哲学の先生と人生の話をしよう

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511157

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの通り読者のお悩み相談に答えるというフォーマットをとりつつ,質問のテキストを哲学知に照らしあわせて脱構築して相談内容に込められたイシューを「これがホントの問題なんじゃない」と提示するあざやかさとテンポがすばらしい.

  • 結構穿つた答えが多く、哲学者っぽいのが面白い。

  • 面白かったです。
    相談者の文章に「書かれていないこと」が大事、ということは、臨床にあたる態度とも近いものを感じて参考になりました。
    その人が書かないことは、言わないことは、その人が見ていないことだったり、見たくないことだったり、と。

    あとは、どうやって相談したらいいかわからない、という質問の答えは個人的に気が楽になりました。
    相談しようと思うより、概念の物質化、と思えばいいと。
    心理のことばで言えば、感覚の言語化とか、感情の言語化、とかそういうことでしょうか。
    その結果得られる体験は「相談しよう」と思った人と同じなのでしょうけれど。

    ことばはやはり大切です。

  • 相談者のメールにまるで推理小説のような明晰な洞察を加えて普通の人生相談を超えた内容の解答が素晴らしかった。知性の高い人ってこういう人の事を言うんだなぁと思った。

  • 2016/03/28

  • なんとなく読んでみたのだが、すっごく面白かった。人生相談という形式をこのような切り口でもっていくとは予想の斜め上をいっていて非常に衝撃的だった。この方の別の著作もぜひ読んでみたいですね。

  • 相談の裏を読む、水面の下の見えない部分を読む、そういう相談室。参考図書もたくさん挙げられていて、やや偏りがあるかもしれないけど、ブックガイドとしてもよいんでないでしょうか。

  • なんでかな、人生相談の本は、よく手に取ってしまう。回答する人によって、答え方のクセみたいなのがあって、その辺の個性がおもしろかったり。
    この本の場合は、「質問者が言ってないことを探り当てる」ところに興味を惹かれた。質問文の少ない情報から、質問者が本当に言いたいことを見つけ、その人の考え方や行動パターンを考察するなど。質問文を読んでいると、たしかに、その人のクセのようなものは感じるんだけど、私なら、こんなふうに言葉でうまくまとめられない。これはちょっと訓練してみたいと思った。
    個人的にツボだったのは、p134「運のいい人」と、p211「プラス志向」の話。

  • 現代社会を生きる人の心の闇を覗いた気がした、が、これを読んじゃってることがわたしの闇なのかも。(笑)

    それぞれの相談事に対して、こうすべき!という答えではなく、考えるポイントや現状評価が多い気がする。相談の分の不足部分についてのツッコミが多い。採点か。でもまあ、人柄って文面に現れるなあと思った。

    以下メモ


    ・決断とは、「こうしよう!」という形ではなく、「そうなってしまう、、」とい形でなされる。極めて受容的。
    ・ガリ勉は勉強ばっかりしているから問題なのではなく、勉強しておけば大丈夫という信仰をもっている点がまずい。→こういうことをやっていた人間はこうなれるとは思わないこと。
    ・モテるとは敷居が低いということ
    ・「頭が良い悪いの問題ではありません。人間が人生諸般の現象に対してどれだけ深く、どの方面にどれどけ強く関心を持っているかによって「暗記力」がきまって来るのです」
    ・「プライドが高い」といのは、もちろん、言うまでもなく、「自信がある」の正反対です。自信がない。だから誰かを見下すことで自分のプライドを維持しようとする。

  • 直前に岡田氏の同類相談本を読んでいたので、一歩負けるなあという感じで読み終わりました。

    以下戯れ言なので本当に失礼だったら申し訳ないんですが。

    國分先生は、イケメンなのがもったいないなあって思っちゃうのは私だけなんでしょうか…

    いやなんていうか、イケメンキャラを要求されて、要求されたら応えなきゃいけないから人間って。そういう風に形作られちゃってないかなあって思っちゃう。

    素かもしれないのですが。

    いずれにしても、崩しきれないというか。なんというか、私にはちょっと面白さが足りなくて物足りないでした。イケメンとかどうでもいいんだ!私!

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科准教授

「2020年 『責任の生成 中動態と当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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