日々のあれこれ 目白雑録4

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著者 : 金井美恵子
  • 朝日新聞出版 (2011年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508645

日々のあれこれ 目白雑録4の感想・レビュー・書評

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  • 「一冊の本」は、ほぼ「目白雑録」だけのために定期購読していた。届くと真っ先に読んでいたのに、連載が終わってしまってがっかり。単行本の方を時々開いて、飢えを癒やす。ニヤニヤしたり、ヒャーッとのけぞったり、楽しんで読んでいる中からいくつか。

    少し旧聞に属するが。オリンピックの東京招致に「失敗」した当時の知事石原慎太郎が、「自分の人生の中で非常にいい経験をしました」と述べたのに対して、「とても『知事』の発言とは思えない」「あなたの人生の経験についての感想を質問してるわけじゃないんですよ」「いつでも自分が主役だと信じる人物の自己愛の鈍さにまたもやびっくりしてしまう」と。そう、この人ってほんとに「鈍い」よね。そこが大物。

    たばこを1箱1000円にしろという嫌煙運動の意見広告に対して、日本たばこ産業広報部が「たばこは合法の嗜好品」と反論したことについて。
    「負け犬の遠吠えなどではなくキャンキャンと情け無い尾を巻いての悲鳴」「合法などという言葉まで持ち出して、これはこれでさもしいではないか」「古風に言えば、お上の許しを得ている女郎屋の亭主である」 いやまったくその通りです。

    ジャコメッティが彫刻のモデルにしたことで知られる、矢内原伊作の〈実存主義的インテリ風〉風貌について。
    「細長くて顔にシワがいっぱいあって髪の毛がもしゃもしゃしていて、後年テレビでブッシュマンのニカウさんがアイドルになった時、私は矢内原の顔を思い出したのだった」 つい笑ってしまった。

    ある女性デザイナーのファッションを見ると「赤線地帯」という映画を思い出すという。それは首に巻いているスカーフのためで、「遣手婆ァを演じていた浦辺粂子と、年を取って派手な花柄の着物を着て身を売る三益愛子を思い出させ」「実に奇妙な印象なのだ」「ノドの弱い年取った女という印象である」と。私も、ここのところオバサンの定番化しているスカーフが苦手なので、我が意を得たりという感じであった。

    村上春樹のあの「卵のスピーチ」にも、それを絶賛した内田樹の文章とともに、フン!という調子で言及されている。私は少し前に、村上作品に対してある一般読者が、「なんでいつも被害者ヅラ?」と感想を書いているのを見て、おお、これだ!と膝を打ったことがある。そう、村上春樹って良くも悪くも「世界に対する被害者」の立場で書いていて、そこが大きな魅力であり、また、ちょっと鼻につくところでもあるのではないかなあ。金井氏は大して問題にもしてないという書きぶりで、クールである。

  • これは近いうちに文庫化されそうな予感がしつつも、久々に足を運んだマルノウチリーディングスタイルで発見したので購入。
    世の中のことやサッカーのこと、そしていつものように映画のこと……小気味良い文章で語られている。
    本編より『附録』の方が凝縮されているような気がして面白かった。

  • 著者の身のまわりの話題について、結論を出すでもなく、縦横無尽に目線を飛ばしながら語られた本。
    知識や趣味のにじみ出た正直な言葉に、痛快さを感じたりそうなのかと思ったり。
    ひまをつぶすのにすごくいいです。

  • この意地悪だけれどおかしみのあるエッセイをあとどのぐらい読めるのだろうかとつい考えてしまう。

    それは余計なお世話というものだということはわかっているのだけれど。

  • ほとんどを雑誌連載の形で読んでいる。昔の話が面白い。博覧強記だなぁと感心する。


    目白雑録という名前ははこれで終わりらしいが「小さいこと 大きいこと」を連載中。

  • 金井美恵子さんが書かれると、「バカ」でも「馬鹿」でも、なんて底なしの悪口なんだろう、と思ってしまう。(*^_^*)
    文壇の大家だろうが、一癖も二癖もあるような書評家たちだろうが、町で出会った人々であろうが、金井さんの手にかかると、その勘違いぶり、脳みそのつるつるぶりが、笑えて笑えて。。。。

    お若いころのとんがった印象とはまた違って、穏やかに(*^_^*)年を重ねておられる金井さんは、周りの「馬鹿」さ加減を言い現わす技も、なんというか、名人芸に巧みになられて、これはもう、たまりませんな、なんですよ。
    そして、こんなバカばっかり!の社会に住んでおられて、金井さんがイライラしておられるか、というと、案外、涼しい顔をされているのも、なんか可笑しくてね。

    あんまり面白いから、ちょっと引用しようかと思ったのだけど、言葉を畳重ねてゆっくりと罵倒(*^_^*)しておられることを発見し、断念。

    代わりに、微笑ましいお話として、旧友の野坂昭如さんに久々で会った時、
    駅の階段で超ミニのスカートから素足の太股もあらわな女子高校生たちの集団を見ても、今やもう何も感じないから、文字通りの無駄足、と言っていた、

    という部分を引用します。
    これは、野坂さんの言葉であって、金井さんの「芸」は何も入っていないのに、ただこれだけで、金井さんと野坂さんの古くからの友人関係、2人の間に流れる空気がよくわかり、また、ここのところ表に出てきておられない野坂さんの今、までうかがい知れる、という面白さが、やっぱり、金井さん、やるじゃん!ということで。

  • 相変わらず冴え渡る。
    毒舌、と言ってしまっていいだろうか?

    まあ、罵倒したい時というのは、対象への悪感情のみが増大して、どう言ったら最も効果があがるか、完膚なきまでに叩きのめせるかなど、大抵の凡人は面倒くさいやら頭がついていかないやらで考えることもしない。
    結局は「バカ」とか「うざい」とか、ここ何年かはもっぱら「死ね」、という、最も情けないひくーい罵倒でオワリ(=思考停止)というのが、ネット上でもまた近隣の若年層(に限らないな)にも見かける罵倒の方法である。

    そんな「おまえのかあちゃんデベソ」レベルの罵倒は、見ている(聞いている)ほうも辟易して、どっちが「バカ」かね、と一向にスッキリなぞしないんである。

    そこへいくと、この人の罵倒・悪口は徹底的である。理屈の棒で隅までつついて、隙を与えない。
    今回も大いに溜飲を下げる。
    読んでて楽しい悪口というのは、相当に高レベルであると言っていい。

    それにしても、地震の折に、落ちてきた本で怪我或いは不幸にして亡くなるということが時たま起こると、本読みの人々は少なからず「明日は我が身」の思いで身構えるわけである。
    私の場合それは本で死にたくないとう恐怖ではなく(むしろ本望…?)、じゃあ自分は何に怯えているのかと思ってきたのだが、
    「絶対にこいつの本で圧死はしたくないという本がある。」
    の一文でスッキリした。
    そうなのだ、こいつの本でだけは死にたくない、怯えの正体はこれだったのだ。。。
    と、またしても溜飲。

    今回はなぜソフトカバーなのかしらん?

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日々のあれこれ 目白雑録4の作品紹介

あれから、世界は変った。と、言うけれど…小さな神話が泡のように弾ける世界で-冴え渡る意地悪さ。

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