学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識
- 朝日新聞出版 (2009年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022505804
作品紹介・あらすじ
入学者に占める一般入試者の割合、早稲田政経たったの39.3%?人気企業ランキングには裏技が。どうなってんだ、この国は。学歴、新卒、転職のウソ。応募する側も、採用する側も、何もわかっていなかった。転職請負漫画「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」のモデルとなった人事&雇用のカリスマが暴く「キャリア幻想論」。
感想・レビュー・書評
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エンゼルバンクの主人公(?)海老沢さんのモデルになった海老原さんの著作。
雇用問題・労働問題に関して、ほとんど知らないので、本の価値はよく分かりません。
が、ニュースや新聞で報じられる雇用問題を、データに即した独自の切り口で解説してくれていると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは、目からウロコ。
大学生の学力低下は入試制度と偏差値のトリックが原因
人気企業が危ない
就職氷河期の学生は転職ができる
35歳以上の終身雇用は揺らいでいない
非正規労働者の増加は、大学進学率アップが原因 -
偏差値のからくりから未履修問題、教育には言いたくても言えない裏事情があるようだ。日本の総合職について光を当てている興味深い内容だった。
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タイトル通りの内容は第1章のみで,後半は近年の(といっても5年以上前ですが)新卒生達の就職事情が中心です。
私が注目したのは,その後半部分です。
「若者はけっこうカワイソウじゃない」という著者の持論に,私も強く同意します。
「カワイソウな若者」の状況を生み出したのは,企業・政治・教育機関などの大人達であることは間違いありませんが,それにしても日本の雇用環境はそれほど悪くないと著者は主張します。
それは,①選り好みをしなければ新卒者の就職は容易(有効求人倍率が1を切ることは殆どない),②景気の波による転職チャンスが20歳代に2度訪れる可能性が高い,③日本企業の「総合職」には意外と弾力性がある,といった理由によります。
欧米に比べると,日本には若手を「育てる」意識が強い企業が多いことは間違いありません。そのことは,日本の若年層の失業率の低さが如実に表しています。
中小企業であっても選り好みせずに就職して経験を積み,チャンスが訪れれば転職をしたらいいし,そもそも日本の企業には企業内での流動性(移動など)は高いので,配置転換などで自分の「居場所」を求めることも十分に可能だということです。
若者達には,とにかく「大手企業」「名の通ったB to C企業」ばかりを目指すのではなく,数多の優良な中小企業への就職を検討して,「置かれた場所」で花を咲かせてもらいたいと願います。
ワーク・ライフバランスを考えれば,大手企業に入って高収入や安定を得ることだけが人生の幸せではないことは明らかです。
著者の着眼点は素晴らしく,分析は鋭く,提案も斬新で興味深いのですが,何だろうこの読後のモヤモヤ感・・・
たいへん失礼ながら,文章がやや雑である印象を持ちました(校正の問題かもしれません)。
時々,何を言いたいのかがわからなくなる時がありました。同著者の書いた「女子のキャリア」の方が,全体的に完成度は高いという印象を持ちました。 -
良い大学を出て、大企業に入っても知識・能力が伴っていない。そういう人たちが増えた理由を、世論とは少し違った視点から、大学・企業の考え方をデータを使って説明しています。
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なかなか評判になるだけのことはある。
マスコミ等(?)が意識的か無意識かは別としてミスリードしていることの本質が垣間見える。
過去の常識にとらわれていてはいけないということか。
大学も企業も大変。
特に弱小なところが生き残るには本気で発想の転換ができるかどうかにかかっているのだろう。 -
図書館で借りた。
大学卒業時の就職について、データを示しながら分析している。
大学の学生を構成する層が変わっていることを示し、大学生の数が増えたのだから大企業の正規職員になれない新卒が増えるのは当たり前だと続けている。
私立大学入学者の約半数は一般入試以外で入学しているらしい。これでは確かに校風も卒業生の質も変わりそう。
日本は巷で言われるほどに終身雇用ではなく、30歳以降の終身雇用と考えた方がよいようだった。
誰でも20代で2回の転職チャンスがある。これは好況と不況の周期で説明されていた。
著者は社風が自分にあっている企業への就職を勧めていた。人生の1/3くらいを過ごす場所になるのだから、雰囲気が自分と似ている場所の方が長続きするような気がする。
大企業ばかり見ている就活生に疑問がある反面、心情は想像できる。ただ生活する資金を稼ぐ場にそこまで強い思い入れを求める今の就職活動にも疑問がある。著者の勧めるような割り切りのある就職活動がもっと広く知られれば卒業時にそこまで悩まなくてもよくなる気がした。 -
営業成績が悪いと解雇されるというイメージはアメリカ型「就職」の場合で、日本型「就社」では、そうならないとのこと。2,3年ごとにジョブチェンジさせていく日本型総合職についての考察がとても勉強になった。タイトルは、『間違いだらけの就活常識』みたいな方が適していると思う。
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アメリカの大学も日本の大学もしょせんは学者になるための勉強を教える機関。文系卒業生はその大半は営業か事務のどちらかにしか配属されない。
経済学も法理論もそこでは不要。学者にならない人にとっては人生に厚みを増す程度に学んでおけばよい。では何を学ぶのか。ここで社会人実務に寄りすぎると、専門学校との差がわからなくなる。あくまでも大学はアカデミックな存在でなければならない。 -
逗子図書館
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高3の娘が大学に見事合格を果たしたら、一般教養などの選択科目を選ぶ時、就職を考える際に参考にさせたい内容が色々書かれていた。
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課長はクビにならないがおもしろかったので。
第1章学歴のインフレ
私の受験のころはまだAO入試というものもなかったので学内で早稲田の指定校推薦なんか取れる人はかなりの優秀な人っていう印象だったけど、ええっ早稲田一般入試4割か?とびっくり AO入試も成績を重視していない・論文は先生の添削済みってあやしすぎるやろそれ((+_+))でも調べたらAO入試やってないところが少ない。こりゃ会社の採用もくじを引くようなもんだ。今までの受験の勝ち組は①地頭がいい②要領がいい③継続力があるってことで企業もどれかは当てはまるだろってんで採用できたはずなのにね。早稲田も慶応もそれ専用の受験勉強というイメージだったけど変わったもんですね。
社会に通用する一般教養は確かに欲しいね。文学・社会学っていうのだけじゃなくって、地誌・簿記・税務・価格理論・マーケティング・労働法・商法・会社法・特許法・給与・社会保険・年金計算・組織心理・経営文学・商業金融 これはあったらぜひとも受けたい一般教です。大卒の大半は営業が事務っていう現実があるなら必要よね。資料整理・データ入力・営業の実習があればなおよし。
第2章人気企業が危ない
企業のランキングはあてにならないっていうのが分かった。そもそも何年もそこで過ごすつもりならすでに大きいところは結局落ち目ってことに気づかんなあかん。ピン芸人の一発屋みたい・・・学生が顧客視点で就職先を選ぶという視点もうなづける。従業員視点・株主視点というのも必要なのだね。生物・食品・農学部は理系ながら冷や飯を食っているってのが笑える。
第3章 若者はかわいそうじゃない
日本の景気は4年で①サイクル 就職から20代のうちに転職のチャンスが2回ある 終身雇用は4割だが30代までに半分が転職を経験する 30代から転職をするひとはかなり少ない。新卒で不景気なら20代中盤に第二新卒として転職が可能(全く違う職種でも可)景気によっては20代後半に転職のチャンスがやってくることも・・・ただしこの場合経験職種になる。
総合職はなりたい職種ではなく合う職種を見つけやすい。営業・事務・経理・企画など合うところをさがしてくれるシステムがある。これらを経験する間にサラリーマンは変化に適応して業績を上げることを求められる。
職にこだわるとリアリティショック・異動のときに大変なのね。(まあだから看護師の離職率が高いのかも・・・)
とりあえず150人以上の中小企業で就職 ある程度経験を積んで転職っていう道がフリーターや就職浪人よりはるかによさそう。
フリーターは正社員になれなかったのではなく、素質として向いていない人も多いらしい。かつては農業や自営業を継ぐ・工場に勤めることでこのフリーターを吸収していたらしい。うんうん・・・
とりあえず大学はランキングにこだわらず、場合によっては海外の大学も視野に入れつつ選ぶ必要があるのね・・・ -
AO入試、推薦、科目減少などによる大学生のレベルの低下は想像以上らしい。
これは学校だけでなく採点負担の減る私大の教授陣も歓迎したという。ここれを嘆いた、「入試の採点は教師の専門性を高める上での基礎訓練でもあった」とのくだりは面白い。
日本流の「社内再チャレンジ」を評価(この点は彼が徹底批判してる玄田にも共通すると思うが)し、大企業にこだわらず、とりあえず新卒入社し第2新卒での転職という道があると説く。
そのさい人気企業ランキングは当てにするな、社風(知るのは難しいと思うが)を重視し、150人以上の企業なら十分とする。
全体としてはおっしゃるとおりだが、個別ケースでどこまで役に立つのかは疑問。
また、筆者がリクルート社出身ということもあり、公的セクターへの就職についての考察がごっそり抜け落ちているようにも思う。 -
図書館で借りた。タイトルは学歴がまず目に付くので、学歴のはなしかな、と思ったけど、雇用に関すること全般についての本、ってかんじだった。硬すぎず、さらっと読むにはいいかもしれない。そんなに新しい発見はなかった気がする。
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データが豊富で、読みやすかった。
恥ずかしながら受験生時代も大学ランクだとか入試方式だとかに興味が持てず、大学入試がこんなことになっているなんて全く知らなかった。大学生の学力低下もやむなしか。
就職活動について根本から考えさせられた。
社風第一で総合職入社すれば、ローテーションをしながら適性がわかる。いくらやりたい職種があったって配置されるとは限らないのだから当然だ。
不況で不本意入社しても、20代のうちにまた好況がやってくるから、リベンジ転職を考えよ、とは新鮮だった。3年以内にやめる状況が不幸だから、新卒でとことんミスマッチのない就職をしようと不況の中がんばることが不幸なのかもしれないと思った。
玄田有史さんの本を並行して読み始めたところだったので、「大企業に入れない若者カワイソウ」という価値観自体が古いと批判されていたのが印象的だった。
自分の頭で考えてみます。 -
大学は学生数を増やす為、偏差値を上げる為受験科目を減らし、一般入試枠を減らす。その事で偏った知識しかない学生が社会人に多くなっている。
企業にとおてもかつての学歴が丁度いい。
①ゆほど地頭がいい
②頭がそこそこなら要領がいい。
③継続的に腰を据えて勉強できるなど。企業内では有効な力となる。 -
クンデラの『存在の耐えられない軽さ』が手元に見当たらなかったので、むしゃくしゃして代わりに読んだ。当然ながら代わりにはならなかった。
前半は学歴の話。大学の入学者が激増しているため学生のレベルが下がっているという話。後半は就職の話で、大企業じゃなくて中小企業に目を向けろみたいなことが書かれている。
全体的に「なんでこんな簡単なこともわからないんだよ」という侮蔑的なメッセージが全体に漂っているが(別にそれ自体は問題ない)、それでいて後半には「ん?なんか言っていること矛盾してないか」という部分も。具体的に言うと、中小企業に目を向けろと言いつつ、とりあえずどこでもいいから正社員になって、好況期にもっと大きな会社に転職してキャリアップだとも書いている。
でもまあ、「ふむふむ」という内容ではあった。60分もあれば読める。-
2012/01/11
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2012/01/11
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140.10.3/10 2刷、並、カバスレ、帯付。
2011.9.11 伊勢BF