シフォン・リボン・シフォン

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.60
  • (46)
  • (190)
  • (170)
  • (21)
  • (2)
本棚登録 : 947
感想 : 187
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509796

作品紹介・あらすじ

さびれた商店街に花ひらいたランジェリーショップ、そこに出入りする人々の人生模様。レースやリボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をなぜかほどいていく。地方都市に生きる人々の屈託と希望をえがく、摩訶不思議小説集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 普段、下着屋さんで値引きされている千円台のものしか着けないので、新鮮な世界。「ま周りから見えるわけでもない消耗品にそんなにお金をかけるのは…」と思ってしまいがちな私だったので、下着で変わっていく登場人物の心情に「なるほどぉ」と思いながら読んでいた。
    自分の気に入ったものをつけているときの幸福感ってものが、あるんだなあ。

  • 古びた街中のシャッター街にできた可愛いランジェリーのお店から展開する自分や家族と向き合う素敵なお話

  • かわいいブラ買いに行きたくなった。ガチガチに締め付けないのにきれいに見せてくれるブラってつけてみたい。

  • 「シフォン・リボン・シフォン」
    なんて素敵な響きだろう。かわいいものが大好き、少女趣味なところがある私はシフォンも好きだしレースも好きだしリボンも大好きなのである。
    ふわふわきらきらしているものが大好きなのだ…!アイドルの衣装、ドレスブティックのウィンドウ、そしてランジェリー。
    そういう夢みたいな繊細なものが大好きなのだ。
    だからタイトルにひかれて、さらに今個人的にきてる近藤史恵さんの本だったから読んでみた。
    ランジェリー集めは私も好きだ。けっこう持っているほうだと思う。普段使いするものとは別の総レースになっているものだったりビジューがついているものだったり、自分がときめくから買うし身につける。誰かのためではない。
    そんな隠れた装い、人から見えない部分での装いが自分自身を励ましてくれることもある。
    ランジェリーを買うときは自分がこれを着てどういう気分になれるか、なりたいかを考える。人に見せるものでもないから誰かの目を気にする必要もない。だからこそとことん自分と向き合える場所がランジェリーショップだ。
    デパートや商業ビルだとテナントの一角がショップになっていることはほとんどだろうが、本作の「シフォン・リボン・シフォン」みたく独立型の店舗となっている場合、その店舗に入った瞬間からは自分とランジェリーだけの時間になる。
    そういう外から見た自分と向き合わなくていい時間があるだけで、心にクッションを纏うことができる。そして心にクッションを纏うからこそ、向き合える現実もあるのだ。

  • 高級ランジェリーショップの店主とお客さんたちのお話。山あり谷あり、現実的な悩みごともしっかり書かれている。2012年の本、前半は女性蔑視の登場人物の発言や思考を読むのがしんどかった。10年以上たった今では同じ問題を描いたらだいぶ違う感じになるかも。

  • 片田舎に新しく出来たランジェリーを中心にした話。

  • 題名柔らかく、内容硬め。
    素敵なお店です。

  • 下着って確実に気分の上げ下げに関わっていると思う。こんなお店が近くにあったらいいのにな。
    物語の中盤から終盤は人生に深く関わるお話でいろいろ感じ入るところがあった。心がささくれたとき、優しく寄り添う下着や寝間着があったら安らぐだろうなぁ。

  • 親というものは何だろうねぇ。子供は自分の所有物?
    価値観を押し付けられ、そこから逃げ出せずにいる。
    リアルで重かった。

  • ランジェリーショップか舞台でシフォン・リボン・シフォンってかわいらしいタイトルからキュートなお話なんだろうな〜って想像していたら結構ヘビーだった。

    娘の自尊心を傷つけてコントロールしようとする両親や、旧態依然とした父親、自分の子供の部屋を漁りプライバシーを許さない母親っていう毒親メドレーを食らっておどろく(旧態依然父は毒親とはちょっと違うかもだが)。キッツって思いながら読んでいたし、時々は口に出してた。

    それぞれの話の親たちのやったことってほんとに嫌悪感強いんだけど、子供はそれをきっぱり打ち捨てないんだよね。読んでる側からしたらキツいしムカつくが…。
    でも佐菜子は父母をほっぽらないし、篤紀は家を出ず、かなえは母と並んでテレビを見る。
    子供たちは過去に親にされたことはきっとずっと許せないだろうけれど、親は完璧な人間じゃないって知ったときに、少なからず支配から脱することができたのかな。

全187件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

近藤史恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×