優しい鬼

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513137

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代に読んだ、アメリカの文学作品を思い出した。

    ケンタッキー州の山の中、楽園と名付けられた土地に、騙されるようにして連れてこられた少女(妻)。
    二人の少女とひとりの男性の奴隷。
    力が世の中を支配する、貧しいアメリカの田舎。
    逃亡、そして再訪。

    語られる内容は、ひどく残虐。
    しかし、言葉は選ばれており、語り口は静かで平穏。
    本書に挿入されている、ピンホールカメラの画像のイメージが、その空気を表現していると思う。
    話は徐々に進み、幾人かの語り手をとおして語られる。
    読者は、その言葉をたよりに、前にかかれた物語を補完し、その全体像がつながっていく。
    読み返すことによって、より世界がはっきりしていくと思う。

著者プロフィール

一九六八年シンガポール生まれ。少年時代に祖母の住むインディアナの農場に移り、ここでの体験がのち小説執筆の大きなインスピレーションとなる。これまでに『インディアナ、インディアナ』『優しい鬼』『ネバーホーム』(以上、邦訳朝日新聞出版)、The Evening Road など長篇九冊を刊行。『ネバーホーム』は二〇一五年フランスで新設された、優れたアメリカ文学仏訳書に与えられるGrand Prix de Littérature Américaine第一回受賞作に。最新作Zorrie (2021)は全米図書賞最終候補となる。現在、ブラウン大学教授。

「2023年 『インディアナ、インディアナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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