極北クレイマー

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著者 : 海堂尊
  • 朝日新聞出版 (2009年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505712

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極北クレイマーの感想・レビュー・書評

  • 続編への布石なんだろうなぁ。
    どうしようもないほどの人ばかりがクローズアップして描かれて
    最後には一掃され、ヒーロー登場で終わる。さてここから、っていうところで。

    ブラックペアンからのヒーローの成長ぶりに驚き。ぺいぺいの研修医だった頃が懐かしい。


    姫宮さんがスパイスになっていたのが面白かったかな。

  • 地方医療が崩れていく様子が描かれているのと同時に、ふと、祖母が入院した時、地方の病院に行った時のことを思い出す。あの時の臭いは今でも忘れられない。
    少しずつ、病院の体制が崩れていく姿が何とも言えなかった。
    病院が再生する物語があるのならば読みたい。
    少し違うが、『プラチナタウン』(楡修平)なども介護問題・地方医療問題を扱っているので読むと面白いかもしれない。

  • 地方公立病院の成れの果て

    大学病院から地方病院へ出向させられた一人の外科医。
    彼が赴任した病院は多額の赤字を抱える自治体の公立病院であり、それ自体も赤字経営の温床だった。
    ありえない現状を次々に目の当たりにし、慣れつつ文句も言いつつ、日々の業務に勤しむ。
    だが、病院を襲うのは中央で対立する司法と医療の代理戦争であった。

    途中までは唖然呆然、リアルに病院で病気をもらってきそうな所だが、こういう所が本当にあるのだろうか?旧態依然ならまだマシ、と思えるレベル。
    最期にドドドッと物語が動くのだが、これは…以前ニュースにもなったな。
    外科、産科に限らず、医療に絶対はない。
    常に確率を明示され、それでも可能性に賭け、人事を尽くして天命を待つ。
    本来はそうなのに、今はあまりに技術が発達し、出来て当然のように捉えられている。
    それだと、果敢にリスクをとることが本当に馬鹿らしく思えてくる。
    誰のために、何のために、やるのだろう。

    そして、公立病院の悲惨さ 笑
    一概に公立と括っては行けないかもしれないが、やはり安心感はあるからなぁ。
    大丈夫、と言われつつ、潰れてしまうこともあるんだよ。

  • なんか、いいかげんな病院だなぁって。でも、いい方向に変わっていくといいな。

  •  破産した北の架空の自治体・極北市を舞台とする。いや、舞台というより、この破産した土地の医療現場である極北市立病院そのものが、この小説の主人公であるのかもしれない。

     誰がどう読んでも、夕張という実在の破産自治体がモデルであることは自明である。市立病院があり、破綻した医療システム、駅に隣接した豪奢なリゾート・ホテル、その裏の破綻したスキー場、破綻した遊園地。そのどれもが夕張以外の何者をも想起させない。

     ぼくは、昔、医療関連の仕事をしていた頃、ここの市立病院に何度か入ったことがある。そこは、まぎれもなく老朽化した暗い建物だった。純白のリゾート・ホテルからいくらも歩かない場所に、病院は、古びて傾いていた。

     病院前から延びる一本の通りは、昔栄えていたことをうかがわせる何かがある。今は人っ子一人歩いていないが、きっとかつては鉱山の仕事を終えた労働者たちが繰り出したであろう繁華街の幻だけが広がる。

     一方では、夕張映画祭で、映画の街のイメージを作った夕張である。ふるさと創成金の一億円の有効な使い方として、当時は評価された。今でも古き映画の看板が、閉ざされたシャッターの並ぶ商店街に並んでおり、それらが、見る者とてない無人の通りにだらりと延びている情景こそが、異様に映ったものだ。

     さらに先には大夕張という、かつて栄えたが、これからダムの底に沈んでゆこうとしている町がある。そこを車で走った折に、前をバスが走っていた。バスの向うに廃校となった小学校が見えてくる。道路を渡る歩道橋(こんなものにも最早何の意味もないのか、とぼくは胸が痛くなった)に、「想い出をありがとう」の横断幕が掲げられている。ぼくはまさしく震えた。

     あの頃、何度も湖に沈む前に取り壊される大夕張の町を撮ろうとカメラを構え、廃屋を撮影して回ったのだった。

     それは、もう10年以上も前のことだ。

     そう言えばこんなこともあった。ある休日に、夫婦で、幼い息子をつれて、石炭の歴史村の野外ステージで何とかレンジャーというTVヒーローの出し物を、裏山から眺めたのだ。入場料がもったいなかったので。実際にキャラクターショーの観客よりも、キャラクターたちのほうが多い情景だった。裏山から覗き込む家族連れは、ぼくたち以外にも何組も見られた。拓銀が破綻した年のことであった。

     その後北海道の金融はバブル破綻の代名詞みたいになり、石炭の歴史村も、夕張市も破綻していった。信じ難いスピードで。

     この小説では、そんな町の、破綻してゆく市立病院を舞台に「ジーン・ワルツ」では噂だけの登場となった三枝医師の姿を見ることができる。さらに、移転した極北大医学部の救急部に、あの『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水医師の颯爽たる姿が見られる。さらにテレビ画面の向こうではチーム・バチスタの手術シーンが行われているようだ。ああ、海堂尊の世界は時間軸に沿ってではなく、ときには遡る。そして、こうして土地や人間は。複雑に絡み合っているのだ。

     本書でも何人かの印象的な女性たちの姿が残る。姫宮、西園寺さやか、そしてとっても印象的なのが並木看護師である。

     いつもながらいい世界だ。そして幻のように瞼の裏に甦る夕張が、ぼくの心にはずっと在り続けるだろう。

  • ≪内容覚書≫
    赤字の極北病院。
    主人公は、非常勤外科医の今中。
    厄介事を押し付けてくる病院長。
    病院長と不仲の事務長。
    不真面目な研修医。(実は市長の息子)
    医療事故で訴えられてしまう、人望ある産婦人科部長。
    従順ではない看護師たち。

    そして、美人だが、「でかい」皮膚科医師としてやってきた姫宮。

    財政難に苦しむ病院に未来はあるのか。

    ≪感想≫
    …メモし忘れていて、実は再読。
    バチスタシリーズのスピンオフ…?
    間を空けて読んでいるせいで、
    登場人物が混乱する。
    一度、まとめて読み直した方が楽しめるかも。

    ストーリーとしては、
    問題が何一つ解決しない序章のような結末なので、
    スッキリはしない。
    別作品につなげて、解決していくのか、
    それとも現状を訴える作品として終わるのか。
    今後の作品もチェックしていきたい。


    しかし、病院経営の知識がないので、
    なぜ財政難になるのかが正直なところわからない。
    ちょっとした問診だけでも、結構な費用を取られるのに、
    病院が赤字になる理由が不明。
    もうちょっと知るべきか。
    世の中のことを知らない自分に気づかせてもらえた。

    また、医療事故に関しては、
    マスコミの報道の仕方も悪いが、
    こちらの意識も悪いと思う。
    そもそも、100%安全な手術なんてあるわけがない。
    機械の不具合や人為的ミスも起こりうる可能性もあって当然。
    そういったことを、すべて飲み込んだうえで、
    手術の同意書に署名するべきなのでは。

    普通に考えて、体を切ったら死ぬのが生物。
    いかに医療が進歩しようと、そこを忘れちゃいかんと、
    個人的には思う。

    とはいえ、実際に医療ミスで身内が死んだら、
    同じことを言えるかどうかはわからない。
    人間の感情ってのは、扱いが難しい。

  • 小説の続きが気になる!
    田口&白鳥が出てこない、いつもと違う内容で新鮮でしたよ!

  • 楽しめたが、海堂作品の中では中位かな。
    「ナイチンゲールの沈黙」よりは面白い、という感じ。

  • ジーンワルツ、イノセントゲリラの祝祭、、同時期の話しがたくさんあるんだなあ。

    海堂さんの小説を読むと、いつも日本の医療は大丈夫なのかしら?と不安な気持ちにさせられる。

    私には少し散漫な文章にも感じられたけど、
    「メディアはいつもそうだ。
     白か黒かの二者択一。
     そんなあなたたちが世の中をクレイマーだらけにしているのに、まだ気がつかないのか。
     日本人は今や一億二千万、総クレイマーだ。自分以外の人間を責め立てて生きている。」

    という文章。
    メディアが原因かは私には分からないけど、本当に日々そう思う。

    生きるには権利もあるけど、義務もたくさん。
    自分の幸せは大切だけど、何もかもが思い通りになんてさせられない。

    この一文に激しく同意です。

  • この後が読みたい。現代の矛盾や問題をうまく取り入れている。おもしろいけど、日本の将来の医療が大丈夫か?不安になる。

  • この人の本を読んでいると、医療が心配でならなくなるが、これって小説で書いていてもなかなか解決には繋がらないのでは?
    ノンフィクションで書くとか、政治活動するとか直接的に行動すべきと思うんですけど、この人の目的はきっとそこでは無いのだろうな。

  • 今回の主人公・今中先生の印象が微妙で、ストーリー中でもぼやけている感じ。さらに今までの作品では、病院スタッフは「デキル」感があったのに極北スタッフのダメっぷりといったらないです。
    読んでいる最中に、あまりの腹立たしさに、読み続けるのが苦痛になることさえありました。
    そこに登場するのが、「ジェネラルルージュ」でデビューした姫宮。彼女のトーク術は、人生においても学ぶべき点が多く、完全にココロを奪われました!
    物語は後半に一気に動き、最後は「続きが読みたい!!!」と思いました。行政と病院経営。こんなことになってるんだなぁ。と改めて考えさせられました。
    海堂さんは「医者やめて執筆だけにすれば?」と言われているようですが、彼こそ現場でリアルなレポートを小説という形で発信し続けなければいけない人だと思いました。

  • 海堂さんの最新作。今回は地方医療をテーマとしたノンミステリ。モデルはおそらく夕張市。財政破綻した都市の病院の現実を描きたかったんだろうな~ってのが伝わる。その点においては評価したい。
    が、中途半端!帯には姫宮が活躍するように書いておきながら、姫宮が出てくるのは真ん中の一部のみ。しかし一番面白いのはそこからだからねー…尻切れトンボ。
    ラストもなじみのキャラらしい人物が出てくるけど、その人を知らん人間からすれば「病院の再建は大丈夫なんですかー?」って感じのラスト。

  • 財政難にあえぐ極北市の市民病院のお話。楽しめましたが、展開的には物足りなさも残りました。

  • 医療問題をテーマにした話だが小難しくなく読み始めると半日ほどで読み終える。

    主人公の今中医師が大赤字で破たんしそうな極北市民病院に転任したところから話は始まる。
    「螺鈿迷宮」「アリアドネの弾丸」にもでてくるお嬢さゆりと氷姫姫宮が出てきて通しで読んでいるとおっと思ってしまう。

    地方医療の抱える問題点と医療の行政とのかかわり方をふむふむと思いながら読み進めることができる。
    海堂氏は実際に医師なので自分が医療の現場で感じている問題点を起因するために小説という手法を用意ているのだろう。
    普段、医療・病院と程遠い所にいる私には興味深く読み進めることのできる作家である。

    はめられた医療事故もどきによって三枝医師が逮捕されたまま最後にさっそうと世良が登場したで場面で終了してしまっていたが昨年末に続編が出たらしい。
    将軍速水も出てくるようで読むのが楽しみだ。
    ただ、世良が「ブラックペアン1988」の頼りないイメージがあったのでキャラクターに少しびっくりした。
    あとは、市長が倒れるところがちょいと唐突だったかな~。

    海堂氏は各小説の中に伏線を張りまくるのでこの人はアレに出てきたとかここでつながるのかとかそういうのが面白い。
    次回作への含みを残し終わることが多いので単品で読むとすっきりしないかもしれない。
    私はハマったほうなので次回作が楽しみだ。
    ただ、たぶん小説との相違点が気になって楽しめそうにないのでTVシリーズは見ていない。

  • 【内容】
    北海道の架空の公立病院を舞台に、地方自治体の破たんとそれに関連する公立病院の実像を、この病院に赴任してきたばかりの医師今中の目を通して描く。
    公立病院に赴任してきた今中は、看護師や事務長等のモラルの低さに愕然としてしながら、徐々に病院の改善に取り組もうとするが、改善は一向に進まない。
    【得たもの?やってみること】
    ・公立病院の実態(デフォルメしているかもしれないが)
    ・医者といえども、仕事として医師をしているだけ。

    【感想】
    北海道が舞台ということで、実際に破たんした、地方自治体もあり、ここでは、このようなことがおこったのかというのが想像できて、興味深い。
    但し、話としては中途半端は部分で終わってしまっていて、決着がついていない。
    ハッピーエンドとはいかないまでも、医療事故死の件には、なんらかの決着をつけて終わってほしかった。

  • 36
    海堂尊これから読もうと思った。

  • 今中が、地域医療と関わっていく物語。海藤先生の相変わらずのキャラクター描写がすごい。
    だがその一方で、病院のことについてはあまりよく触れられなかった。
    ごたごたしていて、あんまり面白く感じなかった。地味かな。

  • 地方病院…ここまでヒドイのはないと思うけど、読んでてイライラした(笑)

    ここから挽回できんのかねー?

  • 極北市民病院に派遣された非常勤医師・今中。
    問題山積みの医療現場で彼が目にするものとは…

  • どんな仕事も平凡であり、神聖でもあり。それは地域医療も一緒。事件の後、わずかながら改善の空気がうまれるシーン。医療従事者としての責任を一身に背負う者と、一瞬だけ見せる者。
    ヘルスケア業界で働く自分たちの役割、なんかについても少し思いを巡らせることになりました。

  • 読みやすくおもしろかった。
    次作へ続く…的な終わり方が残念。
    ここ何作かが、地域医療や医療行政への問題提起的な内容が多く感じるが、今後はどうなるのか?
    よりエンターテイメントとして楽しませて欲しい。

  • 『極北ラプソディ』を先に読んじゃった!
    こっちから読んでりゃもっと楽しめたのに。

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