小説 雨柳堂夢咄 ~はかなき願いは時間をこえて~

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511263

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】骨董屋『雨柳堂』を訪ねたら、不思議な"彼"がきっと、おさがしの「縁」を見つけてくれる──大人気コミック『雨柳堂夢咄』初のノベライズ!オリジナルストーリーで贈るアンティーク・ロマンは、原作・波津彬子の描きおろしイラストも満載。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな波津彬子さんの「雨柳堂」シリーズの小説版。
    どのお話のノベライズだろう?と思ったら、全編が時海さんのオリジナルとのことで、まずビックリ。私にとっては久しぶりの雨柳堂だったこともあり、オリジナルという言葉に心配したほどの違和感はなかった。
    小説という媒体ゆえ、漫画版に比べると、台詞や地の文で登場人物たちの心情を書きすぎの感があり、それが蓮や「骨董不思議因縁譚」のミステリアスさを減じている、と言われれば確かにそうなのだけど……だけど、時海さんの丁寧な筆運びに、原作に対する敬意と愛情を感じるのも確か。
    グラント先生や京助さん、大好きな釉月ちゃんも登場していてうれしい。

    三毛の母子猫、蒔絵の藤の手文庫、黒漆の文机に住む5人の親指小僧たち、絵に隠された秘密の想い……。
    すべての不思議因縁譚が、ひとつに収束する最終話の兄弟の関係が悲しかった。兄を支えにしていたとはいえ、自分の人生を捧げた弟の姿は切なく寂しい。

    読了後、波津さんの挿絵だけでは物足りなくなり、本家を再読開始。
    タニアと乙丸、松風花魁のお話は漫画で読んでみたい。

  • 漫画の世界観を受け継いでいて、頭の中でキャラクターが動くようだった。
    でも、この小説を読んだときにちょっと違和感を感じた。なんでだろうと考えてみると、表現の違いがあるからじゃないかと思った。
    漫画は基本的には3人称だと思う。外側からいろんな人物を描いている。登場人物を外から眺めている。でも、この小説は一人称で書かれている。中から眺めている感じ。だからちょっと違和感を感じたのだった。

  • あたりまえだけど漫画より話が長い。もともと漫画が一話完結型の連載なのでひとつの話の決着が早いのだが、そのつもりで読んでると少しもどかしい気もする。ただ、違和感なく読めたのでそこはよかった。

  • 2013.11.30

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著者プロフィール

長野県生まれ。歴史博物館にて、遺跡の発掘や歴史・民俗資料の調査研究にたずさわったのち、2003年作家デビュー。著書に「あさきゆめみし(全5巻)」(大和和紀・原作)、『平家物語 夢を追う者』『竹取物語 蒼き月のかぐや姫』『枕草子 清少納言のかがやいた日々』『南総里見八犬伝(全3巻)』『真田十勇士』(いずれも講談社青い鳥文庫)、『小説 ちはやふる中学生編』(講談社)ほか多数。日本児童文学者協会、日本民話の会に所属。

「2022年 『×××HOLiC  映画ノベライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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