- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022509598
感想・レビュー・書評
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小学校4年生のさよが、同級生の仄田くんと一緒に不思議世界をめぐる、というお話。さよには、父母が離婚した後の寂寞感や様々な疑問がある。仄田くんには、祖母の過干渉やクラスでのいじめにより、周囲との壁を作っている。
二人は、不思議な夜の世界を一つ一つ体験するごとに心も体も成長していく。彼らの苦境は、大人の知恵や力では解決できるものではない。結局は子ども自身で乗り越えていかなければならない壁なのだ、ということを教えられた気がした。子育て経験者から見ると大人の無力さのようなものを感じてしまう。子どもが読んだら、彼らの冒険を頼もしく思うだろうか。
「七夜物語」と題する本が彼らの成長のきっかけとなっているところが興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても懐かしい気持ちになる。
「ポールのミラクル大作戦」やら「デブの国ノッポの国」やら柏葉幸子さんの地下室のあの本とか、「青い鳥」「ナルニア」「はてしない物語」と様々なお話が頭をよぎる。
時代背景が自分の子供のころだというのもあるけれど。
お母さんと暮らす、鳴海さよ。
お父さんとおばあちゃんと暮らす仄田鷹彦。
さよは4月から仲良しのあかりちゃんと別のクラスになって、友達ができないでいた。
仄田くんはいつも本が友達。
さよは図書館の片隅で「七夜物語」の本を見つける。触るとピリリとする不思議な本との出会い、それは、さよと仄田くんが夜の世界に入りこむことになる鍵だった。
おばあちゃんにいつも守られ、お世話をされている仄田くんにヒヤヒヤしつつ、不安を胸の底にしまって笑顔を作るさよに寂しさを感じて。
二人の危うさが夜の世界で、だんだんと顕になっていく。
つい口笛を吹いて警告したくなる。
でも本人が気付いて変わらなくちゃなんだろう。
夜の世界の全貌は下巻へ。 -
上巻ですが、児童向けというより、かつて子供だった大人向けの児童書ですね。
懐かしい、不思議、照れ臭い感じ。
いわゆる空気読めない少年の書き方がうまい。
今だと、こういう子供は病気と判断されるんだろうなあ。
でも、どこまでが個性でどこまでが病気なのか、判断するのは難しい。
たぶん、三文安のため、人の気持ちを考える訓練がまったくできていないんだと思うんだが。
それで苦しむ彼の内部の葛藤の書き方うまい。
自己中で勝手なんだけど、哀れに見えてくるのも事実。
後半はどうなるのかな。
娘さんのママの書き方もいい。特にママの恋愛。カッコ悪くなるお母さん、もやもやする少女の気持ちはわかる。
おばさんもいい。常識人って本当に貴重。 -
10歳の女の子と男の子の冒険と成長の物語なのですが、ファンタジックなRPG的世界ではなく、現代版おとぎ話的な展開が地味と言えば地味でやや盛り上がりに欠けます。疑問文が"?"で終わらない文体にも違和感あり。
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上下合わせての、コメントという事で。
なまなかな物語ではない。
胸の奥に、ぐっと入り込んでくる。 -
人間社会とか、世界平和とか、善悪の区別とか。そういったことに関心を持ち始める思春期の少年少女たちに読んでもらいたい。
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鳴海さよと仄田鷹彦が図書館で手に取った七夜物語を読むと、次の日には読んだ内容を忘れていた。しかし、二人は不思議な夜の世界の冒険に出かけるのだ。子供が大人になる道をたどるように、夜の世界に行くたびに二人は少しずつ自身を持ち、大人に近づいていく。おずおずとした進み方だが。お話の進み方も少しおずおずとした感じがする。
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新聞連載のときは面白かったんだが…。
内容が薄い感じがしてならない。第二章で読み投げ。 -
子ども向けの不思議なお話なのに、自分にも当てはまる事がある気がして読み進めるうちに、するすると終わってしまった!昔のパパとママが出てきた、二つの夜、あたりから俄然面白くなったような。下巻も楽しみ。2016/9/28完読