偽恋愛小説家

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 498
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511881

感想・レビュー・書評

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  • 今回のテーマは、御伽噺の解体と新解釈。あと『本物』とは何かというのであろうか。いつも通りの森晶麿ワールドでとても楽しかった。月子の姿が編集者としてどうかと思うが、実際の編集者にお会いしたことがないので、イメージと異なるのかな、とも。黒猫シリーズ以外には続編がないが、続編が出て欲しいと思った一冊であった。

  • センスが好き。童話とからめた解釈もいいし、偽の意味もいい。作中作の恋愛小説には興味ないけど偽のほうは気になる。

  • 表紙が素敵だと思ってたら、たまよしの方で、なるほど感!

  • 恋愛絡みの事件を童話になぞらえて解決していくという新鮮なミステリーでした
    難しいところもあったけど読み出したら止まらなくて入り込んじゃいました
    ラストの真相、予想当たって嬉しかった!推理じゃなくてただの願望だったんだけどね(笑)

  • 面白い。恋愛小説でもミステリーでもない。でもどちらの要素もある。ハイブリッド小説。
    今まで考えたことがない視点でおとぎ話を解体していくから、ハッとしたりニヤリとしたり唸ったり。
    そしてミステリーや美学のなかに散りばめられたロマンティックさが、この方の小説の愛しいところだなぁ…なんて思ったり。

  • 御伽噺や名作の童話の解体を混ぜつつ、恋愛小説の皮をかぶったミステリー…なのか?

    フォントがずっと嘘くさい感じですごく気になった。作中作くさいというか。

    童話の新解釈部分が興味深い。
    シンデレラに関しては、グリム版だとまた解釈も異なるのかな。

    もしかの「続編」が出るならそれは盛大な恋愛小説というより、もう公開ラブレターに違いない。

  • 新米の編集者である月子が初めてついた小説家は恋愛小説の新人賞をとった作家本木。第2作目のプロットを出してもらうもののどれもこれも第一作とは全く違うミステリばかり。それどころかおとぎ話の王道恋愛もの(シンデレラ、眠れる森の美女、人魚姫etc.)の恋愛要素をこっぱみじんにする解釈で月子を翻弄。
    そんな中、本木にニセモノ疑惑と殺人容疑。それと同時に本木は失踪する。はたして真実は・・・
    「本当は怖いグリム童話」とかでおとぎ話の新解釈が一般にも知られるようになったけど、この小説の中のおとぎ話の新解釈はかなり衝撃的だった。いやではないけど、こんな風におとぎ話を「分析」しながら読む人ってどんな感じなんだろう・・・

    何かこのニヒルな感じが何かに似ているなぁと思ったら、「黒猫の遊歩あるいは美学講座」と同じ人だったのね。

  • 編集者と小説家コンビの変わり種ミステリー。
    小説家への疑惑と同時に,彼らの周囲で起こる事件の数々。
    事件になぞらえて,おとぎ話を大人解釈するので,もしかして夢が壊れるかも。
    最後に見えた小説家の恋の予感が,新米編集者が報われた感じがしてよかった。

  • 2014.12.4

  • 「第一回晴雲ラブンガク大賞」を受賞して、華々しく文壇にデビューした恋愛小説家・夢宮宇多。その勢いを買われてか、恋愛小説のようにロマンティックな体験談を持つ女性を実際に訪ねて話を聞く、というネットテレビ番組のホスト役の仕事が入ってくる。担当編集・井上月子の説得で仕事を受けることとなったのだが、そこで出会った女性はまさに現代のシンデレラのようなエピソードをもつ女性であった。しかし、夢宮宇多は話を聞くうちにエピソードの隠された真実に気付いていく。
    その一方で、夢宮宇多の受賞作は亡くなった彼の幼馴染みが書いたのではないか、という疑惑が浮上し、物語は意外な展開を見せるが……。

    イケメンどS恋愛小説家と新人編集者・月子のドタバタブラックミステリー。シンデレラ、眠れる森の美女、人魚姫、美女と野獣の物語を絡めた連作短編集。ノリは黒猫シリーズと一緒。絡め方とかブラックなオチとかわりと丁寧で面白いし、先生のキャラも好きなんだけど、どうしても月子が好きになれなくてつらかった。下衆の勘繰りが過ぎる気がして、思い込みも強いし、猪突猛進だし編集者としてどうなの?と思ってしまって……。もうちょい地道に関係を重ねてラストにたどり着いてほしかったかな。黒猫より題材が親しみやすくて解体も面白いから、続編は楽しみだけれど……。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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