私はテレビに出たかった

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 190
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512383

作品紹介・あらすじ

巨大外食チェーン店「肉弁慶グループ」の人事部に勤める倉本恭一は本人役で会社のCMに出ることになった…のだが、当日まさかの遅刻で大失態をおかして代わりに上司が出演することに。
そこから恭一の「テレビに出たかった」気持ちが爆発、芸能事務所に入ることに。
恭一の身辺が少しずつ変化する中、小学6年の娘、エリカの様子がだんだんおかしくなっていき……
今まで普通に生きてきた恭一の人生の歯車が狂い出す。
松尾スズキが描くサラリーマン小説!
朝日新聞夕刊連載の書籍化。著者10年ぶりの長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • ものっすごくドンちゃん騒ぎで途中は何を読んでるのかわかんない位迷子になったけど、最後はなんか良かった。
    色んな要素が取り込まれすぎて…なんかよくわかわないけど、ホッとした終わり方で最後は楽しくなった。
    テレビかーーー…出たいと思ったことないけど、芸能界はほんまに大変なんやろなぁ。

  • この作者、気になってたが、初読でした。ドタバタは好きじゃないが、これは面白い。話が作り込まれてると感じた。

  • この内容、新聞連載って。朝日やるなぁ。

  • 外食チェーンの人事部に勤める主人公は、自社CMに出演するチャンスを逃してしまう。自宅ではTVを見ない生活をずっと続けていたのだが、そのことをきっかけに「TVに出たい」欲がムクムクと湧いてきて、ついには劇団にまで所属するようになる。
    一方、彼の娘は小学校のクラスを束ねるリーダー。正義感が高じてトラブルに巻き込まれていき、それがやがて父親の劇団や別の事件と一体化していく……。
    自分や娘と年齢が近いせいか、それぞれタイプこそ違うもののやけに親近感を持って読んでしまった。主人公の恭一が最後に夢をかなえるシーンとそれに向かう執念が、忘れていた青春の1ページを思い起こさせるようでもあった。
    とにかくストーリーのテンポが抜群で、会話もいちいち笑える。さすが松尾スズキ、としか言いようのない面白さ!

  • 妻子ある中年である主人公は、会社のCMに出そこなったことで「テレビに出たかった」という己の欲望に気付く。それは高校生の時にテレビに出そこなったトラウマが疼いたのかもしれない。主人公は妻子に内緒で芸能事務所に所属してエキストラとしてテレビに出ることを目指す。そのころ、妻と娘は不穏な動きを見せ始めていた。旧知の人々との再会、芸能事務所での出会い、妻と娘。様々な出来事が、過去と今が繋がった事件は、下北沢と沖縄を舞台に同時進行していく。

    おもしろかった。小説に没頭できたのは久しぶり。ただ、中盤以降に話のスジが何本もできて展開するので、ついていくのがしんどかった。登場人物も多いし。終盤は話の展開に加速度がついて狂騒的でカオス。このへんはいかにも松尾スズキ。最後まとまるのかこれは?と思ったがお見事。映像化してもおもしろそう。というか映像化したら小説よりおもしろいかも。

    でも実は、一番好きなところは、序盤に主人公が「テレビに出たい」という己の欲望に気付くところ。衝動や欲望が削げ落ちていく、落葉の時代を生きる凡庸な中年男性の一筋の閃光を感じた。しかしテレビの地位が更に凋落して、「テレビに出たい」という欲望が理解されなくなる日も遠くない気がする。

  • テレビに出たくないやつは変態だって言葉はなんとなく分かる気がした。私もなんだかんだ言って映りたい!!色々な事件も沢山起こしながらも面白くハッピーに終われてよかったです

  • 文学

  • 笑わせてやろうというノリにちょっとのれなかったがなかなかよかった。

  • 著者の作品、映画くらいしか、見たことがなかったので、新鮮だった。
    テレビに出たいやつなんて変態だと言っていた人が、実は一番テレビに出たがりだった。
    こういう矛盾が、人の中には溢れていて、自分でもその矛盾に気づかないことが多い。そして、苦しめられているのにも気づかないこともあるが、心ではどんどんその欲求は大きくなってきていて、いつか破裂してしまったりする。
    物語は、いろんなところに盛ってあったりあり得ないような設定をしてあるが、随所に現れる、先に述べたような人の本質のようなものを表現している部分については、特別な人の話ではなく、自分の身の回りもしくは自分の中でも起こりうる話なのかもしれない。
    たのしく読めた。

  • 何とかテレビに映りたくて奔走する、中年サラリーマンが主人公。
    さえない中年が四苦八苦、毎回あと一歩のところでテレビ出演を逃し続ける前半のどたばた劇は、荻原浩のおかしさにも似ている。
    これが途中から一転して、小学生の娘を取り巻く事件が勃発。子役もからめて上手くつながってはいるのだけれど、こちらに比重がかかりすぎ、前半の笑いが失速してしまったのは残念。タイトルどおりの路線をメインのままに突っ走ってほしかった。
    それから、上司のその後も見たかったな。

    作者について、テレビでのとぼけた味のある演技や、大人計画を率いていることは知っていたけれど、小説を読むのはは初めて。芥川賞候補にもなっているので、その辺りも読んでみよう。

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著者プロフィール

作家・演出家・俳優

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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