夜をぶっとばせ

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509758

感想・レビュー・書評

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  • カメラマンのDV夫、雅彦。出会い系サイトで男を漁る妻、たまき。情緒不安定な二人の子供。どこかネジのおかしいたまきの友人、瑤子。登場人物全員が歪んでいて、何かが欠落していて、「悪いサイボー」に支配されている。共感出来ないし、そこはかとなく不快・・・なのに、なぜかずるずると物語に引き込まれてしまう。たまき側から見た「夜をぶっとばせ」は無彩色だけど、雅彦側から見た「チャカチョンバへの道」から急に彩豊かな展開になり、一周回って見事な着地へと誘われる。摩訶不思議な井上ワールドです。

  • パワフルだわ!

  • シュールな感じ。ずんずん読んでしまった2013.3.20

  • 中編2篇からなる連作(執筆時期は9年くらい離れている)だが、1篇目の表題作はいかにも彼女の王道をいくようなお話。
    2篇目は最近の作だが、この突き抜けた感は荒野氏の新境地を開く作品.....になるかもしれない.....みなさんの評価はあまり高くないけど、私は嫌いぢゃないヽ(・∀・)ノ

  • ダークな感じが良い。

    後半の話し、アレアレ!?と思いつつ、そうなの!?と思いつつ、え?と思ってるあいだに終わってしまった。

    何はともあれ、大好きな作家さんの中の一人。一番好きかも。

  • 変で不気味な家族小説。コワいけど先が気になる。

  • 日常感覚で一線を越えるわたし。
    家庭内の問題もネットでの交際もすべて「日常」に収束していく些細なことのようだ。

    続編はぶっとんでいる。

  • たまきも遥子も無茶苦茶な感じもするが
    旦那が一番どうしようもない。
    なんでこんな男に二人が執着するのが分からん。
    それも含めて理解しがたい部分が多いが
    たまきの言動には心惹かれるものもあったし
    妙に面白かった。

  •  ダメ夫との関係から抜け出そうとネットの世界に浸る主婦、たまき。ここまではよくあるというかもう使い古された設定なのですが、さすが荒野さん、空気が違います。

     別々の短編が2編かと思ったら、今度はそのダメ男が語り手。いきなり黒人の大男が「私の妻を知りませんか?」と現れたり、同棲中の女性のライブに行ったら息子や娘が太鼓を叩いていたり、単なる偶然ではないことは、その同棲している女性がはじめの編にも登場してくるから想像がつきます。

     一夫多妻制の人間もこの世にはいるのですよね。狭い世界で夫婦のもめごとに悩んでいるときに読むと考え方が変わってくるかも。

著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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