青銭大名

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.17
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本棚登録 : 48
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509277

作品紹介・あらすじ

織田は、一代にして成らず-。貨幣経済という新しい"軍事力"をもって天下統一の礎を築いた信長の父・信秀の生き様を、博覧強記の著者が、実史料を下敷きに自由闊達に描く。

感想・レビュー・書評

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  • 織田信秀の軍配者意足法師を主人公にした小説。今川氏豊への謀略、守山崩れや農耕主体の時代に貨幣経済へと転換しその後の織田家の礎を築いた信秀。

  • 信長の父・信秀を描いた歴史小説かと思いきや、信秀の軍配者として追従していた意足法師の目線で描いた物語。意足が実在の人物だということに驚いたが、信秀、信長、そして家康と渡り歩いたその生涯は、なぜ無名だったのか、と不思議になる。それまでの価値観が変化していく境目だからこそ起きる衝突や矛盾が、しっかりとした時代考証で描かれていて、非常に奥深い体験をさせてもらった気分になる。最後まで種明かしをしない構成力と、謎が解明された際の驚きにはアッと言わされた。

  • 信長の父、信秀の軍配者「意足」の物語。
    不思議な縁により師となる意外坊と知り合い、織田家に使える。
    家康の父、松平広忠との戦いまでのお話し。
    なんとなく淡々と読み進められた。

  • 博覧強記ぶりを示し過ぎて、いくぶん物語としての愉快さが乏しい。そもそも、意足の語り具合からして、作者自身が信秀を好いていないのではなかろうか。

  • 織田信長の父である織田信秀について、軍配者として追従していた意足法師の目線で描いた作品です。

    意足法師については作中にも解説がありますが、ただの怪しげな私度僧ではなく、様々な書籍に記録が残る人物のようで、織田信長や徳川家康にも関連があるようです。

    ただ、この本では、織田信秀に関わるところだけを記述しているそうです。
    タイトルにある通り、経済の先見性があり、商業都市を次々に傘下に収めて、税収を増やしたり、その銭を買収に使用し、敵を寝返らせたりと、お金をうまく使う場面がいっぱい登場します。

    ↓ ブログも書きました
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-0f59.html

  • 織田信長の父、信秀はどうやって勢力を拡大したのか。
    信秀の軍配者・意足(いそく)の目を透して描く。
    「銭は兵を養う力を生む。強兵を育てれば所領が広がる。そして、さらに銭を生む」

    ▼▼図書
    内容紹介 織田は、一代にして成らず-。貨幣経済という、新しい「軍事力」をもって天下統一の礎を築いた織田信長の父・信秀。その生き様を、実史料をもとに自由闊達に描く。『朝日新聞』連載を加筆修正し単行本化。
    著者紹介 1951年神奈川県生まれ。國学院大学経済学部卒業。「大砲松」で吉川英治文学新人賞、「狙うて候」で新田次郎文学賞を受賞。ほかの著書に「魁偉なり」など。

  • 織田信長、今川義元、徳川家康等、我々が良く知る元亀天正の戦国時代より一世代もしくは二世代遡った1500年代前半、織田信秀の物語。出だしは上々、「国盗物語」の斎藤道三編を思いおこさせる、意足坊(実在の人物?)の諸国漫遊、妖かしの術、名を売る為の決闘、そして幻術使いの娘(やっぱり美人)。これは面白い、期待出来るかも!?と思ったが後半はやや尻すぼみ。司馬遼太郎には遥かに及ばず。これからに期待!

  • 主人公たちはまあいいのだが、武将たちにもっと個性があってもいい気がした。特に信秀は準主役なのだから、もっとキャラ立ちさせて欲しかった。

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著者プロフィール

東郷隆/横浜市生まれ。国学院大学卒。同大博物館学研究員、編集者を経て、作家に。詳細な時代考証に基づいた歴史小説を執筆し、その博学卓識ぶりはつとに有名。1990年『人造記』等で直木賞候補になり、93年『大砲松』で吉川英治文学新人賞、2004年『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』で新田次郎文学賞、12年『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一賞を受賞。その他著書多数。

「2022年 『妖変未来記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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