- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022509796
作品紹介・あらすじ
さびれた商店街に花ひらいたランジェリーショップ、そこに出入りする人々の人生模様。レースやリボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をなぜかほどいていく。地方都市に生きる人々の屈託と希望をえがく、摩訶不思議小説集。
感想・レビュー・書評
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普段、下着屋さんで値引きされている千円台のものしか着けないので、新鮮な世界。「ま周りから見えるわけでもない消耗品にそんなにお金をかけるのは…」と思ってしまいがちな私だったので、下着で変わっていく登場人物の心情に「なるほどぉ」と思いながら読んでいた。
自分の気に入ったものをつけているときの幸福感ってものが、あるんだなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古びた街中のシャッター街にできた可愛いランジェリーのお店から展開する自分や家族と向き合う素敵なお話
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高級ランジェリーショップの店主とお客さんたちのお話。山あり谷あり、現実的な悩みごともしっかり書かれている。2012年の本、前半は女性蔑視の登場人物の発言や思考を読むのがしんどかった。10年以上たった今では同じ問題を描いたらだいぶ違う感じになるかも。
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片田舎に新しく出来たランジェリーを中心にした話。
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題名柔らかく、内容硬め。
素敵なお店です。 -
下着って確実に気分の上げ下げに関わっていると思う。こんなお店が近くにあったらいいのにな。
物語の中盤から終盤は人生に深く関わるお話でいろいろ感じ入るところがあった。心がささくれたとき、優しく寄り添う下着や寝間着があったら安らぐだろうなぁ。 -
親というものは何だろうねぇ。子供は自分の所有物?
価値観を押し付けられ、そこから逃げ出せずにいる。
リアルで重かった。 -
ランジェリーショップか舞台でシフォン・リボン・シフォンってかわいらしいタイトルからキュートなお話なんだろうな〜って想像していたら結構ヘビーだった。
娘の自尊心を傷つけてコントロールしようとする両親や、旧態依然とした父親、自分の子供の部屋を漁りプライバシーを許さない母親っていう毒親メドレーを食らっておどろく(旧態依然父は毒親とはちょっと違うかもだが)。キッツって思いながら読んでいたし、時々は口に出してた。
それぞれの話の親たちのやったことってほんとに嫌悪感強いんだけど、子供はそれをきっぱり打ち捨てないんだよね。読んでる側からしたらキツいしムカつくが…。
でも佐菜子は父母をほっぽらないし、篤紀は家を出ず、かなえは母と並んでテレビを見る。
子供たちは過去に親にされたことはきっとずっと許せないだろうけれど、親は完璧な人間じゃないって知ったときに、少なからず支配から脱することができたのかな。