この国で起きている本当のこと

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.61
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509673

作品紹介・あらすじ

年金、財政から消費税、原発危機まで、日本の病根と解決策が一冊ですべてわかる。

感想・レビュー・書評

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  • 日本が抱えている、年金・原発・財政破たん・農業の問題を辛坊さん目線で書いている。特に財政破たん、農業の話は憤りや著者に同意を感じ、どうにかしたいと思う。
    しかしながら、どのようにしたらよいかはわからない。選挙には行っているが、プラス何かできることはないだろうか?
    著者は最後にこの国をどうするか、回答を誰かに頼るのではなく、国民自ら見つける時代にならないとこの国は終わると締めくくっている。そうは思うが、差し当たって目の前の小さな自己の問題と戦い、平穏な毎日を過ごす日々。

  • 辛坊治郎氏が、わかりやすく日本の現状について教えてくれる。
    とはいえ、目を背けたい事実のあれやこれやを、明解に解説してもらえばもらうほど、日本の未来に不安が募る。

    「消費税」や「原発」など、専門家であっても人によって意見が真逆だったりする。
    溢れる情報の中から信頼するものを選び取るのは大変難しい。

    辛坊氏はいう「この国をどうするのか。その回答を誰かに頼るのではなく、一人一人の日本国民自ら見つける時代にならなくては、この国は終わると思う。」
    そして「残された時間は少ない」と…。

    日本の未来を考えるための、大切な一冊である。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「溢れる情報の中から信頼するものを」
      言ってる人が信頼出来るかどうか、それを見極めるしかないですね、、、公正な方を探して指針にしましょう(辛...
      「溢れる情報の中から信頼するものを」
      言ってる人が信頼出来るかどうか、それを見極めるしかないですね、、、公正な方を探して指針にしましょう(辛坊治郎は、んーーどうでしょうね?←否定している訳ではありません)。。。
      2013/01/30
    • aiさん
      おっしゃる通りだと思います。それがなかなか難しいのですが…。とりあえず、辛坊さんは面白いので♪
      おっしゃる通りだと思います。それがなかなか難しいのですが…。とりあえず、辛坊さんは面白いので♪
      2013/01/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「辛坊さんは面白いので♪」
      確かに熱いですよね。
      「辛坊さんは面白いので♪」
      確かに熱いですよね。
      2013/02/04
  • 2012年4月30日、初、並、帯付
    2016年4月30日、伊勢BF

  • 2012年4月刊。
    財政政策以外は,基本的に著者の意見にすべて納得です。
    著者の本は,最終章(あとがきではない)で熱く語り終えるところが好き。

  • できるだけ表面的ではないものの見方ができるといいと思う。

  • あまり期待していなかったが
    結構、面白い
    ただ、賞味期限があるので
    いまから読む人は要注意
    4.0点

  • 辛坊さんが勉強し、資料を集め、筋を通そうという意志はすごく伝わってくる。
    ただ、この本で本質的に伝えようとしている、税の集め方、使い方は欲の引っ張り合い、情報は恣意的に伝えられるものだということを考えると、辛坊さんの意見ですらひとつの主観でしかないという可能性をも孕んでいる。
    もうみんなとっくに気がついているけど、やっぱ理想の世界ってないね。

  • ラジオでは軽快で歯切れのよいトークなんだけど、文章にすると、けっこうつまらない。主張をすでにラジオで聞いているからかもしれないけど。
    年金対策も税金上げて対応すべし、というのもどうかと思う。復興税つけて各省庁は何に使った?年金目的と言って税金上げてもどうせ他のことに使うんだろうか!と思ってしまう。
    希望する死刑囚については原子炉に入って事故を食い止めることも許す、ってのも分かるけど、飲み屋のおっさんの話しだよね。人権考えると死刑囚だから死んでもよい、ってのも全然言えないよ...

  • 2012年4月に発行された本。2012年秋に帰国したときに購入してそのままにしていた。
    発行されてから1年しかたっていないのに、すでに内容が「古いな」と感じてしまうということは、それだけ社会の変化のスピードが速くなって言ってるんだろう。
    問題を問題として認識したころには新たな問題が出てきて、解決されないまま問題が積み上がっていくということか。
    この本の内容の「問題」は、
    ・年金
    ・原発事故の検証
    ・原発の行方
    ・財政(赤字国債)
    ・農家と農政
    ・橋本徹
    ・その他の日本の問題
    と言ったところなのだが・・。
    ここに書いてある問題の本質的なことは、ちきりんさんのブログので理解していたと思う。
    そして、本を読んで新たな知識として得たことは、そんなに多くないような気がするなぁ。952円もしたけど。無料のちきりんさんブログの力の方が大きい。

    この本を読んで新たな知識として得たことは、原発を稼働させることで核燃料の再処理する技術や施設を有していることはすなわち核爆弾の原料製造工場を有していることと同義であるということ。
    だから、民意は原子力発電に反対していても自民党は決してあきらめない。「安全保障」「軍事施設」としての原発施設やその技術を維持することは国家防衛上必要ととらえているからなんだと思う。

    兼業農家の問題については・・ほんと田舎の特権ってすごいと改めて感じる。汗水たらすことなく、田んぼを持っているだけで政治家の「農政票」として機能し、見返りとしてすごい補助金でウハウハなんだから・・。まぁ生き方とプライドの問題として私とは違う世界のことだからいいですけど。
    それだけのお金を(偽)農家に回すのなら、国際競争力のある農作物を真剣に育てている農家に頑張ってもらいたい。
    日本はTPP参加することで、食糧自給のコントロールすら危うくなりかねない。アメリカのグローバル企業によって種子、農薬で農地を占領されてしまうと、国内ですら安全な「国産」の食料を確保することすら危うくなる。だって、種も農薬もモンサントだと、それはもう国産の農産物と言えるのか・・って思うけど。
    これからは、オリジナルの種子を守っていくこと、放射能や農薬、化学薬品に耐性のもった雑草などあらゆる意味で汚染されていない農地の確保がすごく大切になってくると思う。
    食べることはすなわち生きること。大地の恵みに感謝できる本物の農作物を国内で育てられることを守っていかないことが、一番の農政の本質だと思う。

    あと、年金と国家財政については・・期待したらアカンよね。分散投資と自分の健康とどこでもいつでも働けるスキルを磨いていくことでリスクヘッジするしかないから、大きな問題については役人と国会議員と日銀に任せる。

    あと、少子化の問題で衝撃なのはフランスの少子化対策について。日本のような、「だれでも平等に子ども一人についていくら」という現金を支給するものではない。フランスの少子化対策としては税制を子育て世帯に優遇したことで出生率が上がった。それも、高額所得者の子どもが多ければ多いほど劇的に税金が下がるそうだ。
    これは「教育環境の整った家庭で育つ子供が増える」ということを意味し、うーん、どうせ子どもが増えるんだったらヤンキーあがりのわけがわからない家庭で育つ子供より、キチンとしたご家庭で教育を受けた子どもが増える方が国としても頼もしいよね・・。

    こうやって書いていくといろいろ勉強になったと思えるな。

  • かなり極左的で過激な発言も多く、敵も多い辛坊氏だが、言ってることはよくわかるしおもしろい。いかん、はまりそうだ…。

    ・2033年に枯渇すると言われている年金。若い人が高齢者を支える図式になっているが、負担が大きすぎる。そこで提案。
    年金交付国債を発行し、消費税を5%引き上げて年金のためだけに徴収、100年かけて償還する。つまり全世代の拠出で高齢者を支える制度を作る。
    ・3.11原発事故における政府と東京電力幹部の対応の遅れは住民を生命の危機に陥れているという事実。
    ・今後は原発などいらない。太陽光発電で充分まかなっていける。
    ・日本の国債は借金返済のためまた新たな国債を発行するという自転車操業。しかも買い手は90%が銀行と生損保という、日銀・財務省・金融機関三位一体となって売れ残りがないように八百長を組んでいるのだ。こんなことをやっていてはいずれ破たんする。
    どうやって赤字から抜け出すのか。…政府の考えることは消費税アップだ。消費税上げが決定すると、「税金で取られるぐらいなら」と駆け込み購入する消費者が増え、市場が活発になる。
    それは結構だが、生活保護者がマッサージに通うようなおかしな現実をまずなんとかしなければならない。
    ・TPP加盟となった場合、政府はまたも国内の農家に助成金の交付を表明するはずだ。日本の農業はそんなに弱いのか。日本は世界でも稀にみる農業に適した国、「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂の国」である。日本の農業を再生させる方法はただひとつ、農地解放の逆をやること。つまり小規模兼業農家から農地を開放して、モチベーションの高い専業農家に土地を提供して、質をより向上させることだ。
    ・出生率をあげるために民主党は「子ども手当」を子供一人に対し1万3千円支給した。しかしそんなことをしても率先して子供を産むのは低所得者層だけ。高い教育を受けさせられる高所得者層はそんなはした金のために子供を産んだりはしない。質のいい子供を得るためにはフランスのように所得税率を家族の頭数で割るということにすれいい。高所得者層ほど税率を低くしようと子供を増やす。

    などなど、ちょっと怖い話もあり。興味深く読める。

  • 卵の食糧自給率10%には驚いた。数字の操作というまやかしの何と恐ろしい事か。

  • ためになった。客観的なデータから意見も述べられているので、論説にも説得力があった。

  • 色んな方面からの興味深いことが書かれていて、知らなかった裏事情も知ることができた。
    知れば知るほど怖くも感じたが、目を塞がずに本当の事を常に知っておかねばとも思った。

  •  年金の真実は本当に恐ろしい。我々世代は「生涯年金受給額-生涯保険料」が▲500万円超と示されていた。ショックだ。

  • 冒頭の第1章で「年金の恐ろしい真実」という衝撃的なタイトルで始まっています。




    辛坊氏が指摘している問題点では

    1.厚生年金保険料引き上げ

    2.今後2030年を待たずして年金積み立て金が枯渇する

    3.少子高齢化

    という論点が挙げられています。




    1では、

    「掛け金は収入全体に比例させて徴収しておいて、支給額は、基礎年金部分を除いて比例させるのは、詐欺に等しいだろう。」

    としている。
    (ちなみに掛け金という言葉は共済年金加入者に使うのであって、厚生年金の場合は保険料というのが正しい。)



    つまり、給料に応じてかなりの保険料を負担しているのに、それに比例して支給額が増えないのはおかしいと言っているわけです。


    これは年金でよく使う指標である所得代替率で反論することができます。

    所得代替率とは、現役時代にもらっていたお給料の平均に対して受給するときにどれぐらいの割合でもらえるのかを示した指標です。



    世界の年金制度を見ると、この所得代替率は高額所得者ほど低くなる傾向にあります。



    高額所得者はたしかに現役時代に納める保険料は高額になりますが、当然受給額も多くなります。


    高額所得者なのだから自分自身で貯金することも可能ですし、所得代替率が少しぐらい低下しても問題ないでしょうというわけです。



    高い保険料を納めたのにもらえる割合は少ないとなれば心情的にやるせないのは分かります。

    ですが、だからといって年金制度を詐欺だというのは言いすぎでしょう。





    2の年金積立金枯渇問題に関しては、学習院大学の鈴木亘教授の試算を持ち出しての発言です。

    このペースで積立金が減っていった場合は30年を待たずして枯渇するという話であって、給付の抑制と保険料の引き上げによって今後積立金の額は上昇していきます。



    そして2050年以降はこの積みあがった積立金を切り崩していくことになります。

    積立金がなくなるのは2100年以降という計算になるので、

    そのときまでに現在の少子高齢化の人口構成を変化させることも可能です。


    ここ数年の積立金額の減少だけを見て積立金が枯渇するというのは極端すぎます。




    3では、高齢者1人を支える現役世代の人数などを例にあげて現在の社会保険方式が持続不可能としています。




    1960年には11.2人の現役世代で1人の受給者を支えていたのが、2010年には2.8人に1人となり、60年には1.3人で支えることになるから社会保険方式は成り立たないというのです。


    その他にも平均寿命が伸びること、晩婚化による出生率の低下などを理由にあげています。




    現役世代何人で高齢者を支えなければいけないという年金を問題にしたテレビ番組などで見たこともあるかもしれません。


    しかし、現在の年金制度は出生率が1.26という非常に厳しい前提でも持続できるように設計されているのです。

    出生率は1.3以上で推移している現状をみると辛坊氏がいうほど危機的状況だとは思いません。

    2.8人で支えることも1.3人で支えることも想定に入れて制度設計がなされているのです。





    以上のようなことからも、辛坊氏が冒頭

    「年金破綻しない論の片棒を担いできた学者や評論家がいかにオメデタイかが分かる。」

    と言っていますが、むしろ辛坊氏のほうがマスコミの破綻論に踊らされている感があります。

    もちろん厚生労働省がすべて正しいとも思わないですし、年金制度の不備もあると思います。

    だからと言って年金制度は破綻しているというのは極論であり、国民の不安を煽っているとすら思います。

    今の年金制度が破綻しているというのであれば、せめて代替案は示して批判してほしかったです。

  • 今の評価日本がどうなっているのか?大手のメディアが伝えないことを辛坊さんがわかりやすく説明した本。

    このままだと日本はどうなってしまうのだろうか?とても不安が募る。

    まずは、この本や他の本やいろんなメディアの意見を聞き自ら考えることが必要です。

    しかし、私たちができることはそう多くはない。投票と自分の暮らしを守ることぐらいです。

  • 震災瓦礫の受け入れについて、この放射能ばかりに焦点がいっていますが、中古自動車の放射能についての報道がないことが不思議です。
    震災瓦礫の放射能よりも、もっと心配しなければいけない放射能があると思いました。

  • チェック項目13箇所。年金支給開始年齢の引き上げの前になぜそうしなくてはいけないかの議論を忘れていないか?年金記録システムに三億件も入っていた。一番の不正議は、国の原子力政策に一切の発言権も持たず長年東京電力の正社員よりも低賃金で働いてきた地元の下請け企業の作業員に命がけの作業を押し付けること。世界で起きることは日本でも起きる。福島原発の避難地域を旧ソ連のものに合わせると東北新幹線も東北自動車道も立ち入り禁止区域に含まれてしまう。危機管理の鉄則は最高の結果を祈りながら最悪の事態に備えること。天災が原因で原子力事故が起きた時には誰も責任をとらなくてもいいという法律。勇気をもってわからないと言える人が本当はわかっている人。正しい判断には正しい情報必要なのだ。奥尻島の災害後復興政策の後のゴーストタウン化の現実。フランスでたくさんの子供が生まれる本当の理由は税制。福祉の施策に使われる費用を稼ぐ層を作り出す策をとらないと戦後築いてきた資産を食いつぶした時点で言ったは緩やかに死んでゆく。

  • この人の本は、事実を偏った視点でみていないので、とても読み易い。

  • 「巨大な負の遺産」ねー・・・、しぶとく生きろ!おいちゃんもそうしてきた・・・。所詮、宇宙の中の星の一つにいさせてもらってるのにすぎないのだから・・・・・。

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著者プロフィール

1956 年大阪府出身。早稲田大学法学部卒業後、讀賣テレビ放送に入社。プロデューサー・報道局解説委員長等を歴任し、現在は大阪綜合研究所代表。
「そこまで言って委員会NP」「ウェークアップ!ぷらす」「朝生ワイドす・またん!」「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」などのテレビ・ラジオ番組で活躍。近著に『風のことは風に問え―太平洋往復横断記』(扶桑社)、『日本再生への羅針盤~この国の「ウイルス」を撲滅するにはどうしたらいいのか?』(光文社)などがある。

「2022年 『この国は歪んだニュースに溢れている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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