ガソリン生活

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 朝日新聞出版 (2013年3月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510624

ガソリン生活の感想・レビュー・書評

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  • 車が大好きな人も、そうでもない人も
    この本を読んだら、我が家の車が愛おしくてたまらなくなります!

    伊坂幸太郎さんがついに、朝日新聞夕刊の新聞小説を書いてくれる♪
    と、わくわくして読み始めたら、なんと物語の語り手は車!
    呆気にとられたあの物語が、やっと本になりました。
    かなり意表を突く設定なのだけれど、その車たちの会話の楽しいことったら♪

    物語は、ある女優の事故死のニュースをきっかけに始まるのですが
    その女優を事故死前日、偶然乗せることになった
    望月家の愛車の緑デミが、とにかくもう、可愛くて。

    まだ小学生の末っ子、亨が一番しっかりしているという
    なにかと問題行動の多い家族を愛し、ハラハラと見守り
    家族以外の人物に乱暴な運転をされようものなら
    「二度も叩くなんて。望月家の人間にもぶたれたことがないのに!」と
    ガンダムの名ゼリフまで駆使してプンプン怒る緑デミ。
    大きすぎてちょっとムリだけど、できることなら抱きしめたい♪

    「あの人知ってる!」で終わるはずだった事件が、
    やがては望月家の存亡(?!)に関わる大事件へと発展していく
    伊坂さんらしい緻密な構成も存分に楽しめます。

    人間たちが「情報」という武器を手にして優位に立っているつもりで
    実は踊らされていたり、誤解に悩んだりしている中
    遠距離トラックが通りすがりにもたらしてくれるニュースに
    素直に耳を傾ける緑デミの純粋さに胸がきゅん☆となったりして。

    読み終えたら、飛び交う花粉まみれの我が家の車を
    きれいに洗ってあげなくちゃ!と張り切りたくなること請け合いの本です。

  • あぁ、良かった。
    文句なしのエンディングににっこり。
    この本を読んだら心優しい緑のデミオのファンになってしまいますね。

    望月さん家の愛車は、緑のデミオ。
    一人で三人の子供を育てた頼れるお母さんと、心優しいけどちょっと抜けてる長男と、素直になれないお年頃の長女と、小学生離れした頭脳の次男をいつも見守っている。
    自分の声は届かないと分かっていても、「危ないよ!」と声をかけてしまう優しい子。
    ハラハラしながら、時には推理しながら、望月家の無事を祈るデミオと一緒に私もハラハラしてしまった。

    車ってこんなに優しい乗り物だったのか…とびっくりすると同時に、小さい頃に家族の車だったコロナを思い出してしまった。
    彼(彼女かな?)は私達のことをどう思っていただろうか?

    もしまた車のお世話になる日が来たら、彼らの心の平穏のために安全運転と真っ直ぐな駐車を心がけようと思った。
    そして車仲間に自慢してもらいたいな…なんて。
    まず免許取らなきゃね。

  •  車同士は、実は排出ガスの届く距離で会話している。望月家の愛車、緑のデミオと望月家の面々が巻き込まれる騒動の数々。今回も一つに収斂されました。いやはや、見事でした。


     視点が車だから、私たちが得られる情報は、車の中で得られる会話と、車同士の噂話のみなんです。人間が車から降りて、建物に入ってしまうともう会話が聞こえてこないんです。私たちは、情報を得られなくなってしまって。
     逆に、車同士で得た会話は、人間の耳には入らなくて。「事態はもっと深刻なのにー」と読み手が知っているのに、キャラはのほほんと車を運転している。
     このギャップが面白かったです。
     

     「オー、ファーザー」で登場した人物がチラッと出てきたのも嬉しかったですよ。由紀夫、免許取ったのね。パパたちも4人とも元気そう。嬉しかったなあ。

     緑デミはじめ、車たちの、所有者である人間に対する愛あるセリフの数々に、読んでてほんわりしました。
     車だけではなくて、私の所有するすべてのものが、私を愛してくれていて、いつも私の味方になってくれているのかもしれないなあ、と思いました。
     いろんなものに、話しかけてしまいそうだ。私。そんな気分にさせられた作品でした。

  • 今まで読んだ伊坂幸太郎氏の作品(といっても2冊だけだが)とは
    だいぶ色が違う作品だった。
    過去に読んだものと何が違うのか、と考えたら
    伊坂作品の何が苦手だったかがなんとなく見えた。
    きっと、殺伐とした空気が流れる雰囲気がダメだったんだ。

    話の内容や、随所に盛り込まれる薀蓄、脱線具合は伊坂氏らしいんだけど
    この『ガソリン生活』は語る視点が緑デミオになることによって
    作中に流れる空気の温度が違うような感じがした。
    車同士のネットワーク、そこから得られる独自の情報、
    その情報を持ち主に伝えたいのに伝えられないもどかしさ。
    そして、車から降りてから展開される話は想像するしかない、というもどかしさ。
    同じように頭がいいのに、『小賢しい』野菜トリオと『賢い』亨くんの対比。
    荒木翠の事故と、江口さんとトガリにまつわるトラブルが
    最後に綺麗に繋がるところ(しかもそこにダイアナ妃を絡めてくる辺りも)。
    途中ハラハラする場面があるのに、
    何故か最悪の結果にはならないという確信を持って読み進められたのが
    不思議な感覚で面白かった。
    それはきっと緑デミオの望月家を語る目線が暖かいからだと思う。
    エピローグでの大学生になった亨くんは素敵のひとことに尽きる。

    正直いって伊坂作品は苦手だったけど、この本でひっくり返った。
    面白い。人気がある理由を一気に理解できた。
    個人的にはやっぱり作品によって波がありそうだけど。

    関係ないけど、この本を読んでる最中
    王様の『湖上の煙』が脳内でグルグルしてた。
    DEEP PURPLEの『SMOKE ON THE WATER』じゃないところがまた(笑)。
    …これを書いてる今もグルグルしてる。
    何故なのかはたぶん読めば判る(爆)。

  • 吾輩は猫であるを筆頭に、犬や猫或いは動物が語り部として主人公になる話は数多あれど、
    流石に車が語り手となる小説は浅学ゆえに初めてである。
    しかもその車が緑のデミオというところがなんとも可愛い。
    車たちは、自分たちの主人である持ち主の人間のことや、
    人間社会での出来事について互いに会話を交わす。
    その語り口が、社会や人間、学校などを風刺しているところが
    この物語上で、渋いエッセンスとなって効いている。
    車の目を通して、客観的に現代の世の中の人間を見つめているという面白い作品である。
    伊坂幸太郎という作家は、こういう作風にセンスがある。
    登場人物の中では、小学生ながら常にに冷静で切れすぎる、でも憎めない可愛らしさを持った亨というキャラクターにも脱帽だ。
    風変わりでちょっと変わった面白みのある小説だった。

  • いやー、もう楽しかった、読んでる間ずっと。

    クルマ好きにはたまらなく愉しい一冊!
    なんといってもこのラストの幸福感といったら、もう!

    「ねぇ、聞いて、うちのかおりさんたらまた道に迷っちゃってさぁ」
    「あぁ、そりゃもう仕方ないですな。諦めなさい」
    きっと私の愛車も毎晩、隣に停めてある夫の車に向かってぼやいているんだろうな。

  • 結構面白かった。車同士がこんな会話してたら面白いだろうな。
    最後がよかった。

  • うちのjukeはどんな口調でしゃべってるのかな。。。

    ありふれた家族の生活の中でのいくつものちらばったピースが、ちょこちょことハマって最後に「あ~!そーゆーことだったのね!」となって、「おもしろかった~」で終わる。

    会話のテンポの良さ。
    というか、その書かれている文章を読んで理解して反応する私の細胞のスピードが、著者の作品に良い具合にマッチしているのだ。だから一気読みしちゃって寝不足になるのだ。

  • エピローグのしかけに気付かされ、おののきました。

    それにしても車の車種、形、年式、これまで興味がなかったことなので、
    登場人物(!)の姿かたちを知るためにいちいち検索かけて読んだなんて
    初めてですね。
    これまでは国産、外車、おっきいちいさい、色しか分りませんでした(?_?)

    小学生の亨君の生意気ぶりにはこいつぅ!と思いましたが
    世界を相手にしてしまう大きさが感じられこれならいつでも全世界に発信できます(何のことやら…)
    他の伊坂作品もリンクしてるってファンにとってこんな嬉しくなる仕掛け、
    さすがです。

  • 伊坂幸太郎作品が好きで何冊も読んできた。そのため慣れが生じ面白いけれど物足りなさを感じていたのだが今回は違った。なんせ語り手は緑デミ、車である。
    車は乗車されている時しか持ち主のことがわからないが人間の知り得ない真相を知っていたりする。そのバランスが良い。
    憤るとピストンを上下させ、気分が高揚するとワイパーを動かし、クラクションを恥じる。そんな車たちがかわいくておかしくて。
    そしてラストにじんわりきました。検問ネタとか過去作品とつながるのも楽しい。伊坂幸太郎の遊び心満載の本作、おすすめです。

    〜追記〜
    「し」と「お」ナンバープレートには使われないので違うんでしょうね。読み間違いが多い娘を出すことによって辻褄を合わせるあたりが憎いなぁ。

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実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影-?大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故でした-。謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。

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