上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510587

作品紹介・あらすじ

がんの在宅看取り率95%を実践する小笠原医師に、「在宅ひとり死」を願う上野千鶴子が67の質問をします。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど「最期のケア」ポスターに批判が集まっているとの記事が
    そんなに話題になってるか?あまり実感はない
    この分野を最近読みまくっているからこそ気にはなったが
    まだ一般的には広がっていないのではと

    小笠原文雄医師の「なんとめでたいご臨終」を読んでしまったので
    内容についてはあまり変わり映えないが最後の対談
    「どうやって小笠原先生になったのか」
    最初から医師を目指していたわけではなかったことや
    こうした自宅での看取りを目指していたわけではなかったということ
    それでも安らかに死んでいく人や穏やかに見送った家族たちをみて
    在宅医療へと心が動かされた経緯がわかって興味深かった

    ただ あらためて病院で管に繋がれ余計な点滴や心臓マッサージなどを
    受けずに自宅で静かに息を引き取るには
    意見の異なる家族がいては難しいと思った

    本人の意志もはっきりしめしているのに最後の最後で救急車を呼んで
    蘇生を望む家族の例がいくつか書かれていた
    身内に医療関係者がいてそうなってしまった例もあげられていたが
    これを読んで心が痛む人もいるのではとふと思った

    上野千鶴子さんは だからこそ おひとり様の方が意思決定をじゃまされずに
    自宅で静かに死んでいけるから安心してくださいと言いたいのでしょうが

  • 本人が望む場合、家族が心を決めれば、在宅で最期を迎えることができる。言われてみれば確かに。
    そう思うと、施設と刑務所の違いって何だろうと考え始めてしまった。

    希望死・満足死・納得死↔︎孤独死・敗戦死・刑務所死
    トータルヘルスプランナーの育成など、まだまだやるべき事はあるけど、新たな人生の終い方の可能性を感じる内容だった。

  • まさに目からウロコ!
    誰もが死ぬ時は病院か介護施設で、というのが常識だと思ってたけど、手厚くお世話をしてくれる家族がいなくても、家で最後を心安らかに迎えられるなんて。
    誰もが出来るわけじゃないだろうし、病院や施設の方がいいって人もいるだろうけど、自宅に居たい人は自宅に居られるんだ。
    それに医療費や介護保険料の削減にもなるし。
    ぜひ老若男女、読んでみたらいいと思う。
    岐阜に引っ越し…最終手段かも。

  • 題名の通り在宅ひとり死できるのか、体制は?心構えは?費用は?などを上野さんが在宅医療を実践している小笠原先生に質問し、答えるという形で展開されている。
    在宅ひとり死に興味を持つ人はもちろん、今の時点でも無縁の人にもこんなことができるんだと知ってもらい、そして、そのために必要な情報が網羅されていると思う。

    「希望死・満足死・納得死」に対しての病院でおきている「孤独死・敗戦死・刑務所死」
    病院では生命の安心・安全は守られているが自由のないある意味刑務所のような場所であるという言葉は痛快に感じた。小笠原氏自身、現在の病院信仰を崩し、パラダイムシフトを起こすにはこれくらいのショッキングなことばをつかうことも必要とは言ってはおられるが。
    常々、楽に逝くことは出来ない世の中と感じていたので、在宅で生活を享受しながら静かに穏やかに旅立つことができるということを知ることができてよかった。
    もうひとつは、「どんな手立てをつくしても親には1分1秒でも生きてほしい、と思うのは子どものエゴイズムでしょうか」という上野さんの問いに対し「そうです」と言い切られたのは、ほぅと感じた。その部分が私にも悩み深いところではあったから。けど、それは、本人が満足し穏やかに旅立つことができれば、残されたものも満足を感じることができるからということと何より本人を中心に考えるということ。実践の積み重ねからの答えなのだろう。
    看とりは家族の役割という観念にも支配されているが、これも柔軟に考えていく必要があるなぁ。

    元気なうちからその時々のかかわる人たちとできるだけ良い関係を育てる努力を重ね、そのスキルを磨いていくことが大切
    常々の生きる姿勢が大切ということかな。
    お金があればあるようになければないなりに穏やかに旅立つことができるということが一般的になれば老後を過度に心配することもなくなるのではと感じた。未来を過度に案じるのではなく、今を今ある人間関係を大切に育むことが大切なのだろうな

  • この題名、もしできるなら、その方法をしりたい!と大多数の人が思っていたことじゃないでしょうか?

    近頃は、介護・老後問題にも取り組んでいらっしゃる上野千鶴子氏。
    在宅看取りのパイオニアである小笠原医師と、タッグをくんで書いた本。

    看護士・介護士など本職の方の間で評判になっていたため、わたしも読んでみた。

    以下、私が興味をもって読んだ章

    ・がんで死ぬのがいちばんですか
    ・老衰で死ぬのは幸せですか
    ・家族のいないわたしの看取りはだれがしますか
    ・お金はいくらあればよいか

    びっくりしたのは、意外とそんなにお金をかけずに、家で最後まで人生をおくれるということ。
    ・本人の意思をまわりにはっきり言う(救急車を呼ばないなど)
    ・家族がじゃまをしない
    ・良好な人間関係(近所でもなんでも)

    この本をよむと、独りの老後も死ぬことも不安でなくなる!?
    これから、看病・介護に入る世代にも、知識と心構えをやしなう1冊として、
    激オススメの本です。

  • お一人さまに限らず、色々な人が希望を持てる内容
    今生きているなりに死んでゆくんだなぁと思った

    がんは告知されて時間を過ごす事がとても大事そう
    嘘をつくのは周りも辛いし、本人も不安になるだろう
    告知できるような関係性を作っておきたいものだなぁ

  • 生まれ方を選べないように死に方も選べません。ですが、お医者様にお聞きすると、選べるならガン死と言う答えが返ってきます
    遠からぬ死を覚悟することで、今生かされている命の意味を知ったと語る人は少なくありません
    人は、自分に起きている現実がどんなものであれ、それを知り、受け止める以外に困難を乗り越える道はありません
    家族と良い関係であれば、元気な頃から自分の理想の生き方・死に方について話し合い、自分の意思が最後まできちんと支えられるよう家族に協力を要請しておけます

  • N820

  • 年取って癌になったら岐阜に引っ越そうと思いました。

  • 父が心筋梗塞で緊急手術、肺の動きが良くないということで気管切開。本人が以前書いた「延命は拒否する」意思とは大きく離れてしまいました。
    ただ家族として、苦しんでいれば救急車を呼び、医師は治療をするわけです。

    家で一人で周りを含めて納得死するのは、時間が必要なのかもしれません。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの・ちづこ)東京大学名誉教授、WAN理事長。社会学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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