戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアル

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制作 : 冷泉彰彦 
  • 朝日新聞出版 (2016年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514332

戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアルの感想・レビュー・書評

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  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:319.27||E
    資料ID:95170724

  • 著者は中東専門のジャーナリストでTV局の海外特派員。イラク戦争、アラブの春、レバノンのヒズボラ、シリアのISなど、ここ20年の中東の大混乱を現地で取材し続け、著者自身が事件を持ち込みながら移動しているような錯覚を覚えるほど。
    現地への侵入、イラク戦さなかでの現地ルポ、誘拐の経験など、身体を張ったという言葉がふさわしい壮絶な取材記録。
    新聞やテレビでは、白黒・善悪に分けた分かり易い解説がなされ、複雑な話には我々自身も目を離しがちだが、歴史の積み重ねと欧米の介入による混乱、宗教的な対立など、とても分かり易いどころではない、混乱の極みであることが理解できる。
    それにしても、危険を顧みず著者を報道へと駆り立てるものはなんだろう。知りたい、伝えたいという情熱。しかし、ぬくぬくと現代日本で生きている身からは、何故にそこまでという想いを禁じ得なかった。

  • 中東の数々の戦闘の実情を、戦場記者が明らかにした本。この地域でのかつてのヨーロッパの行い、そして現在も続く米国の中途半端な行為が、現在のカオスを招いたことがわかる。
    ISは駆逐されつつあるが、この先の状況がどうなるのかは見通せない。

  • [開けっ放しのパンドラの箱]カイロに下り立って以降,イラク,レバノン,リビア,そしてシリア等で度重なる戦禍を目の当たりにしてきた著者が,自らの取材歴を生々しく綴った作品。著者は,米NBC首席海外特派員を務めるリチャード・エンゲル。訳者は,在米ジャーナリストとしても活躍する冷泉彰彦。原題は,『And Then All Hell Broke Loose: Two Decades in the Middle East』。


    実地にしっかりと根を下ろしている一方で,マクロな視点をも加味した記述になっており,中東政治に興味のある方にはぜひオススメしたい作品。また,一級の戦場ジャーナリストが,何を考え,どのように行動するのかについても学べるところは非常に多いかと思います。

    〜中東において戦争は,完全な善人と完全な悪人を峻別することが不可能になっている。グレーゾーンというのが当たり前になっているのだ。だが,こうした解説はテレビ向きではなかった。あまりにも複雑で,あまりに自分たちの世界から懸け離れた話だったからだ。要するに,あまりにも中東的な話になっていた。〜

    特にシリアのくだりは読み応えがありました☆5つ

  • もちろん今はISILに注目されがちだが、それにいたるアルカイダ、アフガン戦争、イラク戦争・・・などに至ることが綴られている。

    主に印象的であったのは、イスラム教徒の自らが辿ってきた歴史に対する想いである。ムハンマドによって開祖され、その後のカリフが広げたが、モンゴル勢力によって蹂躙され、その後トルコによって再興されたが、それはどうしても歪んだものになってしまった、という認識である。「イスラームのあるべき姿に戻る」というのがイスラム原理主義である。彼らはとても平和的である。まよえるものに手を差し伸べ、優しく語りかける。「原理主義過激派」というのは、手段が暴力一辺倒ということだ。

    著者はブッシュ大統領の外交姿勢にはもちろん批判的であるが、同じくらいオバマ大統領にも批判的だ。結局、中東の考え方、価値観をまったく把握できていないからであろう。後手後手になって当然である。選挙などをやっても落ち着かないのは当然だ。

    またISILの狂気を垣間見ることができた。看過できるものではないが、彼等の辿ってきた歴史、外交の結果踏みつけられてしまった「何か」が鬱積してしまったのだろうと思う。これは、ただ「いなくさせればいい」というものではない。

  • NBC海外特派員、リチャード・エンゲルの「中東の絶望、そのリアル」読了。2009年から毎日見ている"Nightly News"の中東特派員。20年に渡って継続された報道からアメリカと中東とのアンビバレンツな関係性が浮かび上がる。世界を向こうに回すIS相手に日本も無関係ではいられない。

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リチャード・エンゲルの作品

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