転勤で古い一軒家に引っ越してきた一家。その家には昔から住みついていた座敷わらしがいた。幽霊の話なんだから、怖いはずなのに、家族は皆可愛いと言い、この座敷わらしによって癒されていく。バラバラだった家族も一つになっていく、ほのぼのとした話。座敷わらしがびくびく怖がっているから、対する人も優しくなれるんだろう。会ってみたいかな⁈

  • 文庫版を読んでハードカヴァー版も欲しくなり会社帰りに最寄の書店に寄ったものの「品切れです」の答え。地元の行き付けの書店で予約すれば良いものを、思い立ったらジッとしていられない性分で結局書店3件ハシゴしてやっと手に入れました「えらいぞ!あおい書店・川崎店」。ハードカヴァーは文庫化されたならば、なかなか重版が掛からないので探し回って正解。私にとってこの作品は是非コレクションしたい一冊です。きっと座敷わらしも喜んでくれている・・・かな?

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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