カワサキ・キッド

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 168
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507563

作品紹介・あらすじ

初めて語るおいたち、運命の出会い、そして、いま、帰る場所は-。「ヒガシ」、ありのままのモノローグ。

感想・レビュー・書評

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  • ニュースキャスター、音楽番組の司会者として思い切った発言をしている東山さん。彼のありのままのモノローグが本になっていると知って購入。
    彼の生い立ち、交友関係、少年隊への思いがつづられていて興味深い。
    ありのままの自分でをさらけ出すためにも原点であるカワサキを訪ねたんだろう。
    社会的弱者への眼差しが温かい。

  • ★結婚直前までの半生★バッド・ホップでも話題になった川崎駅近郊の川崎サウスサイドで育ったという。貧しかった少年時代は若いころは若いころには人には話せなかったという。44歳での結婚を前に自分を振り返ろうと雑誌に連載を持ったのだろうか。
    道を踏み外さずに世に出て芸能界に残り続けられるるのは、本人の根っこに規律があるからなのか。はしの美しい使い方はどこで身に着けたのだろう。しかしジャニー喜多川はよくこんな場所にまでスカウトに来たなと思う。子どもを見抜く力は何だったのか。
    幼少期や若いころの話は、のぞき見の要素だけでなく時代の記録としても面白い。ヒガシが少年隊でアイドルとして売れたのは極めて短い期間で、実質的な活動は役者だったんだ。大きくなってからの感想はうーん。「あるテーマに興味を抱くと、ついいろいろ調べたくなるのが、子どものころからの僕のくせだ」といったくだりは、調べた内容がそこまでではないだけにかえって底の浅さを感じさせるのがもったいない。

  • 心臓の鼓動、リズム感は人それぞれ違う。テンポの速い人が遅い人に合わせるのは、寛容さを要するがとても重要。
    東山さんの自伝。人となりがよくわかる。独身なのもよくわかる.

  • 苦労した生い立ちだったのね。両親の離婚、母親の再婚、暴力を振るう義理の父親、、物語ではなくて本当にある事なのね。そして、芸能界での大御所の方々との遭遇。全ては東山君がキチンとやってきたからこその巡り合わせだと思う。どの世界でも人とは丁寧に付き合ってゆき、勤勉にと言う事やね。頑張れ、東山君‼️

  • 少年隊の東山紀之さんのエッセイ。川崎の貧しい家庭で育ち、芸能界で知り合った人たちから、いろいろなことを学んできた半生が綴られている。
    彼の語るちょっとしたひとことが、「人生って、確かにそうだよな」と思わせてくれる作品。ぼくたちがブラウン管を通じてよく知っている芸能人たちが登場することもあり、愉しく最後まで読み進められる。未来に悲壮感を抱いている人にも、「頑張れば自分にも、何か可能性があるかも」と思わせてくれるエッセイ。

  •  「少年隊」の東山紀之の自伝エッセー。高度成長後、1960年代末から70年代にかけての工業都市の周縁地域における生活証言(貧困や差別や公害)として、さらに1980年代のジャニーズ事務所におけるタレント育成システムの当事者証言としての史料的価値がある。在日コリアン、沖縄人、被爆者、アメリカ黒人、身体障碍者など立場の弱いマイノリティに対する深い共感を示している点は特記されるべきだろう。

  • わたしはリアルタイムのたのきん世代。トシちゃんのことはわりと好きだったけど、そんなに熱烈ではなかった。
    たのきんのあと、シブガキ隊が現れ、それから少年隊、という順番だったと思うので、少年隊デビューの頃はわたしはもう大人で、アイドルには興味はなかった。
    なので、ヒガシにもそう関心はなく、顔立ちは整っているが、冷たそうな印象だと思っていた。あと、やたら森光子と仲がいいのも不思議だった。
    そんなヒガシがここ数年気になってならない。中学生の娘もヒガシが好きなので、もはや親子でファンを自認し、周囲にもそう触れ回っている。
    その理由は、彼の人並みはずれたストイックさと努力ぶりに、敬意をはらうようになったからだ。時代劇の月代姿が美しいのも大きい。
    ヒガシが「週刊朝日」に自分の生い立ちを綴るエッセイを発表したことは知っていた。
    読んでみると、苦労した生い立ちであるとは聞いていたが、相当なものである。普通なら、グレて道を外してもおかしくない。
    だが、ヒガシはその経験をすべてプラスに転じた。人一倍努力し、家族や人間関係を大切にし、芸能人のプロとして身体と精神を常に管理し、知性を磨くことに務めている。
    読んでいる最中、ヒガシのあまりの立派さに、こうべが垂れる思いに何度も捉われ、甘ったれた自分の半生を自省させられた。
    もう、ますますファンである。というより、尊敬の域である。
    木村佳乃さんとの間にはお子さんも誕生されたとのこと。お幸せを祈るばかりだ。ヒガシならきっとよい家庭を築けることだろう。

  • 「これって、自分史だなあ」と、思わず呟いてしまうような本に出会いました。

    少年隊の東山紀之氏が、生い立ち、ジャニー喜多川氏との出会いから現在までを描いた『カワサキ・キッド』。

    少年隊としてデビューしてからの出来事は、トーク番組で聞いたり、芸能ニュースで目にしたりで、なんとなく知っている印象があります。
    ストイックなヒガシ像をこの本で再確認しました。

    耳目に新しいのは、ジャニーさんにスカウトされるまでの小学生時代。
    さらに、ジャニーズ事務所に入ってからもなかなか芸能界に入る踏ん切りが着かない中学生時代のことでしょう。
    さまざまなエピソードがあります。

    赤ん坊のとき、父の不注意によって足に大やけどを負ったこと。
    酒乱の父の暴力から逃れて、ヒガシと三歳年下の妹を連れて母が離婚したこと。
    母子家庭の負い目を感じながらも、母は理容師として働きづめに働き、ひと際厳しく息子を育てたこと。

    川崎市のコリアンタウン近くのアパートに住んだ東山一家は、典型的な昭和の母子家庭です。

     近所に日本名を名乗り、焼き肉店を営む朝鮮人母子が暮らしており、僕より二つ上のおにいちゃんがいた。
     ある日、そのおにいちゃんと僕が喧嘩をして、僕が投げた石が向こうに当たったとかで、母がそのうちに謝りにいった。
     ところが、それがきっかけとなり、その一家とうちとは一気に仲良くなった。
     女手ひとつで子どもを育てる母親同士、話が合ったのだろう。
     親が仲良くなると、子供たちもすぐに仲良しになる。
     僕と妹が毎日、お宅にあがり込むと、おばちゃんはいつも店の豚足を食べさせてくれる。
     僕たちはそれにかぶりついた。貧しくてお腹をすかせていた僕たちは、あのころ、あの方たちがいなかったら、どうなっていただろうと思う。

    ヒガシが語るエピソードの数々が、長じてグレて、極道になった男の少年時代だと言われても違和感ないもののように思えます。
    なぜ、これを経験して、自堕落な大人にならずに、まったく逆に、ストイックでプライドの高い、現在のヒガシが構成されるのか、それが不思議に思えてなりません。

    社会を恨み、金持ちを妬む。
    そういう心の動きが自然でしょう。でも、ヒガシ少年は、それらネガティブなエネルギーをすべて、自律に向かわせるのです。
    いまの東山紀之は、少年時代の選択によって、できあがっているのだなあと、納得させられました。

  • 東山紀之さんの生い立ちから今に至るまでの成長過程や考え方が率直に書かれている。

    私自身著者に対しクールで上品なイメージを持っていたが、生い立ちは決して恵まれていたとは言えず、多くの苦労をなされてきたことがよく分かる。

    しかしその中でも真っ直ぐに生きてこられた著者の姿勢や考え方にとても共感を覚え、尊敬心を抱かせてくれた。

    特に幼い頃コリアタウンで在日朝鮮人に世話になった話や、朝鮮学校の無償化除外を悲しむ部分などは在日朝鮮人である私にとって親近感と感動を与えてくれた。

    ただの芸能人本でなく、とても清々しい良書である。

    今後、自分は東山紀之ファンだと堂々と言いたくなった一冊。

  • キラキラした世界の人ですが、やっぱり真面目なんだなぁと思いました。この世界に入っていなければどんな人生になったのか、そう思ってしまいました

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