おひとりさまの最期

  • 162人登録
  • 3.43評価
    • (4)
    • (7)
    • (14)
    • (3)
    • (0)
  • 16レビュー
著者 : 上野千鶴子
  • 朝日新聞出版 (2015年11月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513250

おひとりさまの最期の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 新年最初の一冊がこれってどんなものかとは思いつつ、年末から読みかけていたもので。

    「おひとりさま」シリーズもこれで打ち止めらしい。テーマはずばり死の迎え方。「誰でも最後はおひとりさま」。言われてみればまったくそうで、さあ、自分はどこでどんなふうに死んでいくことになるんだろうか。上野先生は、自分の希望する「おひとりさまのまま在宅死」することが、今の、そしてこれからの日本で可能だろうかと、多方面にわたって調査し、考えていく。気軽に手に取れる装丁と筆致だが、「ケアの社会学」とあわせ、社会学者としての集大成と言っていい気合いの入った著作だ。(大作「ケアの社会学」は少しずつ読み進めているのだが、手に取ってから足かけ三年、まだ読了に至らない…。)

    たくさんの医療・介護関係者や施設・病院の事例が紹介されており、さまざまな終末期の迎え方が描かれている。「ケアの社会学」でも書かれているが、介護保険導入によって高齢者介護の現場は大きく変わり、今現在も変動のただ中にあるようだ。幅広く丁寧な調査から、今の時点で何ができて何が困難なのか、大体わかったように思う。医療や介護については、都会か田舎かにかかわらず、住んでいる地域によって、受けられるサービスにかなり違いがあることに嘆息する。

    上野先生の舌鋒は、当然いつものごとく鋭い。「孤独死」を撲滅すべき「悪」のように言い立てることへの異議や、見知らぬボランティアに「見守られて」死んでいくことなど誰もが望んでいるわけではないなどと書かれているあたり、実にその通りだなあと思う。「傾聴ボランティアもいりません」とあり、ほんと、なんで自分のことなど何も知らない人に向かって人生など語らにゃならん。ま、そういうのがしたい人はしたらいいけど、私は頼むから放っておいてほしいのよ。死ぬまでのことや死んでからのことにまつわるアレコレは、死んでいく当人ではなく、家族や周囲の人間の思惑で進むことばかりだなあとあらためて思う。

    うーん…と考え込んでしまう指摘も随所に。医療従事者には真面目で責任感の強い方がたくさんいて、患者から問いかけられる難問にも何とかして応えようとするが、宗教的領域に関することは専門家に任せた方がいいということ。尊厳死については、「生きるに値しない生」があるという考え方にたやすく滑り落ちていくという点で賛成しかねるということ。この二点については宿題をもらった気分だ。特に後者は、合理主義者の上野先生のこと、尊厳死には賛成なのではと思っていたので意外であった。何事もバッサバッサと斬っていくようで、その実「慈愛」としか言いようのない人間味のあるところが、上野千鶴子のすごさだと感じた。

    政府の進める在宅介護は、福祉にカネを使いたくない意図が露骨だが、上野先生は「政府の思惑はどうあれ、在宅介護自体は良いことなので利用しやすいかたちにしていけばいい」としている。私はここについては、反射的感情的に「勘弁してほしいなあ」と思ってしまう。今の情勢からして、いい方向に進むとはとても思えない。先生が繰り返し指摘されているように、「お世話する性」である女性の負担がより大きくなるのは火を見るより明らかではなかろうか。家族ではなく、いざというときに支えてくれる友人知人がたくさんいる「人持ち」の方の例がいくつかあげられているけれど、誰もがそういうキャラクターになれるわけでもない。私などどうなることやら、とため息が出る。

    ただ、上野先生がおっしゃるとおり、どう死んだかで人生の値打ちが左右されるわけではないのは確かだ。死ぬのはたった一回限り。大事なことは他にもある。

  • P34
    選べない介護は強制労働。
    P169
    死にゆく人を一人にしたくない、死に目に立ち会いたい、というのは本人ではなく家族や周囲のこだわりでは?
    冷水浴びたような衝撃だった。
    周りは一人にしないよう、と考えても、死にゆく人の真実とは、
    「たまには、一人にしてください」
    私は身内を看取ったとき、いいバランスでできたのだろうか?

    最後まで読めず、途中挫折。
    読むの疲れてきた。

  •  医学業界では、不要な延命はしないようになってきているが、一般の人にも過剰な医療を避ける考えが広がってきていると感じた。
     高齢者の約半数が独居もしくは夫婦のみになっている現状を知り、多さに驚いた。
     家族関係が希薄になってきている中で、子供やその嫁に頼らず、他人との関係を築き、人持ちになって自立することの重要性が述べられており、勉強になった。

  • 資料番号 : 00010285
    請求記号 : 367.75||UEN
    配架場所 : 上階書架
    NCID : BB19936810

  • 非常にためになりました。
    親がなくなってひとりになったら一人で死ねる体制の整ったところに引っ越そうと思いました。

  • 印象薄し

  • 本書を読むまで、誰にでもなる可能性のある「おひとりさま」は、施設か病院でしか最期を迎える選択肢しかないし、孤独死や孤立死は事件で、周囲に迷惑がかかると思っていました。でも、在宅医療を利用することで、そうはならないこともあると初めて知りました。誰でも自分の家を離れたくないし、住み慣れた家で過ごしたいという気持ちがあります。自分の最期をどう迎えるか、選択肢が増えることは嬉しいことです。そのために考えておくべきことが、医療、介護、費用、ネットワークなど様々な面で知ることができました。家族皆で読みたい本だと思いました。

  • 今は配偶者がいて子どももいるとしても、もしかしたら私も独居高齢者になるかもしれない。
    まだ雲をつかむようにイメージのない終末期について、自分はどう過ごしたいのだろう?答えは見いだせないままだけど、両親のことを含め、考える良い機会になった。
    ただ、家族がいようがいまいが、それはその人を形づくる要素。確かに、その人らしい最期を送るには、家族は抵抗勢力かもしれない。けど、みな何かに葛藤しながら、折り合いつけながら生きている。随所に見られる、上野さんの「おひとりさまでよかった」という物言いには素直には賛同できなかった。
    ともあれ、在宅死ということ、それがどうすれば実現できるかを知れたことは有意義だった。

  • 過疎地に住む高齢者の生活支援について考えていて、いろんな見方を知りたくて読んだ。訪問介護・看護や在宅看取りなど、漠然としか知らなかったし、苦労話ばかりを聞くので、正直なところビビっていた。でも、新しいやり方・本人の納得感を大事にしているいろんな事例を知って、パワーをもらえた感じ。気になった事例それぞれをもうちょっと詳しく調べてみたい。

  • 天涯孤独のおひとりさまはどうなる?
    なんか中途半端?

全16件中 1 - 10件を表示

上野千鶴子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
原田 マハ
又吉 直樹
宮下 奈都
森 絵都
角田光代
朝井 リョウ
西 加奈子
恩田 陸
西 加奈子
酒井 順子
有効な右矢印 無効な右矢印

おひとりさまの最期を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

おひとりさまの最期を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

おひとりさまの最期の作品紹介

「在宅ひとり死」のススメ。何でもあり、どんな死に方もあり!身近な友人の死を経験して「次はいよいよ私の番だ!」と切実な関心のもとに、医療・看護・介護の現場への取材から得た収穫を、惜しみなく大公開。

ツイートする