見抜く力

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513021

作品紹介・あらすじ

【社会科学/経営】キヤノン電子のカリスマ社長が教える、リーダーのための「本質の見抜き方」。赤字の原因を見抜く、人間の本質を見抜く、自分と会社の強み・弱みを見抜く、そして、時代の変化を見抜くなど、リーダーが養うべき「眼力」を、豊富な具体例をもとに解説。仕事は「正しく見る」ことから始まる!

感想・レビュー・書評

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  • 「見抜く力」をベースに置きながら、「リーダーとはどうあるべきか」が描かれたビジネス書との印象。
    「どんなリーダーが求められるか」や「良いリーダー(または悪いリーダー)がいると組織はどうなるか」の説明がわかりやすい。具体例が挙げられているのも一つの理由だろう。
    特に気になった点は以下箇条書き。

    ・下から目線→謙虚さ、無知の知、が大切
    ・背中で察知→いつもと違う、小さな変化に気づく
    ・2週間毎のレポート=論理的思考の訓練
    (課題は何か、そのために何をすべきか、成果、次はどうする)
    ・「よくわからんがやってみろ」⇔「誰もやってないことを面白がってやろう」
    →部下には言いたいことを言わせる
    ・自分ができないことで悩まない
    ・自分ができることで悩む(エピクテトスの考え(別著:人生の授業))
    ・幅広い人脈→自分を助ける(優秀な人材を周りに置く)→見抜く力の源泉
    ・敵が味方か(損か得か)→ビジネスを円滑に進める
    ・いい部下を育てること=自分の身を守る(周囲が助けてくれる環境)
    ・温故知新…今思いつくことは先人も考えている→過去成功しなかった要因を分析⇒前提条件が揃うのを待つ
    ・算多きは勝つ…事前準備は大切
    ・40代は20代の二倍勉強する→能力は年齢とともに衰える(プレイヤー←マネージャー)
    ・本を読んだら必ずメモ…吸収の習慣(何を学んだか)

  • リーダーとしての心構えをまとめた本。著者の苦労も垣間見え、経験に裏付けられた説得力がある。ドラッカーや孔子の引用が時折出るように、マネジメントに関する話が多い。
    ジョブズと直接仕事をした話も出ており、酒巻さん自体が優れたリーダーであり先見性があることを知った。
    「やめておいたほうがいいよ。時代が早すぎる」
    というジョブズの言葉が印象に残った。

  • 評価基準は取り入れたキーフレーズの数
    星の数に対して0〜1,2〜3,4〜7,8〜11,12以上

    感想--
    孫さんが推薦しているとの帯に惹かれ手に取った。
    内容はキャノン電子社長の坂巻久さんの経験談を通して問題の本質を見極める方法や考え方が記載されていた。職場における上司や部下などの人間関係が企業の体質に現れているという考えがベースにあるの感じた。良い企業とは、企業の考えが従業員に伝わり、ピリッとした空気を持ち合わせているらしい。それらを醸成するために、考えを浸透させ、指示をしたあとの経過にも気を配らせる必要があり、定期的にウォッチされていると考えさせることが自発的に動くことができる会社を作り上げる。とりあえず、部下の提案は受け入れ、やらせてみるのがいいとのこと。たしかに、やらせてもらえるとやる気が出た。逆に否定されると他の粗探しが始まるのもわかる。


    見抜く力=深い知識+正しい経験の積み重ね
    埋蔵された利益を掘り起こす
    レポート内容が本人毎として記載されているか
    大量の贋作より1つの本物に触れよ

  • 部署の図書にあったもの。
    若い頃から真摯に物事に向き合って調べ尽くしてきた
    人だからこそ書ける本かな。

    中盤のダメなやつを観察する、管理職がだれていると組織がだれる、などは、不採算事業を扱う人ならではの苦労を感じさせるが、語り口がキツくてちょっと読みづらい。性善説ではなく、悪いやつを片付ける、という感じの対応をした、という印象を受ける。

    最終章にある、予算が取れなかった時に社長に直談判し、霧の中で君ならどうする?というエピソードや、人に裏切られた時に、座禅を組んだりしたという話からの、待つべき時はあるのだという語りは最近のマインドフルネスに通じるかも?

    簡単に読める割にはまぁまぁ面白かった。
    製造業を離れて数年経っているので、利益を掘り起こすために全てを半分に、という部分は新鮮に感じた。
    建物、人件費、時間、コスト、全てを半分というのはなかなかいいが、半分にした後の人ぐりについてはあまり深掘りしていなかったな。(3人でできるのに25人の部下を持つ人への話の部分。)

  • 少し精神論的要素が強いように思える

    歩くのが早い人が仕事ができるというのもそうとは限らないだろうし、人脈の広さが人を見抜く原点とあるが、たとえ人脈が広くなかろうと、仕事で付き合う人が多かったり、1人でいることが好きな人が自分の個性を活かして、活躍している人もいる。

    少し矛盾を感じる本だった。

  • かなり具体的は経営の本だと思うが、生かせる内容は多くあった。

  • リーダーは、本質を見極めよ。
    見抜く力は、深い知識、知恵と正しい経験の積み重ね。
    玩物喪志、人を玩べば徳を喪い、物を玩べば志を喪う。
    相手の立場、心情を察して行動をする。

  • 「見抜く力」は過去の経験や知識の積み重ねによってのみ鍛えられる。
    そして、ここでいう「知識」とは、本やネットによって調べたことを丸暗記したものではなくて、それを簡略化していつでも使えるようにしたものであり、それが「知恵」であるそうだ。

    これを読んで、自分が今までたくさん読んできた本やネットの情報から得たものは、その多くが「知識」止まりだったんじゃないかなとハッと気付かされた。
    生きていて、本から得たことを思い出したり、意識的に本から得たことを実践しようとした経験って意外と少なくて、読んでいるときには「なるほどなるほど」と納得して分かった気になっているものの次の日にはその内容を覚えてないことが多い。

    じゃあ、どうしたら知識を知恵にすることができるんだろう?
    本でも何でも日常生活で、「自分の琴線に触れたもの」を見過ごさずそれを自分なりに解釈する、自分なりの考えを持つ、そしてそれを書くなり話すなりアウトプットする。
    一つでもいいから本から得た知識をすぐに実践してみる。
    人から借りた言葉じゃなくて、自分の言葉でその知識を理解して用いることができるようになれば、単なる知識じゃなくて結晶化された知恵として人生に役立てることができると思う。
    やっぱりインプット以上にアウトプットが大切なんだな!!!


    あとは、give &takeの精神を大切にしていこうと思った!
    なんで先にgiveなのか疑問すら持ったこともなかったけど、まずは自分が人に与えてこそ、人から与えてもらえるという意味なんだなと知ってたかが語順されど語順だなと思った。
    自分から人に与えられる人を目指そうと思った。

  • 洞察力と、知識、本質的な事をシンプルに考える力

    ダメな会社の共通点
    ①トップ、リーダー層がたるんでいる
    ②指示待ち人間が多い
    ③売上の20~30%の無駄がある→埋蔵された利益とも取れる

    各費用を売上高からの比率で表し、変化を継続して見る。物流は見えにくい。最短なのか?とか。
    お金を貯めることの重要性。その資金があれば、銀行などに相談しないで新しいものを作ることができる。スピード感ある経営。
    財務諸表ばかり見ている経営者はだめ。若者に夢を与えることが仕事。
    指示を出し、それを末端の社員に伝わっているか聞き。聞いてない。どこで止まっているかを辿っていくことで、管理職を見抜いていく。
    相手の立場になって考えることができるか。人に親切にできるか。ギブアンドテイク。まずは与えることである。
    目配り気配り口配りの、三配りを行う。上司が部下を見守る。できている上司は、部下の変化に気づける。部下が帰る時の背中は、無防備なので、心のうちがストレートに出やすい。癖に着目するのもいい。
    異動の際に、しっかりと理由を伝えることは大事。
    手書きは人の注意を引き付ける。
    小さな異変に気づく人は、きれい好きの人が多い。
    上司は、わからないものを部下が持ってきたら却下してしまう。それではダメ。

    人を見抜く。俺が俺がとでしゃばるタイプは、人の手柄を取ったり、できないのに俺の仕事はこれじゃないとか言う。話しているときに、目を合わせない、または、じーっと見つめるタイプはコミュニケーションに難がある。
    ベンチャーで成功する人は、人を、敵か味方かを見抜く力がある。成功する人は、耳の痛いことを言う人を味方と捉えるが、失敗する人は、耳に心地のよい事を言う人を味方と捉える。
    三流なのに一流だと勘違いしたら会社は潰れる。

    時代を読む。どういう商品、サービスが登場したら、自社の製品、サービスが売れなくなるかを考えることは重要。未来を見るだけでなく、過去の歴史を学ぶことで、答えが出る。

    本物に触れることで、センスは勝手に磨かれる。ゴルフも、美的センスも。

    40代になったら20代の2倍勉強しなければいけない。体系付けられた知識を学ばないと、さらに大きい組織をまとめられない。50代なら3倍。
    本を読んだらメモする。良い本を読んだら、巻末の参考文献を全て読んでみる。同じ本を読んだ人よりさらに深い知識を得ることができる。

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著者プロフィール

キヤノン電子社長

「2020年 『仕事の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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