七夜物語(上)

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著者 : 川上弘美
  • 朝日新聞出版 (2012年5月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509598

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七夜物語(上)の感想・レビュー・書評

  • すごく引き込まれて、一気に読んだ。
    タイトルの『七夜物語』は、作中で主人公の「さよ」が図書館で出会う本のタイトルでもある。
    それは読んでも読んでも、本を閉じると内容を忘れてしまう不思議な本。
    ちょっとしたきっかけでクラスメイトの頼りない仄田(ほのだ)くんと忍び込んだ近所の高校の特別教室が不思議な『七夜物語』の世界につながり、さよと仄田くんの夜の世界への旅が始まる。

    夕暮れに留まりおいしそうな料理を作る大ネズミのグリクレル。
    夜を呼びよせる正体のわからないミエル。
    さよと仄田くんを飲み込もうとする濃いはちみつ色の謎のかたまり。
    現実のさよを取り巻く家庭環境や、仄田くんのちょっと歪なものの見方・諦め方……ふたりの心の揺れが、たどり着く夜の世界を形作ったり、夜の世界が現実に影響したり。

    下巻の展開がどうなるのか、いますごくどきどきしている。

  • 私の中でちょっぴり苦手な分野の作家さんの一人でもあり、「蛇を踏む」以来の川上さん。


    川上さんの作品というよりも酒井駒子さんの絵本を小説にしたような世界観だよねー…とか生意気な事を思いつつ読み始める。

    「七夜物語」は本の中に本が出てきての二重三重構造。最初はだるい感じだったけど、「二つの夜」からは、加速してぐいぐいとページをめくるのが止まらなくなりました。大人のためのファンタジーだと思いました。

    とにかく出てくる小物やら風景すべてが懐かしくってジーンときてしまいました。校内でのおはじきや黒板叩き、当番や掃除…。ちょうど小学校中高学年の風景がふわーっとよみがえりました。


    今はね…、危険や事故防止のため放課後は部活以外居残り禁止、学校内には勉強で使うもの以外の持ち込みは一切禁止、トイレ掃除は業者に…など、何でも排除、排除。あれもダメこれもダメで、勉強、勉強、学力、学力で本当にこれでいいのかな…と思うことが、とても多いです。自分たちが子供の頃はいじめとかは確かにあったけど、もう少し学校自体が楽しかったような気がするんだ。

    さよと灰田くんの課題と、それを乗り越えての成長がまぶしい。下巻が楽しみでなりません。酒井さんの挿絵がまたたまらなくいい♪迷ったけど下巻も時間差で借りてよかった。上下巻一気に通し読みがいい。

  • 朝日新聞連載中、続きを早く読みたくて
    恋人からの手紙を待つ少女のように(あくまでも脳内イメージ)
    郵便受けの前で、新聞を待ってました。

    閉じた瞬間に、読んだ内容をすべて忘れてしまう本。
    本が大好きで、もの静かだけれど、芯のつよい少女さよ。
    過保護なおばあちゃんに育てられた、自尊心の強い少年、仄田くん。
    ふたりが知らず知らずのうちに足を踏み入れる、「夜の世界」。
    怠け者には手厳しいけど、頼りになる大ねずみ、グリクレル。
    動き出す、手提げ袋や、ちびエンピツ。

    こどもは、目を輝かせてワクワクドキドキと
    大人は、ちょっぴりの苦さと切なさと懐かしさを抱えながら
    大切に味わいたい、素敵な本です。

  • グリクレルが好き。

    ちびえんぴつも好き。
    ウバはようわからん。

  • 川上弘美さんだー!
    児童書だ!?
    酒井駒子さんだー!?
    中見たらさらに駒子さんの絵が大量で…
    (新聞連載だったのですね、すてきだー!)
    お話もぐいぐい。
    川上さんの文章はもぐもぐできるのでとても好きです。
    もろもろの事情がありますね。
    もろもろ。
    昔の子は今よりももっと居心地がわるかっただろうなって
    今の子も、あっ。て思うこといっぱいあるだろうな、って
    いろいろ考えながら、
    大事に読みます。

  • 川上弘美さん初の子供向けファンタジー小説は、大人でも子供の頃に戻った感覚を充分に満喫できるストーリーになっている。
    さよと仄田くんが図書館で借りた「七夜物語」を実体験していくというワクワク感、エプロンねずみグリクエルと出会うところから一つ目の夜の物語がはじまるドキドキ感は何十年ぶりに味わうものだった。
    現実の生活とちょっとずれている生き方しかできない仄田くんが三番目の夜の物語あたりから、ちょっとずつ頼もしくなってくるところがほほえましい。
    ちなみに今から四十年前くらいの時代背景で、さよも仄田くんも片親だ。そんな設定は川上さんらしい感じがする。

  • 非常にドギマギするさよと仄田くんの冒険。
    夜の世界はとても怖い。
    それなのに二人は五つめの夜の世界に軽やかに飛び込んでいく。
    すごいなぁ‥、がんばれ!
    無事に帰ってくるんだよ!ということで下巻につづく。

    最初はワガママな子に思えた仄田くんのことが少しずつ好きになってきた。
    いろんな気持ちが心の中に隠されているんだよなぁ、なんて当たり前のことをしみじみと考えてしまう。
    さよのお母さんとお父さんのこともとても気になる。
    「また、会おう」の約束が果たされますように。

  • ページを開くだけで文章としてではなく映像のようにスルスルと頭に入って来る。読み易い。挿し絵がたくさんで嬉しいのですが、小さくて残念。
    駒子さんの絵で、ストーリーもシンプルにして絵本にならないでしょうか?

  • とても懐かしい気持ちになる。
    「ポールのミラクル大作戦」やら「デブの国ノッポの国」やら柏葉幸子さんの地下室のあの本とか、「青い鳥」「ナルニア」「はてしない物語」と様々なお話が頭をよぎる。
    時代背景が自分の子供のころだというのもあるけれど。

    お母さんと暮らす、鳴海さよ。
    お父さんとおばあちゃんと暮らす仄田鷹彦。
    さよは4月から仲良しのあかりちゃんと別のクラスになって、友達ができないでいた。
    仄田くんはいつも本が友達。
    さよは図書館の片隅で「七夜物語」の本を見つける。触るとピリリとする不思議な本との出会い、それは、さよと仄田くんが夜の世界に入りこむことになる鍵だった。

    おばあちゃんにいつも守られ、お世話をされている仄田くんにヒヤヒヤしつつ、不安を胸の底にしまって笑顔を作るさよに寂しさを感じて。
    二人の危うさが夜の世界で、だんだんと顕になっていく。
    つい口笛を吹いて警告したくなる。
    でも本人が気付いて変わらなくちゃなんだろう。
    夜の世界の全貌は下巻へ。

  • まず装丁がとても綺麗であること、高校の時の司書さんが次に読みたい本としてあげていたことがこの本との出会いのきっかけでした。なぜか無性に物語が読みたくて探していたときに改めて出会い、いま読むしかない!と思ったからです。
    とても読みやすくて、文章も綺麗で流れるように物語の中に引き込まれていきました。小学四年生のさよちゃんと仄田くん。それぞれの個性があってとてもおもしろいです!四年生にしてはどこか考えが大人びてるところもあれば、ふとしたところで見せる無邪気な子どもの顔に次はどんな夜を乗り越えて2人が大きくなっていくのかが楽しみで仕方ありません。
    小学生という純粋な時代の自分を思い出しつつ酔いしれながら下巻を読み進めていきたいです。

  • 鳴海さよと、仄田くんの、夜の世界への冒険物語。
    『七よ物語』という本を図書館でさよが見つけ、夜の世界へ巻き込まれるのだが、その中で彼らは成長し、世界は少しずつ変わっていく。
    本を読んだあとに内容を思い出せないように、彼らの冒険も終わったとき、彼らの記憶から消されてしまった。
    しかし、彼らは時々、思い出す。何かを見たとき、体験したとき、または夢の中で。
    さよと仄田くんは、実は自分たちででもあったかもしれない。

    「こよなくなつかしいそのメロディを、夢がさめえしまえば、さよはもう思い出すことができないけれど、その夢をみたあとは、さよは必ず、深い幸福感と、かすかなせつなさに包まれるのである。」

  • ミヒャエル・エンデのネバーエンディングストーリーを思い出した。

    子どもにも読みやすい、少年と少女の成長物語。

  • 登場人物と自分の子供時代がほとんど同世代のせいか、懐かしさもあり、夢中になって読みました。
    忘れてしまっていた、子供の頃の胸中を思い出し、切ない気持ちになりました。
    酒井駒子さんの挿絵もとっても素敵。

  • 児童書だけどそうは思えないほど満足できた。もっと自分が小学生のときにこの本があればよかったなあと思う。下巻にも期待。

  • まるで自分自身の感性を問われているような作品。 子供から大人になる狭間にあるすきまに刺さった感性を一度抜いてみてまじまじと見つめて見る。 その剣の様に尖っていた感性が今は錆び付いてしまっているのか、それともまだ光り輝く光沢を持っているのかを推し量れる作品です。

  • 大人しいさよと、おばあちゃん子でひ弱な仄田くん。
    本が好きな小学4年生の二人は、ひょんなことから夜の世界へ入り込んでしまいます。
    さよが読んだことのある、不思議な『七夜物語』に出てくる、大ねずみのグリクレルが何故かそこにいて……

    現実と夜の世界とが交錯し、戸惑う二人ですが、だんだん腹の座った強さを身につけていきます。

    それぞれが抱える現実の問題に打ちのめされそうになりながら、
    一歩を踏み出そうとする彼らが逞しく感じます。

    さてさて!五つ目の夜に突入です!
    どんなラストが待っているのでしょうか…?

    酒井駒子さんの装丁と挿絵が素敵です。

  • 上下共に

    児童書にくくられているが、大人が読んでも十分いろいろ考えさせられる。
    内容が深くて濃い。
    そして、とても美しいと思う。
    また、時を置いて読み返したくなる本。
    添えられている酒井駒子さんの絵がまたとてもいい。

  • プラネタリウムは眺めたり、眠ったり、
    恋する人と並んで座ったり、
    人に隠れて意気消沈するためにあるのか。
    久しぶりに行ってみたくなったな。

  • 表紙の装丁が素敵で読んでみました。
    川上さんの作品は初めて読むけど、主人公の「さや」が教室で浮いている男の子「仄田君」と一冊の本をきっかけにして、夜の世界で冒険をするお話し。

    児童文学にしてはとらえ方が難しいところもあって、子供が読んですごく好きになる話なのかは疑問(何歳からを想定してるのかわからないけど)
    どちらかというと大人や中高生くらいが読むのにちょうどいいのでは。

  • 上巻ですが、児童向けというより、かつて子供だった大人向けの児童書ですね。
    懐かしい、不思議、照れ臭い感じ。
    いわゆる空気読めない少年の書き方がうまい。
    今だと、こういう子供は病気と判断されるんだろうなあ。
    でも、どこまでが個性でどこまでが病気なのか、判断するのは難しい。
    たぶん、三文安のため、人の気持ちを考える訓練がまったくできていないんだと思うんだが。
    それで苦しむ彼の内部の葛藤の書き方うまい。
    自己中で勝手なんだけど、哀れに見えてくるのも事実。
    後半はどうなるのかな。
    娘さんのママの書き方もいい。特にママの恋愛。カッコ悪くなるお母さん、もやもやする少女の気持ちはわかる。
    おばさんもいい。常識人って本当に貴重。

  • 10歳の女の子と男の子の冒険と成長の物語なのですが、ファンタジックなRPG的世界ではなく、現代版おとぎ話的な展開が地味と言えば地味でやや盛り上がりに欠けます。疑問文が"?"で終わらない文体にも違和感あり。

  • ちょいちょい大人目線の、説教の気配があるが、まあまあ良いかんじのファンタジー。第五夜の前半までが上巻に入ってる。

  • 上下合わせての、コメントという事で。

    なまなかな物語ではない。
    胸の奥に、ぐっと入り込んでくる。

  • 人間社会とか、世界平和とか、善悪の区別とか。そういったことに関心を持ち始める思春期の少年少女たちに読んでもらいたい。

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七夜物語(上)の作品紹介

小学校四年生のさよは、母さんと二人暮らし。ある日、図書館で出会った『七夜物語』というふしぎな本にみちびかれ、同級生の仄田くんと夜の世界へ迷いこんでゆく。大ねずみのグリクレル、甘い眠り、若かりし父母、ミエル…七つの夜をくぐりぬける二人の冒険の行く先は。

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