ぼくらの文章教室

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著者 : 高橋源一郎
  • 朝日新聞出版 (2013年4月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510778

ぼくらの文章教室の感想・レビュー・書評

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  • この本はすごい本だと思う。
    『文章教室』というもの(本も含めて)に今まで縁がなかったし、今回もなんとなく教室を覗いてみただけ。そんな出会いだった。
    なのに、片足を廊下に残してちょっと覗いた人間を教室の中に引っ張りこみ、座らせ、テキストに釘付けにし、講義にのめり込ませてしまった。
    難しいし、「分かった?」と聞かれたら「なんとなく…」とぼそっと返すしかないけれど、引用されている文章も、それに対する高橋源一郎さんの文章も、私を揺さぶって何かを決定的に変えてしまったのではないかと思う。
    いや、思いたい。

    『文章教室』という教室のすごさ。
    もっと言えば、文章のすごさということになるのかもしれないけど、とにかく圧倒される。
    もっと読みたい。
    もっともっと読みたい。
    そして私が立っている場所のこと、そこから見えるもののこと、伝えたいことを伝えたい人に伝えられるようになりたい。

  • タカハシさんの書く「小説」ではない(と一応されている)文章は、それでも紛れもなく「小説」であると私は思う。

    いささか乱暴かもしれないけれど、「小説」が「読むひとそれぞれに何かを語りかけてくるもの」であり、一方たとえば「評論」が「読むひとに何かを教示するもの」であるとするならば、タカハシさんの書くものはすべて「小説」としか感じられないのである。

    タカハシさんの「小説」ではない(と一応括られる)文章を読むと、タカハシさんの声が聞こえてくるような気がする。


    語りかけられていることはひとつだけ。
    「なにも気にせずおもったように書けばいいと思うよ、それでじゅうぶん」。
    本文のことばを借りるなら、totalではなくてwhole。
    いつもタカハシさんのことばには母性の香りがする。
    そしてじぶんも何か書きたくなる。

  • よい文章とは何かという問いに、この本ははじめから答えを言っている。綺語を弄した文章ではなくて、誰かに伝えたいと思って腹の底から出た言葉だ。

    技術論というよりも心構えの書。「文章教室」と銘打っているが文章読本にありがちな必読リストは無く、あまり美文という訳ではない文章が範として引かれる。文字を知らなかった老婆が必死に学んで残した文章であったり、はちゃめちゃなパロディ小説であったり、労働の中で書く文章であったり、ぼけつつある人が書き残した文章であったり、美しいと言うよりも、どちらかといえば重点が置かれているのはもの凄い文章の方だ。中にはジョブスのスピーチもある。
    書き口は語り口調で馴染みやすく、大切なことは何度でも繰り返しているため判りやすい。

  •  「ぼくら」すなわち「素人」が書くべき文章とは何か、また人と文章の関係とは何かを、様々な文章を通じて考えていく本。文章「講座」ではなく文章「教室」であることが良く分かる、著者と共に考えていくような作りとなっている。
     この本の根底にある考えは、等身大の自分(自分の生き方や生きる場所)を見つめて考える手段が、文章を書くという行為であり、「玄人」の文章、すなわち優れた文章を書くことは、その延長線上にあるということである。
     この本は、1章および2章が「はじめに」に当たるイントロダクションの部分である。それから、天→地と降りていくように、死者の文章、プロの(上手な)文章、普通の人の(身近な)文章と、多くの引用文を見ていく形となっている。構成上、読みやすい文章、あるいは書けそうな文章は中盤から後半にかけて出てくるため、頭から読んでいくと少し理解が難しいかもしれない。それでもこの本は、上手で特別で「誰も書いたことがないような」文章を書こうとしがちな「ぼくら」にとって、本当は何を書けばいいのか教えてくれる、何度も読み返すべき本であると言える。

  • 自分の文章を書くことが重要だと思いました。

  • 生きるために文章を書くしかなかった人と、死に直面して(あるいは自死の直前でも)文章を書くしかなかった人。
    文字の連なりが尋ねてくるのは「あなたは誰に、なにを、どれほどの気持ちで伝えたいのか、問いかけたいのか」ということで、私はこれまで自分が書いてきたものを思い返して慄然とした。大げさでなく、もう書くなんて無理とも思った。

    それでも重い筆を持ち上げて、一字一字をじっと書くこと、書きたいと願うことが唯一の方法。私が私自身へ覚える耐え難さや、他者の言葉から受けたダメージから脱するための。
    本に載っているのは決して明るい文章ばかりではないのに、読んでいて安堵感があるのは、それに気づいたせいだろう。

  • 私は文章を書くのが苦手だから。それを少しでも克服したいと手に取った一冊だった。ただ、その想いは読み始め10分で裏切られた。
    この本は文章の実践的な書き方(構成の仕方、などなど)について説いていない。その本質について語っている。
    普通のハウツー本では飽き足らない方にオススメ。

  • 文章を書くノウハウ本というより、こういうのも文章だ、という見本市のような本だった。おばあさんが生まれて初めてかいた、誤字だらけの文章が強烈に胸に残った。文章はテクニックじゃないと教えてくれる。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784022510778

  • 本書は一般的に言われる「文章が上手に書けるようになる本」とは少し違います。取り上げられている文章はあまり知られていないもの、一見しただけでは何が書かれているのかわからないものばかりなのです。それなのに、なぜか印象に残ってしまう、心に響いてくるから不思議です。上手な文章とはどういうものなのか?本書の中から心に響く文章を見つけてみてはいかがでしょうか?

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