聖なる怠け者の冒険

著者 : 森見登美彦

• 朝日新聞出版 (2013年5月21日発売)

感想・レビュー・書評

[tanusuke99さんの感想 · 2014年4月29日]

久々の新作を読む。相変わらずの森見ワールドである意味どれを読んでも同じに感じてしまう感はある。
でもこれは良い意味で、読まなきゃいけない矯正力がない作品。肩肘張らずに読める小説。読んでも全く身にならない。素晴らしい作品だと思う。
いままでの作品とかのリンクもあり、楽しめたりと怠け者な私でも二週間位で読破しました。

[pluethetruthさんの感想 · 2014年4月15日]

怠け者の主人公の周りで起きる数々の出来事。
出てくるキャラそれぞれに独特の個性があり、各々の絡み具合が面白い。
固定概念のない言葉の数々を楽しみつつ、読者と作者が共に物語を見ているような作品。

どうか主人公と共に休日をのんびり過ごしつつコレを読もうじゃないか。

[atsukoさんの感想 · 2014年4月13日]

表紙がすごく素敵で購入しました。主人公が物語を進めていくのではなく、周りが動いていくことで物語が進んでいく新しい本です。狸やテングブランなど、それだけでワクワクする言葉が散りばめられています。話も面白かったですが、表紙や挿絵などがかわいくてかわいくて…！！

[七瀬やなさんの感想 · 2014年2月9日]

　主人公は本当に前半は怠惰を貪っている。座布団の海に浮かんで、夢をいくつも渡っていく。後半はなぜか冒険に繰り出し、宵山の夢と現実の堺を、デンキブランに浮かれながら漂っていく。
　なにかが起こるわけでも、なにかが解決するわけでもない。でも、なんだかそれでいいと思う。タヌキに化かされていても、ぽんぽこ仮面に踊らされていてもいい。それが宵山の夜だから、誰でも浮かれて冒険したっていいじゃないか。

[8atchanさんの感想 · 2014年2月6日]

宵山の日。ぽんぽこ仮面を捕えようと、京都の街が動き出す。
追われるぽんぽこ仮面に、追う謎の組織。
主人公にしてほとんど寝ている小和田君、動かない探偵、土曜日に情熱を注ぐカップルなど、出てくるキャラクターが曲者で、シュールだった。

感想を一言で言うと、しっちゃかめっちゃか。
宵山の1日を描いた話だけど、読み切ったときには、大冒険した気分になる。

京都の通りの名前がいっぱい出てくるので、地図を片手に読むとわかりやすい。

[しろかぎさんの感想 · 2014年2月1日]

ぽんぽこ仮面よ永遠なれ。
フジモトマサルさんのイラストが森見さんに実にマッチしているなあ。
新聞オリジナルが楽しめるという【挿絵集】もぜひ読んでみたい。
しかしそろそろモリミ―ワールド相関図が出てもいいと思うのだ。

[べっきさんの感想 · 2014年1月24日]

小和田君にぽんぽこ仮面、恩田さん、桃木さん、所長、浦本探偵に玉川さんにアルパカ（五代目）。
小和田くんと所長の言葉にものすごく共感。

[相田さんの感想 · 2014年1月8日]

トトロに買ってもらった。
主人公の小和田君は、週末をいかにぐうたらに過ごすかに生きがいを見出す会社員。
しかし、京都の街を守る正義の味方・ぽんぽこ仮面に、二代目の引き継ぐよう迫られ、怠け者小和田君はそれを断り続ける日々が続く。
一方で、ぽんぽこ仮面を捕らえようとする人物も現れ…。

週末をいかに充実したものにするかに生きがいを見出す小和田君の先輩・恩田さんと、その恋人桃木さん、世界一の怠け者探偵・浦本探偵、その助手であり大学生の週末探偵・さん、小和田君たちの上司・所長など、多彩な人物を巻き込み？巻き込まれ？狸と達磨が飛び交いながら、宵山の京都の街を大冒険する、森見ワールド満載の長編もの。

・毛玉愛。
・「所長の驚くべき依頼はまた別の物語」→続編ある？？
・語り手は登場人物内の誰かであったのか、それとも単なる語り手であったのか？

[tonpeiさんの感想 · 2013年12月26日]

待ってました新刊!!妄想ばんざい！＼(^^)／モリミーの世界にどっぷり浸らせてもらいました♪妖しい宵山で繰り広げられる大冒険(^^)ステキにかわいい狸のお面をつけた ぽんぽこ仮面、怠け者の小和田くん、アルパカにそっくりの五代目などなど愛すべきキャラがたくさん登場(*´∇｀*)♪ぜひオススメしたいけれど、妄想ダメな人には全く受け入れられないのが悲しい(--;)

[ahiruさんの感想 · 2013年12月22日]

今までの色々な森見登美彦ワールドの重なりある正に巨大交差点。

世のため人のため、困っている人を救う怪人ぽんぽこ仮面。
土日を満喫することだけを考えるアグレッシブ恩田カップル。
土日は家でゴロゴロと惰眠を貪りたい怠け者主人公小和田くん。
など。

物語を読む中で、今までの森見さんの作品に出てきたいろんな人・人の影がちらちら。そういうのをかき分けかき分け、二日間をなかなか怠惰には過ごせない小和田くんの大冒険。まさしく「聖なる怠け者の冒険」。
実に痛快で不可思議でファンタスティックで面白かったです。



誰だって、人に感謝されたい。何かを残して死にたい。
でも、誰だって心のなかに怠け者の自分をもっている。
怠けて何が悪い。

ストレスで体調を崩して以来、最近はずっと陰鬱気味だったのだけれど、もっと自分を甘やかしてもいいのかもしれないと思った。私の中の怠け者の声に耳を傾けてやればよかった。もっと緩く生きようと思った。

著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」